体重を減らす為に日常生活に取り入れやすい5つの習慣を解説◎
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短期間で確実に、そして楽に体重を減らすというのがダイエッターの望む理想のダイエットです。しかし、ダイエットとは健康な体を作るために考え方と行動を変える取り組みなので、分かりやすく効果が見えるまで時間がかかります。
そこで、本記事では無理なく続けられる痩せ思考と痩せルーティンを身につけられるよう、痩せる習慣を5つご紹介します。すぐに効果が現れなくても、続けることを最優先に実践してみてください。
執筆者:broccolin
資 格:管理栄養士|栄養教諭一種免許|食品衛生監視員|食品衛生管理者
日光浴と朝食で太りにくくする
サーカディアンリズム(概日リズム)という言葉をご存知でしょうか。私たちの体には体内時計が備わっています。たとえば、朝起きてから日中を活動的に過ごすため、夜は血圧を少し下げる、起床前に血圧を上げ始めるということが体内時計により行われています。
この体内時計は約25時間周期になっているので、リセットして24時間周期に対応させる必要があります。リセットするために必要なのが日光浴と朝食です。
日光浴で体内時計をリセットする
日光を浴びると、メインの体内時計がリセットされます。
メインの体内時計は脳の視交叉上核という場所にあり、朝方に光を浴びれば1時間リセットされ24時間周期になります。一方、深夜に光を浴びると周期のズレが増え、体内時計によるリズムが崩れます。
毎朝体内時計をリセットすると、朝日を浴びてからおよそ15時間後に眠くなるようになります。この眠気を促すホルモンには食欲を抑える効果があるので、食べすぎも抑制できると考えられます。
朝起きてすぐに15分から30分程度日光浴をするのがおすすめです。日光浴と運動はホルモン分泌の面からみても相性が良いので、5分程度の朝散歩から始めてみませんか。
朝食を食べて体内時計をリセットする
中枢を支配するメインの体内時計だけでなく、心臓や肺、腸、腎臓、肝臓、筋肉をはじめとする末梢にも体内時計は存在します。末梢の体内時計は朝食を食べることでリセットされます。
朝食を摂らないと、脂肪の合成促進と心身の活動能力低下が起こります。体が飢餓に備えてエネルギーを温存しようとするためです。昼夕の2食しか食べない方は、少量でも良いので同じ時間に朝食を摂るようにしましょう。
有酸素運動で脂肪燃焼
ダイエットを成功させるには食事制限が重視されますが、摂取エネルギーを見直すだけでなく、消費エネルギーを増加させることも重要です。
運動にはジョギングなどの有酸素運動と激しい筋トレに代表される無酸素運動があります。体脂肪を減らすために効果的なのは有酸素運動です。本項では、どんな有酸素運動を、いつ、どれだけすれば良いかを見ていきます。
始めやすく続けやすい有酸素運動はウォーキング
運動初心者にもおすすめの有酸素運動はウォーキングです。ダイエットは習慣化が重要なので、ランニングなどのきつい運動は不向きです。
わざわざ歩きに出かけるのではなく、電車1駅分歩いたり、エレベーターやエスカレーターを避けたり、車を遠い駐車場に停めたりすれば、簡単に生活に取り入れられます。
現在は無料コンテンツが充実しているので、動画を参考にダンスエクササイズやヨガを始めてみてはいかがでしょうか。さらに脂肪燃焼効果を高めたい場合は、有酸素運動に加えて夕方の筋トレをすることもおすすめです。
無酸素運動も併用することで、ピンポイントに筋肉を鍛えられ、理想の体型に近づきます。筋肉が増えると基礎代謝量が増加するので、日々の消費エネルギー量が底上げされます。
太ももや肩、背中といった大きな筋肉を動かすと効率よくエネルギーを消費できるので、スクワットを3分など無理のない運動量から始めてみてください。
まとまった運動時間が取れなくても大丈夫なので、普段より歩いた、筋トレを1セットできた、という小さな積み重ねを意識してみましょう。
空腹時の運動がおすすめな理由
体のエネルギー源は、炭水化物、タンパク質、脂質の3つです。運動し始めて最初に使われるのは炭水化物で、燃やしたい体脂肪は炭水化物をある程度使ってから代謝され始めます。
お腹が空いているとき、すなわち体内の炭水化物が少ないタイミングで有酸素運動をすると脂肪を効率的に燃やせます。
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栄養不足に気をつけよう
ダイエット期間は摂取エネルギー量を抑えるため食事量が減り、栄養不足に陥りやすいです。普段の食事でさえ、食物繊維やビタミン、ミネラルをはじめとする体にとって必要な栄養素が不足気味になります。
栄養不足になるとお通じが滞ったり、飢餓の危険を体が感じて脂肪を蓄えようとしたりして太りやすい体質になります。
「食物繊維・タンパク質・ビタミン・ミネラル」の不足がダイエットの大敵です。糖質制限を行えば必然的に食物繊維の摂取量が減ります。食物繊維が足りないと便秘になり、食べたものを溜め込んでしまう痩せにくい体になります。
また、全体の食事量が落ちれば、他の栄養素の摂取量も下がります。タンパク質が不足して、筋肉量が減ると、基礎代謝が落ちて痩せにくくなります。
ビタミンやミネラルは代謝を助ける機能を持つので、これらが不足するといくらダイエットを頑張っても報われないという事態に陥ります。
タンパク質を補うためには、脂身の少ない肉や豆腐、良質な油を含む魚を積極的に食べるのがおすすめです。
ビタミン、ミネラル、食物繊維を補うためには、ゴボウなどの根菜類と海藻類を組み合わせること(不溶性と水溶性の食物繊維を併せて摂ることが腸内環境改善に役立ちます)、果物を食べることを取り入れてみましょう。
上白砂糖の摂りすぎはNG
精製された白い製品は体に良くないと言われています。主に、上白糖、白米、小麦粉などです。上白糖はスクロースという糖をさします。清涼飲料水の成分表示を見てみると、1番目に果糖ブドウ糖液糖と書かれています。
成分表示は含有量が多い順に書かれているので、砂糖が大量に入っていることを意味しています。お菓子にも大量に使われていて、ダイエットを妨げる誘惑のもとになっています。
砂糖は料理には欠かせない調味料の1つです。調味料を上白糖以外に変えることで砂糖の摂りすぎを抑えることができます。
上白糖を別の食品に置き換える
黒砂糖、本みりん、はちみつ、メープルシロップなどが上白糖の代用品としておすすめの食品です。下表で、上白糖と代用におすすめな食品の主な栄養価を比較しました。黒砂糖は上白糖より炭水化物が少ないため、エネルギーも少ないです。
一方、ミネラル含有量が多いので、代謝を助ける成分が含まれているという点でダイエットに向いていると言えます。本みりんやはちみつ、メープルシロップは炭水化物量が少ないので、使用用途毎に使い分けても良いです。
上白糖で調理する際と同じ量の代用食品を使用すると、最初は甘味が足りないと感じるかもしれません。味覚が慣れるには時間がかかるので、諦めずに美味しく感じるようになるまで味覚を研ぎ澄ませましょう。
上白糖とその代用食品100gあたりの栄養価表
エネルギー(kcal) | 炭水化物(g) | ミネラル(g) | |
---|---|---|---|
上白糖 | 391 | 99.3 | 0 |
黒砂糖 | 352 | 90.3 | 3.6 |
本みりん | 241 | 43.2 | tr |
はちみつ | 329 | 81.9 | 0.1 |
メープルシロップ | 266 | 66.3 | 0.6 |
引用:日本食品成分表2020年版(八訂)
砂糖には依存性がある
砂糖は中毒性が高いです。1度摂取すると、すぐに食べたくなります。
甘いものが辞められない方は、砂糖の依存から抜け出せない状態に陥っている可能性があります。その場合は、砂糖依存を克服することが体重を減らすための大きな一歩になります。
お菓子を食べないことは当たり前ですが、食事を菓子パンで済ませる、甘い飲み物を飲むのが習慣化している方は注意が必要です。
摂取した実感が少なければ少ないほど、「間食しないよう頑張っているのに、食事量を抑えているのに痩せない」といった事態が発生します。目に見えない砂糖に意識を向けるところから始めましょう。
間食をやめるのが苦痛、もしくは反動で過食に走るという方は、食べ応えのある甘すぎないおやつを選ぶようにしましょう。
ダイエットに適した食品を選ぶようになる、好むようになることが痩せる習慣を身につけるための極意です。ナッツや果物など少量でお腹に溜まるものがおすすめです。
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筋トレをして痩せ体質を手に入れよう
筋力トレーニングは痩せやすい体作りに欠かせない運動です。筋肉量が増えると基礎代謝が上がるので、生きているだけで消費されるエネルギー量が増えます。
特に体の中で最も大きな筋肉である大腿四頭筋を鍛えることが基礎代謝アップへの近道です。筋トレメニューとしてはスクワットがおすすめです。
筋トレには基礎代謝を上げる以外にもメリットがあります。トレーニング中のエネルギー消費だけではなく、運動した後もエネルギー消費量が増加する現象です。
筋トレをすると筋肉量の増加により、日常生活での消費エネルギー量も増えますが、トレーニング後に有酸素運動をするとさらに高い効果得られると言われています。
EPOC(運動後余剰酸素消費量)の上昇と呼ばれるトレーニング後のエネルギー消費量増大は、運動の種類や強度、運動時間により持続時間の長さが異なります。
今までの研究で、10分程度の短時間から12時間程度の長時間まで持続する場合が観察されているので、筋トレ後に水分を摂ったらすぐに有酸素運動に入るというのが効率良くエネルギー消費量を増やす方法だと考えられます。
筋トレには美容効果もある
筋トレには美しさを磨く効果もあります。筋肉を鍛えると成長ホルモンが分泌されるためです。成長ホルモンは子どもの成長を促すことで知られていますが、大人でも分泌されており、若返りホルモンとも呼ばれています。
皮膚に対して、ターンオーバーの促進、ストレスや紫外線からの回復、細胞の活発化など多彩な機能を持ちます。運動で体の内側が鍛えられると、外側の美しさにも磨きがかかるので、運動を継続して若々しさを保ちたいものです。
まとめ
体重を減らすための5つの習慣をご紹介しました。
- サーカディアンリズムを整える
- 有酸素運動で脂肪燃焼
- 栄養不足に気をつけよう
- 上白糖の摂りすぎはNG
- 筋トレをして痩せ体質を手に入れよう
ダイエットは食事を減らして運動を増やすものだと思い込んでいた方に、生活習慣を見直すことの大切さが伝われば幸いです。
明日朝から早起きして朝散歩をし、朝食を食べ、不足しがちな栄養素を補い、砂糖を置き換え、筋トレをするのが理想ですが、初めから全てに取り組むことはおすすめしません。自分のライフスタイルに近いものから1つずつ取り組んでみてください。
習慣化のためにおすすめの方法は周囲への宣言です。「朝散歩を始めたんだ」と家族や同僚に話すだけで、ダイエットをしている自覚が強化され継続しやすくなります。SNSでの宣言やダイエット経過報告も効果的です。
ダイエットを成功に導くためには痩せる行動を習慣化することが重要です。続けることを目標にして頑張りましょう。停滞期に入ったら、またこの記事を読んでダイエットを成功させる考え方を思い出してください。
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参考:時間栄養学 時計遺伝子と食事のリズム
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著者:前村浩二|生体リズムの乱れを調整する3要素(光、食事、メラトニン)
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著者:青山晋也ら|体内時計を考慮した時間栄養学と時間運動学による健康づくり
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著者:榛葉繁紀|概日リズム異常と代謝性疾患
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著者:今西未来|細胞概日時計の人為的制御
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著者:砂原正和ら|先行した高強度運動が後行される運動で生じる代謝反応に及ぼす影響
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