大豆製品を食べて大豆イソフラボンを摂取!男女別の栄養効果や疾病予防に役立つメリットを解説!!

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大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは豆腐や豆乳に多く含まれる栄養素です。大豆を食べて得られる効果には、性別特有の悩み・病気の予防・改善があります。

今回はイソフラボンを始めとする栄養素が豊富な大豆についてご紹介します。この記事を読んで、栄養価が高い大豆や大豆製品を食べるきっかきにしてみてはいかがでしょうか。

執筆者:broccolin

資 格:管理栄養士|栄養教諭一種免許|食品衛生監視員|食品衛生管理者

大豆イソフラボンに期待できる効果(男女別)

大豆製品を摂取した際に私たちが得られる効果(女性必見)

大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た役割を果たすことが知られています。女性ホルモン様作用の恩恵を受けるのは女性だけではありません。男性にもイソフラボンは価値のある栄養素です。それでは、性別毎にイソフラボンを摂取するメリットをみてみましょう。

男性が期待できる効果

男性特有の悩みとして、加齢に伴い髪の毛が薄くなること、前立腺がんのリスクが高いことが挙げられます。習慣的にイソフラボンを食べる食習慣を身につけると、これらの不安を解消するのに役立ちます。

薄毛予防に役立つ

大豆イソフラボンは、男性の薄毛予防に役立ちます。台湾で行われた研究によると、日頃から大豆飲料を飲む習慣は、重度の男性型脱毛症(AGA)を抑制することが分かりました。

この研究では、週に3回以上豆乳などの大豆飲料を飲む男性はそうでない人と比べて、AGAの発症しやすさが低下すると示されています。エストロゲン作用や炎症作用を調節することで脱毛の仕組みを抑制していると考えられているそうです。

前立腺肥大・前立腺がんを予防する

日本で行われた研究によると、大豆イソフラボン摂取は限局性前立腺がんの危険を減らすことが分かっています。

今までの動物実験からイソフラボンは前立腺がんの予防に役立つことがわかっていましたが、ヒトでは、転移が見られない限局性前立腺がん予防に効果があると示されました。イソフラボンは男性ホルモンである血中テストステロン値を低下させ、代謝酵素を阻害するため前立腺がん予防に役立つと考えられています。

女性が期待できる効果

女性の体はエストロゲンプロゲステロンなどの女性ホルモンにコントロールされています。

大豆イソフラボンはエストロゲンに似た作用を持つので、女性ホルモンが関わる不調に効果があります。主な3つの効果をみてみましょう。

ホルモンバランスを整えて乳がんを予防する

日本人女性を対象に行われたコホート研究により、味噌汁およびイソフラボンの摂取頻度の多さは、乳がんリスクの低減と関連があることが分かっています。

味噌汁を1日に3杯以上飲む女性は、1日1杯以下しか飲まない女性と比べて乳がんリスクが約半分になることが示されました。

この研究では、日本人の食習慣も結果に影響していると考えられています。パンやバターを多用するのではなく、味噌汁や大豆製品と合うような食品を食べるため乳がんのリスクが下がったという考え方も可能です。大豆製品に合う食品とは、ご飯、漬物、野菜、魚などを指します。

骨粗鬆症を予防する

閉経を迎えた女性はエストロゲンの量が減少することで、体にさまざまな影響があります。その1つが骨粗鬆症の発症です。エストロゲンが急激に減ると、骨を作る作用より骨を分解する作用が相対的に高まります

これにより、骨密度が低下し、骨折のリスクが上がります。複数の研究を総合的に見るメタ解析によると、大豆イソフラボンの中期的な摂取(10週~12ヶ月)により、骨を分解する作用が抑えられることが分かりました。

日頃の食事に加えて補助的に大豆イソフラボンを摂取すると、骨粗鬆症予防に役立つ可能性があります。

更年期症状を緩和する

更年期と呼ばれる閉経前後の10年間は女性にとって、辛い思いをすることが多い期間です。更年期症状には、大きく分けて3種類あります。1つ目が血管の拡張と放熱に関する症状で、ほてり・のぼせ・ホットフラッシュ・発汗が挙げられます。

2つ目はその他の身体症状で、めまい・動悸・胸が締め付けられる感覚・頭痛・肩こり・腰や背中の痛み・関節痛・冷え・しびれ・易疲労感があります。3つ目の精神症状には、気分の落ち込み・意欲低下・イライラ・情緒不安定・不眠があります。

ブラジルで行われた研究によると、1日100 mgのイソフラボン摂取を4ヶ月継続することにより、ほてりなどの血管拡張と放熱に関する症状が緩和されることが分かりました。

期待できる効果(男女共通編)

イソフラボンがもたらす良い効果には、男女ともに嬉しいものも多いです。今回はそのうち心血管疾患の予防糖尿病の予防効果についてみていきます。

悪玉コレステロールを減らし心臓や血管の病気を防ぐ

心不全や脳卒中は日本人の死因で常に上位に挙がる病気です。これらが引き起こる原因の1つは、悪玉コレステロールの増加、動脈硬化です。

世界各地の研究で、イソフラボン摂取により、悪玉コレステロールが減少し、善玉コレステロールが維持あるいは増加したという結果が出ています。

大豆に代表される植物性タンパク質の摂取が増えると、動物性タンパク質に多い飽和脂肪酸とコレステロールの摂取量が減少するため、イソフラボンによる悪玉コレステロールの減少が起こるのではないかと考えられています。

2型糖尿病を予防する

中国人とシンガポール人を対象に行われた研究で、大豆を食べると糖尿病の発症リスクが低くなることが分かっています。ここで、注意すべきポイントは無糖の大豆を摂取することです。

飲みやすくするために加糖タイプの豆乳も販売されていますが、こちらを常飲すると糖尿病の発症リスクが増大するので、豆乳を買う際は調製豆乳ではなく無調整豆乳を選ぶようにしましょう。

この研究では、糖尿病予防だけでなく、血圧低下にも大豆摂取が役立つことが明らかにされています。

大豆製品を食べる目安

豆腐を食べる

大豆製品を食べると性別問わず、病気の予防や健康の維持に良い効果が得られることが分かりました。それでは、具体的にどれくらいの量を目安にどんな頻度で食べれば良いか考えてみましょう。

大豆に含まれる主な栄養素の量と機能

全粒乾燥黄大豆 / 100gあたりの含有量
エネルギー 372kcal タンパク質 33.8g
脂質 19.7g 炭水化物 29.5g
水溶性食物繊維 1.5g 不溶性食物繊維 16.4g
イソフラボン 140.4mg ビタミンE 2.3mg
ビタミンK 18μg ビタミンB1 0.71mg
ビタミンB2 0.26mg ビタミンB6 0.51mg
葉酸 260μg カルシウム 180mg

引用:日本食品成分表2020年版(八訂)

タンパク質

100gあたり33.8g含まれます。血中コレステロール低下作用、血圧上昇抑制、抗酸化作用、肥満防止作用があります。

脂質

100gあたり19.7g含まれます。善玉コレステロールの増加、脂質代謝の改善、記憶力・集中力の増加に効果があるといわれています。

炭水化物

100gあたり29.5g含まれ、そのうち17.9gが食物繊維です。不溶性食物繊維が特に多いので、ビフィズス菌増殖作用や胃粘膜保護作用、整腸作用、大腸ガンの抑制が期待できます。

イソフラボン

細胞のがん化・がん細胞の増殖を抑制し、骨粗鬆症や更年期障害を緩和する作用があるとされています。他にも「大豆イソフラボンで得られる効果とは?」で述べたようなメリットを私たちにもたらしてくれます。

ビタミン

ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、B2、B6、葉酸が豊富です。成長促進作用、抗酸化作用などを促します。

カルシウム

100gあたり180mg含まれています。乾燥大豆の含有量なので1回に食べる量を考慮すると、牛乳(コップ1杯200gで220mg)にはおよびませんが、カルシウムが豊富です。骨粗鬆症の緩和に効果があります。

その他の体に嬉しい作用

サポニンには抗酸化作用があり、がん細胞の増殖抑制に効果が期待できます。トリプシンインヒビターはタンパク質分解酵素であるトリプシンの働きを妨げる作用があります。その一方で、2型糖尿病の予防に効果があるともいわれています。

大豆だけでなく玄米にも含まれるフィチン酸には、がん抑制効果があるとされます。アントシアニンは言わずと知れた抗酸化物質です。体の酸化、すなわち老化を抑制してくれます。

大豆を食べる頻度と量はどれくらい?加工食品を上手に使って毎日食べよう

世界中の研究では、生活習慣病などの予防に必要なイソフラボン摂取量は1日100mg前後だと言われています。

一方、イタリアで行われた閉経後女性を対象とした研究によると、1日150mgのイソフラボンサプリメント摂取で子宮内膜症の発症リスクが上がったという報告もあります。

これを踏まえて、日本の食品安全委員会では目安量の上限を75mg、特定保健用食品による上乗せ摂取量の上限を30mgと定めています。

75mgのイソフラボンを摂取する目安としては、豆乳1杯と納豆1パックなど大豆製品2つの組み合わせが分かりやすいです。

1日に大豆を主原料とした食品を2つ食べると75mg前後のイソフラボンが摂取できます。加えて、1日30mgを上限としてイソフラボンサプリメントを摂ると、健康効果が期待できる摂取量に近づきます。

大豆は乾燥大豆や水煮だけでなく、豆腐、がんもどき、ゆば、納豆、きな粉、おから、煮豆、味噌、醤油などの加工食品として食べられています。

豆乳、フレーバーをつけた豆乳飲料、飲みやすいように加工された調製豆乳もよく見かけます。サプリメントも含むさまざまな食品を活用して大豆イソフラボンを摂るようにしましょう。

大豆イソフラボンを効果的に摂る方法

大豆製品を食事から取り入れる

大豆イソフラボンの効果を上げるには、エクオールの生成を促すこと、継続して大豆製品を食べること、効果が期待できる量を摂取することが必要です。

エクオールは腸内環境が重要

エクオールとは、大豆イソフラボンの成分が腸内細菌によって分解され、作られる物質です。エクオールの主な作用には女性ホルモンのエストロゲン作用や男性ホルモンの抗アンドロゲン作用、抗酸化作用があります。

エクオールは食品中には含まれずヒトの腸内で作られるので、同じ量の大豆を食べてもエクオールの生成量には個人差が生まれます。食物繊維を多く含む大豆、海藻を摂取して腸内環境を整えればエクオールを作る能力が高まると期待されています。

大豆製品を食べる習慣付けをしよう

大豆食品の代表例として、納豆、味噌、醤油などの大豆発酵食品や大豆の水煮、豆乳、豆腐、きな粉があげられます。スーパーに行くと、おからやおからパウダーも置いてあります。

大豆製品は手に入りやすい食品なので、毎日1杯は味噌汁を飲む、夏は冷奴、冬は湯豆腐をおかずの1品に組み込むなどのマイルールを決めると大豆を食べる習慣が身につきます。

筆者は朝食に、豆乳または牛乳にきな粉をたっぷり入れたものをフルーツグラノーラにかけて食べています。きな粉を入れると腹持ちと風味が良くなるので、美味しさの向上と間食の食べすぎ抑制に役立ちます。

食事中心にサプリも活用する

国民健康・栄養調査によると、大豆由来食品の1日の摂取量は平均59.2gでした。この摂取量から得られる大豆タンパク質は5g程度であり、イソフラボンは25mg程度しか摂れません。

1日50~110mgの大豆イソフラボン摂取が健康に効果があると示された研究もあるので、サプリメントで補うことも考えましょう。普段の食事に加えて、サプリメントや大豆タンパク質が強化された食品を食べると、生活習慣病の予防につながる可能性があります。

まとめ

大豆イソフラボン摂取により、薄毛・前立腺がん・乳がん・骨粗鬆症・心血管疾患・2型糖尿病の予防、更年期障害の緩和などの効果を得られることが分かっています。

毎日2つ大豆製品を食べると、イソフラボンが適量食べられます。さらに手軽にイソフラボンを摂りたい場合は食事に加えてサプリメントも利用すると良いでしょう。

大豆にはイソフラボン以外の栄養成分も豊富なので、普段から積極的に大豆を食べるのがおすすめです。

 
   
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