男性にもイソフラボンは必要◎薄毛予防以外にも嬉しい効果を合わせてご紹介!!

薄毛が気になる

「大豆イソフラボンって、女性だけに必要なのかな?」「男性がイソフラボンを摂るメリットって、どんなことがあるのかな?」
大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをすることで知られているため、特に更年期女性に関心の高い成分となっていますね。一方で、男性へのメリットにはどんなものがあるのかでしょうか?また、高齢男性が大豆製品を無理なく摂取するポイントについても、紹介していきます。

執筆者:石原 恵子

資 格:管理栄養士|食品衛生監視員|食品衛生管理者|フードコーディネーター


大豆イソフラボンで薄毛予防効果が期待できる?

男性の薄毛

大豆イソフラボンの美容効果と言えば、女性の「肌のハリ」や「髪のツヤ」を思いつく人が多いかと思います。しかし、大豆イソフラボンは、男性に悩みが多い「薄毛」の予防にも良いと言われています。ここでは、大豆イソフラボンと薄毛との関連について述べていきたいと思います。

薄毛になっていくプロセス

5αリダクターゼ」という酵素が活性化してしまうと、「ジヒドロテストステロン(DHT)」と呼ばれるホルモンが発生しやすくなります

これにより、髪のヘアサイクルに悪影響が起こり、毛の成長期が短くなります。この「ジヒドロテストステロン(DHT)」は、「悪玉男性ホルモン」または「薄毛ホルモン」等と呼ばれています。

大豆イソフラボンが抑制してくれる酵素の働き

大豆イソフラボンは酵素「5αリダクターゼ」の働きを抑制する作用があるため、男性型脱毛症(AGA)の薄毛を予防するとされています。

男性の場合は、「ジヒドロテストステロン(DHT)」が薄毛の原因ですが、女性の場合は女性ホルモンが減少することで薄毛が進んでいきます。

薄毛が気になり始めたら大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは薄毛予防に作用があるため、男性も女性も大豆製品を摂取すると良いでしょう。また、髪の毛はタンパク質からできているので、タンパク質をしっかり摂ることもポイントです。大豆製品を摂取するとタンパク質もしっかり摂れるので、一石二鳥ですね。

さらに、大豆製品に含まれるレシチンやサポニンの乳化作用や酸化防止作用により血液の流れが良くなり、栄養を毛根に運びやすくします。

男性の骨量維持に女性ホルモンが関連?

足の痛み

「女性ホルモン」「男性ホルモン」と聞くと、女性だけに分泌されるもの、男性だけに分泌されるものと感じる人も多いのではと思います。しかし、実は女性の体内にも男性の1割以下の量ですが、男性ホルモンは分泌されています。

そして逆に、男性の体内にも女性ホルモンは分泌されています。男性の骨量に、それぞれのホルモンはどんな影響を与えているのでしょうか。

男性も骨量が減っていく

65歳以上の女性の2人に1人は「骨粗しょう症」と言われており、骨粗しょう症は更年期を過ぎた女性が注意したほうがいいもの、というイメージがありますよね。実際、女性ホルモンの分泌量低下が主な原因となり骨量が急激に減っていくからです。女性の骨量は50歳前後から急低下します。

一方の男性は、女性のような急激な骨量低下は目立ちませんが、男性は70歳を過ぎると骨量が減少していきます。

男性の骨粗しょう症予防に大豆イソフラボンと運動

男性も骨密度の低下と血中エストロゲン(女性ホルモン)量に相関があることが示されています。

男性の体にも女性ホルモンが少しあります。女性ホルモンと似た構造を持っている男性ホルモンを変換して、体内で女性ホルモンを作っているのです。

高齢男性は男性ホルモンの分泌がゆるやかに減っていくので、体内の女性ホルモン量もそれに伴って減っていきます。その結果、骨が弱くなると考えられています。

男性を対象とした骨粗しょう症の研究を紹介

独立行政法人国立健康・栄養研究所の研究で、55歳から75の男性27名に協力してもらい、大豆イソフラボンと運動が男性の骨に及ぼす影響を調べられています。

結果、イソフラボンを摂取した群」と、「イソフラボン摂取+運動をした群」のどちらも、大腿骨近くの骨密度が増加したそうです。そして、運動も加えた群の方がさらに骨密度の数値が高かったそうです。

これらのことから、中高年男性においてイソフラボンを摂ることが骨密度をあげる可能性が明らかになりました。加えて、運動もすると尚良いですね。この研究では、週3回、毎回45分のウォーキング種目の運動をされています。運動の時間の目安とすると良いでしょう。

参考:独立行政法人 国立健康・栄養研究所|男性の骨粗鬆症・骨折の予防を目的とした運動と食品成分の併用効果に関する研究

男性も女性と同じく積極的に骨粗しょう症予防を

これらの結果から、女性だけではなく男性においても、生活習慣改善によって骨粗しょう症予防が期待できる可能性が示唆されました。

女性は20代30代でピークを迎えた女性ホルモンが40代後半からはジェットコースターのように急降下するので、骨粗しょう症になる人が閉経後に急激に増えていくのが目立ちます。

一方、男性はこのようなジェットコースターのような変化は起こらないのですが、男性も高齢になると骨折の増加がみられることから、高齢化社会においては男性の骨粗しょう症予防にも注目したいところです。

尚、男性は、男性ホルモン(テストステロン)がゆるやかに減っていきます。男性ホルモン(テストステロン)は筋肉や骨の質を高める役割もあるので、男性も女性ホルモンと男性ホルモンの減少の影響によって、少しずつ骨量の減少が見られます。

男性のイソフラボン過剰摂取による注意点とは?

大豆摂取量

大豆イソフラボンサプリメントの商品ホームページを見てみると、女性のモデルさんが悩んでいる様子や配合されている美容成分の説明が多く、「毎朝、鏡を見るのが楽しみになった」等の口コミが多く見られますね。

しかし、大豆イソフラボンサプリメントは女性専用のものではないので、男性も利用することができます。ただ、男性がイソフラボンサプリメントを利用するときの注意点としてはどのようなことがあるのでしょうか。年齢と、大量摂取による報告について解説していきます。

男性もイソフラボンサプリメントを飲んでもいいですか?

内閣府食品安全委員会では、特定保健用食品として日常の食生活に上乗せして大豆イソフラボンを摂取することは推奨しない対象者は乳幼児及び小児(15歳未満)としています

つまり、性別によってサプリメント摂取に関する年齢が異なるわけではなく、男性も女性も15歳以上ならば飲んでも良いということになります。

女性に関しては、妊娠中(妊娠の可能性のある方を含む)・授乳中も推奨しないとされていますが、男性はこの点は気にしなくていいので、年齢のことだけを覚えておくと良いでしょう。

出典:内閣府 食品安全委員会|大豆イソフラボンにおけるQ&A」

1日数百mgのイソフラボン大量摂取で女性化乳房の報告

男性について検討した報告の中に、大豆イソフラボンを1日当たり数百mg摂取した男性の女性化乳房の発現などが報告されています。

大豆イソフラボンの上限摂取目安量は1日70~75mgであることから、通常では考えられないぐらいの過剰摂取をした場合は胸が大きくなる可能性が考えられるということですね。

出典:厚生労働省|その他のヒト試験

大豆と前立腺がんに関する調査

前立腺があるのは男性だけで、膀胱の下にある臓器です。大豆イソフラボンとがんの関連では、乳がんや前立腺がんについての報告が多くあります。男性だけが持つ前立腺については、大豆イソフラボンについてどのような研究があるのでしょうか。

日本の伝統食とがん予防の研究 ~CARDIAC研究~

国際健康開発研究所所長である家森幸男先生が関わってこられた「WHO-CARDIAC研究」。1985年から世界的調査を行い、世界の食事と疾患などの関係を研究されてきました。結果、尿中のイソフラボンを測ると、尿中イソフラボン量が多い国ほど前立腺がんの年間調整死亡率が低いことがわかりました。

特に日本の沖縄県の人々は豆腐をたくさん食べる食事をしており、世界的にも前立腺がん死亡率が低かったそうです。逆に、大豆を食べていない国でありスコットランドやアイルランドは前立腺がんが多いことが明らかになりました。

参考:家森幸男 大豆の栄養と機能性 第1章 大豆栄養の健康長寿への貢献

大豆食品摂取の増加と前立腺がんリスクの低下

大豆食品摂取と前立腺がんについての研究報告は頻繁には出ていませんが、新たな研究も進んでおり、いくつかの状況調査や症例対照研究があります。大豆食品を摂取すると前立腺がんリスクとの間に相関しているかについては、相関性があったとする研究結果と相関性がなかったとする研究結果の両方があります。

複数の調査や研究を分析した結果では、大豆食品摂取増加が前立腺がんリスク(特に限局性前立腺がんリスク)の低下に関係していること、アジアの男性の方が欧米の男性よりも相関の優位性が一層高いことが示唆されています。

参考:Jin-Rong Zhou,天海智博|大豆の栄養と機能性 第5章 大豆のライフサイエンスと評価 3.大豆の摂取と乳がん・前立腺がんの予防効果と評価

1人暮らしの男性におすすめの大豆製品の摂り方

1人暮らしの男

高齢男性の1人暮らしで特に悩むのが、毎日の食事。自分でレシピを知っているものを作ったり、宅配のお弁当を利用される方もおられると思います。そして、長い人生を歩むと、生活習慣や料理への好みはなかなか変えられないものですよね。

無理なく大豆製品を摂取するには、どのような方法があるのでしょうか。大豆イソフラボンを多く含む食品と、1人暮らしの高齢男性におすすめの食べ方3つを紹介していきます。

大豆イソフラボンを多く含む食品

厚生科学研究(生活安全総合研究事業)食品中の植物エストロゲンに関する調査研究(1998)の評価書には、食品100g中の大豆イソフラボン(アグリコンとして)の量が示されています。

食品名(検体数) 含有量(mg/100g) 平均含有量(mg/100g)
大豆(11検体) 88.3~207.7 140.4
煮大豆(3検体) 69.0~74.7 72.1
揚げ大豆(1検体) 200.7 200.7
黄粉(2検体) 211.1~321.4 266.2
豆腐(4検体) 17.1~24.3 20.3
凍り豆腐(1検体) 88.5 88.5
おから(1検体) 10.5 10.5
金山寺みそ(1検体) 12.8 12.8
油揚げ類(3検体) 28.8~53.4 39.2
納豆(2検体) 65.6~81.3 73.5
味噌(8検体) 12.8~81.4 49.5
醤油(8検体) 1.0~1.7 0.9
豆乳(3検体) 7.6~59.4 24.8

大豆イソフラボンの安全な1日摂取目安量の上限を70~75mgと食品安全委員会では設定しています。

では大豆イソフラボンのおすすめの摂り方を3つご紹介します。

加熱のいらない食べ方が簡単!

豆腐100gで20mgのイソフラボンを摂ることができます。暑くなっていく季節なら冷ややっこで食べると良いでしょう。

加熱がいらないものとして常備しておくと便利な食材はきなこ(黄粉)です。ヨーグルトに黒蜜ときなこをトッピングして食べるなど、間食として簡単に摂り入れることも可能です。

豆乳を冷蔵庫に常備

1番手軽な食材は、豆乳です。現在は多種類の豆乳飲料が販売されていますから、気に入ったものを冷蔵庫に入れておくといつでも飲むことができます。

豆乳をコップで200g飲むと、約50mgの大豆イソフラボンが摂取できることになります。

食品安全委員会では大豆イソフラボンの安全な1日摂取目安量の上限を70~75mgと設定していますので、豆乳は1日にコップ1杯(200g)までにすると良いでしょう。

おでんの作り置き

寒い冬の定番料理、おでん。厚揚げ、がんもどきや餅巾着など大豆製品をたくさん入れることができるメニューです。

そして、暑くなってきたら 「冷やしおでんがおすすめです。トマトやズッキーニなどの夏野菜も加えると、夏おでんらしくなります。煮込んだあと、粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やして食べてくださいね。

大豆製品を摂る効果は薄毛予防だけじゃない

大豆に含まれるイソフラボンには女性ホルモンと似た作用があるので、骨粗しょう症予防や女性更年期の悩み、男性の薄毛予防にも働きます。さらに、大豆は植物性食品であり、様々な栄養素や成分を含むので、生活習慣病予防効果も期待されています。ここでは、私たちの体の中で大活躍する大豆製品の働きを見ていきたいと思います。

コレステロール値を下げる

大豆に含まれる脂質に、「リノール酸」と「レシチン」があります。リノール酸はコレステロール値を下げる効果があり、レシチンはコレステロールを洗い流して動脈硬化予防が期待されています。

また、大豆にはコレステロールが含まれていないのです。コレステロールは細胞膜を作ったり、ホルモンを合成するなど人には不可欠な物質である一方、動脈硬化の原因になる面もあります。また、食事からの摂取よりも体内で合成される量の方が多いです。

ですので、食事からのコレステロールにあまり神経質にならなくても良いですが、コレステロール値の高い人で洋食・肉・卵が大好きな人は、コレステロールの高い食品を控えめにし、大豆製品を多めに摂るようにすると良いでしょう。

参考:新食品成分表FOOD 2021

血圧を下げるはたらき

高血圧の原因には、食塩の過剰摂取や肥満、飲酒、運動不足などがあります。20歳以上の2人に1人は高血圧と言われています。

大豆を食べていないブラジルでイソフラボンを毎日45mg摂取する試験が行われた結果、3~10週間で血圧が下がりました。血管で出来る一酸化窒素(NO)は血管を拡げてくれるのですが、この一酸化窒素(NO)を作る酵素を作るチカラを高めてくれるのが女性ホルモンなのです。

なので、女性ホルモンがもともと少ない男性や更年期女性は、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを摂ると血圧にも有効に働くと考えられています。

また、食事の面で考えてみると、塩分をたくさんとる料理の1つが汁物。ラーメンの汁を半分残すだけでも減塩ができます。味噌汁の味噌にも塩分が含まれていますが、野菜やイモ類をたくさん入れた具沢山味噌汁がオススメです!カリウムをたくさん摂取できるので、塩分を体内から排泄を促進する働きが上がります。

参考:家森幸男|大豆の栄養と機能性 第1章 大豆栄養の健康長寿への貢献

老化予防や肥満予防

大豆には「サポニン」という成分があります。サポニンに老化の原因となる過酸化脂質を排除してくれる働きがあります。過酸化脂質というのは、体内で脂質が活性酸素によって酸化された状態。例えば、家にあるサラダ油を何回も使ってドロドロになったような状態をイメージしてもらうと良いでしょう。
また、サポニンには、脂質の代謝を促進して肥満を予防する効果もあります。

参考:新食品成分表FOOD 2021

まとめ

大豆イソフラボンの情報を、男性に特化してまとめてみました。
大豆は昔から日本で食べられていて、脳卒中や骨粗しょう症を防ぎ、そこからつながる「寝たきり」を予防することが期待されている食材です。

女性は一生の中で女性ホルモン分泌が急激に低下することから、更年期に身体面・美容面・心理面で多くの悩みが顕著に現れます。一方、男性はホルモン分泌が減ってはいくものの女性のように急降下はしないので、急にびっくりするような変化は起こりにくいです。

しかし、男性に悩みが多い薄毛、男性にしかない前立腺や骨粗しょう症について、大豆イソフラボンが予防をサポートすることがわかってきました。

高齢化に伴い独り暮らしの高齢者も多いことから、無理なく大豆食品を摂り入れる工夫も書いてみました。離れた場所で暮らすおじいさま、お父様などへの参考になれば嬉しく思います。

 
   
この記事をシェア