味噌汁が体に良いって本当?詳しい理由やおすすめの材料・インスタントをご紹介◎

具沢山の豚汁

味噌は日本の伝統的な発酵調味料です。美味しさと保存性に優れた調味料ですが、それだけにとどまらず多様な健康効果を持つことが特徴です。味噌に詰め込まれた栄養素が体を健康にしてくれます。

本記事では、味噌に含まれる栄養素とその効果、栄養学的に理に適った味噌汁や手軽に食べられるインスタント味噌汁の是非についてご紹介します。本記事の内容を参考に味噌汁を飲んでみてください。

執筆者:broccolin

資 格:管理栄養士|栄養教諭一種免許|食品衛生監視員|食品衛生管理者

スープ食のいいとこどり、「レンジでチンするだけの簡単料理」「1食で1日に必要な野菜の半分を摂る」「1食で15種類以上の野菜を摂る」「管理栄養士監修で気になる塩分も2g以下」、気分や好みに合わせて選べて嬉しいサービス!!

味噌汁はなぜ体に良い?

味噌汁を作る女性

ビタミンには水に溶ける水溶性ビタミンと油脂に溶ける脂溶性ビタミンがあります。蒸す、ゆでる調理法の場合には水溶性ビタミンが水に溶け出すため、栄養価が損なわれてしまいます。しかし、味噌汁の場合は水溶性ビタミンが水に流れても、汁を丸ごと飲むので栄養素を逃さず摂取できます。

味噌汁には野菜や卵、肉、魚などの具材を入れて美味しくいただきます。具材を変えれば毎日飲んでも飽きずに栄養素を摂ることができます。

野菜は1日両手いっぱいの量(350g)を取りましょうと厚生労働省がおこなっている「健康日本21」で推奨されています。

味噌汁を具沢山にすると軽く片手1杯分は野菜を取り入れられるのではないでしょうか。味噌汁が素晴らしいのは、どんな野菜も味噌の味と調和する点です。栄養価が高い旬の野菜や年中手に入るお手頃価格の野菜、きのこや海藻までなんでも合います。

味噌とさまざまな食材は味の相性が良いので、日常的に飲みやすいです。飽きずに飲み続けることができ、旬の食材を使える味噌汁は毎日の食卓に欠かせないメリットだらけの1品です。

味噌に含まれる魅力的な栄養素

味噌は体に良いと言われますが、具体的にどの成分が体へメリットをもたらしてくれるのでしょうか。イソフラボンなどの有名どころだけでなく、あまり聞き慣れない栄養素についても特徴を解説します。

イソフラボン

イソフラボンはダイゼインやゲニステインなどの化合物の総称です。イソフラボン単体の味は美味しくないですが、抗酸化作用を持つため積極的に食べたい栄養素です。

味噌にはイソフラボンが豊富に含まれますが、特に大豆を原料とした豆味噌のイソフラボン含有量がずば抜けて多いです。

ポリアミン

ポリアミンは私たちの体内にも存在する低分子の化合物です。味噌作りに欠かせない麹菌が育つ際にポリアミンが生成されます。

加齢に伴う遺伝子の変化を抑制する作用や動脈硬化を防ぐ作用があるという報告もあります。老化に伴い体の細胞内ポリアミンが減少することがわかっているので、味噌を食べてポリアミン量を維持すると健康保持に役立つ可能性があります。

ペプチド

アミノ酸が複数連なったものをペプチドと呼びます。味噌に含まれるペプチドには抗酸化作用と血圧上昇の抑制作用があります。

味噌のペプチドは種類とその作用の多様性が特徴なので、先に述べた2点以外にも体に良い効果があると考えられています。

メラノイジン

メラノイジンについて簡単に説明します。アミノ酸と糖が加熱され化学反応が起きると褐色のメラノイジンができます。味噌の茶色はメラノイジンの色です。

このメラノイジンは大きな化合物なので、食物繊維の様な作用を持っています。他にも、血糖値の上昇を緩やかにする作用や抗酸化作用があることがわかっています。

リノール酸

大豆にはリノール酸という不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。大豆を原料とした味噌にもリノール酸が多いので、味噌汁を飲むとリノール酸も摂取することができます。

リノール酸は、食べ物から体内へ取り入れることが必要な必須脂肪酸の1つです。生理作用としては、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らして動脈硬化を防ぐ働きがあります。

味噌汁を飲むメリット

味噌自体には含まれていませんが、味噌汁を飲むともれなく摂取できる栄養素を紹介します。
味噌の摂取量が多い人は野菜や魚の摂取量が多いという研究もあるので、味噌汁を飲んで理想的なバランスの食生活に近づけましょう。

S-エクオール

大豆を原料としている味噌の場合、大豆イソフラボンの1種ダイゼインが体内で分解されてできるS-エクオールも摂取できます。エクオールの主な作用には女性ホルモン様作用や抗酸化作用があります。

エクオールの生成量は腸内細菌叢の能力が影響するので、個人差があります。エクオールを作る能力を高めるためには根菜や海藻などの食物繊維が豊富な食品を食べるのがおすすめです。

水溶性ビタミンを逃さず摂取できる

味噌に含まれるビタミンには水に溶けやすい性質を持つビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸などがあります。味噌汁は煮汁を丸ごと飲むので、溶け出した水溶性ビタミンを逃さず取り入れられます。

かさが減るので野菜をたっぷり食べられる(食物繊維、ビタミン、ミネラル)

加熱することで、野菜の体積が小さくなります。野菜をたっぷり入れても無理なく食べられるので、食物繊維やビタミン、ミネラルといった不足しがちな栄養素を味噌汁で補うことができます。あまりがちな野菜を味噌汁に入れてしまえば、食材を無駄にせず、さらに栄養価を高められて一石二鳥です。

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味噌汁に期待できる健康効果

味噌汁を手に持つ

味噌汁には多様な健康効果があります。本項では生活習慣病の予防に役立つ情報を紹介します。

がん予防

味噌汁を飲むと、ニトロソアミンという胃がんの原因物質の生成を抑えることができます。また、DNA障害を抑制することにより、その他のがんへの予防作用も期待されています。

心臓や脳血管疾患の予防

味噌に含まれるペプチドは血圧を上げるために働く酵素を阻害する作用があります。食塩による血圧上昇の影響よりもペプチドや野菜に含まれるカリウムによる降圧作用が大きければ血圧を下げられます。

血圧が下がれば、脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患を予防できるので、味噌汁以外の食品から食塩を取りすぎないようにし、野菜たっぷりの味噌汁を食べるのがおすすめです。

腸内細菌改善作用

メラノイジンの食物繊維様作用で善玉の腸内細菌を増やせ、悪玉菌の増殖を抑制する作用があります。味噌汁を食べると海藻や野菜も食べることになるので、腸内細菌の改善に相乗効果があります。味噌汁以外の発酵食品である漬物やヨーグルトも併せて食べると善玉菌が増えやすくなります。

女性特有の症状や疾患を予防

国立がん研究センターが行った多目的コホート研究によると、味噌汁の摂取量が多いと乳がんになりにくいことがわかりました。また、エストロゲン様作用を持つ大豆イソフラボンにより、更年期症状が和らぐという報告もあります。

代謝

味噌には代謝に関わる栄養素が含まれています。その中でも、生活習慣病に直結する糖代謝と脂質代謝に着目しました。

  • 血糖値の著しい上昇を抑える

    味噌を摂取すると、メラノイジンの働きにより糖が消化される速度が遅くなります。その結果、血糖値も緩やかな上昇にとどまります。また、トリプシンを阻害してインスリンの分泌を促す作用も持ちます。この2つが糖代謝に良い効果です。

  • 悪玉コレステロール低下

    リノール酸の作用として、悪玉コレステロール値を下げることが知られています。その他にもメラノイジンがコレステロールを下げる働きを持つことも女子栄養大の研究により明らかになっています。

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味噌汁のデメリットは塩分のせい?

スプーンにすくった塩

味噌汁に対する最大のデメリットは塩分が多いということです。

1日の食塩摂取量の目標値は日本人の食事摂取基準(2020年版)では、18歳以上女性で1日6.5g、男性で7.5gという目標量が定められています。しかし、現在の日本人の食塩平均摂取量は9.7gと多い状態です。

ここで世界に目を向けてみると、WHOでは5gの食塩摂取量が目標とされています。日本は減塩を推し進めた結果少しずつ減少傾向にあるので、さらに減塩を心がけていきたいものです。

塩分が多いと病気のリスクが上がる

なぜ減塩を行う必要があるのでしょうか。それは私たちの体の仕組みと現在の食環境が合っていないからです。食塩は体を正常に機能させるために貴重な栄養素ですが、大昔は摂取することが困難でした。そこで私たちの体は食塩を無駄なく使えるようになりました。

現在は食塩を摂ることが簡単になったので、食塩を必死に取り込み無駄なく使わなくても困りません。環境が変わっても私たちの体の仕組みはすぐには変わらないので歪みが生まれます。食塩の摂りすぎによる歪みとは、高血圧やそれに伴う循環器疾患です。

食塩摂取が過剰だと脳卒中、心筋梗塞、胃がんのリスクになることが知られています。脳卒中や心筋梗塞、がんは日本人の死因で上位を占める病気です。これらを予防して健康で長生きするために減塩を心がけましょう。

味噌を食べると血圧が下がるという報告もある

味噌汁を飲むと食塩の摂取量は高くなります。しかし、味噌には食塩だけでなく、先に述べた体に良いペプチドなども含まれています。

ペプチドの作用により血圧が下がるという報告もあるので、減塩味噌を使う、1日1杯にする、他の料理の食塩を控えめにするなどを心がけると食塩を取りすぎず味噌汁の恩恵を受けることができます。

おすすめの具材ベスト3

食卓に味噌汁を定番にする

味噌汁は飽きの来ない料理ですが、日々の体調に合わせて具材を変えると味噌汁の健康効果の恩恵を多く受けられるようになります。以下に紹介する以外にも健康に役立つ具材はたくさんあるので、体の声を聞きながらさまざまな食材を試してみてください。

タマネギ×味噌で疲労や倦怠感を解消

味噌に含まれるビタミンB1は糖質の代謝を助ける栄養素です。エネルギーが不足すると疲労を感じやすくなるので、糖質からエネルギーを効率良く取り出す必要があります。

ビタミンB1を摂取するだけでも効果はありますが、相乗効果を生むためにタマネギを使いましょう。タマネギには香り成分のアリシンが含まれています。アリシンとビタミンB1を一緒に食べるとエネルギー代謝を助ける作用が高まります。

ジャガイモ×味噌でイライラを解消

ジャガイモの味噌汁はホクホクして美味しいですが、ただ美味しいだけでなく栄養バランスも良い料理です。

味噌には水溶性ビタミンであるビタミンB群が豊富ですが、ビタミンCは含まれていません。よって、ビタミンCが豊富なジャガイモが味噌の栄養価を補うのにぴったりです。

ストレスを感じた際にストレスホルモンが分泌されます。同時にビタミンCが消費されるので、ストレスが多いとビタミンC不足に陥っていると考えられます。

ビタミンCは水溶性ビタミンです。加熱で壊れないという特徴も持っているので、イライラする日はジャガイモ味噌汁を飲んでみましょう。

ビタミンCはコラーゲンを作るのにも必要なので、抗酸化作用も相まって肌荒れの改善も期待できます。

生姜×味噌で体の冷えを取り除く

加熱した生姜は体を温める作用があります。生姜を効かせた豚汁も味噌を溶いて味付けをするので味噌汁の1種と考えても良いでしょう。

10分ほど生姜を加熱するとショウガオールという成分ができます。ショウガオールは、血流を促進して体を芯から温める作用を持つので、味噌汁の温かさとショウガオールの効果で体の冷えを取り除くことができます。

インスタント味噌汁の活用で毎日続ける

インスタント味噌汁を作る

最近ではインスタントの味噌汁も手軽に飲めるものとしてスーパーはもちろん、コンビニなどにも売っています。

インスタント食品のイメージとしては簡単という利点の一方、添加物や栄養不足の心配が懸念されます。インスタントの味噌汁には大きく分けて、粉末やフリーズドライタイプ、生味噌タイプに分かれます。

味噌の種類:粉末、フリーズドライ、生味噌タイプ

インスタント味噌汁の具材はフリーズドライがほとんどですが、味噌は主に3種類があります。

粉末味噌、フリーズドライ味噌、生味噌です。生味噌タイプのものは、実際は生味噌ではなく加熱殺菌などの加工が行われています。加熱による栄養価の損失は目立つものではなかったので、どの味噌タイプを選ぶかはお好みで決めると良いです。

良い点は手軽に飲める

最大のメリットは調理の簡単さです。具材を切って煮込む手間が省けるので、お湯とカップさえあればすぐに作って飲むことができます。

悪い点は塩分量を調節できない

1人分の量が固定されるので、味噌の量を減らすことが難しくなります。血圧が高い人やむくみが気になる人は、1回分を2回に分けて飲むのもおすすめです。

ここで注意したいのは、味噌の量を変えなければいくら薄めても塩分摂取量は減らないという点です。味噌から摂取する塩分量を減らすために味噌の量と併せてお湯の量も減らす、味噌を減らして具材を足すといった方法がおすすめです。

栄養素を補う食べ合わせ

魅力的な栄養素を含む味噌ですが、インスタントだと手作りの味噌汁のような栄養価の高さは実現しにくいです。

野菜や豆腐、わかめなどの具材を追加するとインスタント味噌汁でも手作り味噌汁並みの栄養素を摂取できます。家で飲むときは作る、外で食べるときはインスタントといった使い分けをすると便利です。

まとめ

味噌汁を飲むと健康に良いことだらけだということがわかりました。食塩の摂りすぎが気になる人は、味噌汁の量を少なくする、減塩味噌を使う、他の料理を食塩控えめにするのがおすすめです。

味噌の中には、多様な生理作用がある栄養素が凝縮されているので、1日1杯の味噌汁を飲んで健康の保持増進に活かしましょう。

  • 参考:日本人の食事摂取基準(2020年版)

  • 参考:日本食品成分表2020年版(八訂)

  • 参考:食べ物と健康 食品の科学

  • 参考:日本食品成分表2020年版(八訂

  • 著者:酒井徹|味噌・大豆製品摂取量と食生活習慣および生活習慣病との関連を探る臨床疫学研究

  • 著者:小林和也・渡辺聡|味噌用麹製造時におけるポリアミンの変化について

  • 著者:酒井徹|生活の科学

  • 著者:三浦理代|メラノイジンの生理機能

 
   
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