更年期の悩みは女性ホルモンが原因!!大豆イソフラボンで内側からサポートすることで解決?

大豆イソフラボン

女性は、幼年期・思春期・成熟期・更年期・老年期といったライフステージを過ごします。女性ホルモンの量は、更年期に急激に減少します。これまで女性ホルモンによって守られていた健康面・美容面・心の面において、不調を感じることが多いものです。そんな女性の悩みをサポートしてくれるのが大豆に含まれる「大豆イソフラボン」。この記事では、「大豆イソフラボンとは?」「女性ホルモンとは?」について、管理栄養士が解説していきます。

執筆者:石原 恵子

資 格:管理栄養士|食品衛生監視員|食品衛生管理者|フードコーディネーター

大豆イソフラボンって何?

今では「大豆イソフラボン」という言葉も有名になってきました。大豆は昔から日本で食べられていましたし、「畑の肉」と呼ばれタンパク質が豊富な食品として知られています。

しかし、大豆イソフラボンについての研究が急速に進んだのは、ここ30年ほどのことなのです。ここでは、大豆が着目されるようになった背景や、大豆イソフラボンに期待できる効果などを紹介していきます。

大豆イソフラボンが着目された背景

今では「大豆イソフラボン」という言葉を聞いたことがある人が多いと思いますが、大豆に着目されるようになったのは1985年から開始された世界調査がきっかけでした。

WHO(世界保健機関―CARDIAC研究における様々な国の調査で、心筋梗塞の死亡率の性差が調べられました。結果、心筋梗塞は男性に多く、女性は男性の3~4割であることがわかりました。

しかし、女性も更年期を迎えるとコレステロール値や血圧があがり、心筋梗塞が増えてきます。そこで、大豆を食べていない欧米と大豆を食べている中国や日本について分析がされました。すると、大豆を食べている国は血圧の上がり方に統計的に有意差がなかったことから、「大豆の中の成分」が注目されることになりました。

出典:Y.Yamori, Soy in Health and Disease Prevention,107-121,Taylor&Francis(2006)

そして、その他の様々な調査や臨床試験の結果から、女性ホルモンの減少を補う働きをしてくれているのが「大豆イソフラボン」という成分であることが分かってきたのです。

全部で12種類ある大豆イソフラボン

大豆はタンパク質やレシチン、ビタミンK,ビタミンEなど様々な栄養素や機能性成分を含むことで知られていますが、特に「イソフラボン」は他の食材にはほとんど含有されていない貴重な食品成分です。

イソフラボンは大豆種子中に約0.1~0.3%含有しています。中でも、大豆の胚軸と呼ばれる部分に約2%含まれています。「大豆イソフラボン」はダイズイン、ゲニスチン、グリスチンなどの12種類が知られており、その総称です。
「イソフラボンに味はあるの?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、イソフラボンはサポニンと同様に、「えぐみ」を感じる成分です。

ポリフェノール」の1種でもある大豆イソフラボンの健康効果や構造などは、1990年代から急速に研究が行われ続けています。そして、近年は植物成分に注目が集まっており「フィトケミカル」と呼ばれていますが、大豆イソフラボンも「フィトケミカル」の1つです。

期待できる健康効果は?大豆イソフラボンの働き

大豆イソフラボンは様々な疾病の予防に効果があることがわかってきました。高脂血症、高血圧、動脈硬化を抑制すること、そして脳卒中や心筋梗塞や癌の予防に役立つことが明らかになってきました。

また、高齢化社会となり、寝たきり予防や骨の健康にも注目が集まっていますが、骨がスカスカになる骨粗しょう症(こつそしょうしょう)の予防にも効果があることがわかってきました。元気な老後を過ごすためにも、大豆イソフラボンは老後をサポートしてくれる成分なのです。

女性の一生と女性ホルモン

女性ホルモンは人生において一定量ではなく、女性のライフステージと共に分泌される量が変化していきます。閉経後の女性ホルモンの分泌量はゼロになるわけではありませんが、とても少なくなります。ここでは、女性のライフステージや女性ホルモン(特にエストロゲン)がもたらす恵みについて解説していきます。

エストロゲン分泌量変化と年齢の目安

エストロゲンは10代前半の初潮の前後から急上昇し、20代30代が最も分泌量が多いです。その後は少しずつ減少していき、45歳を過ぎると急減します。そして、閉経を迎えます。

現代の日本女性の平均閉経は50.5歳と言われています。そして、日本産科婦人科学会の定義によると「閉経前後5年が更年期」とされています。

女性のライフステージの特徴

女性の思春期・成熟期・更年期の特徴を紹介していきます。

  • 思春期

    女性らしい体つきになり、初潮が始まります。思春期は女性ホルモンが急増する影響で、心身に大きな変化が起こります。約8歳から17、18歳ぐらいまでの期間です。子どもを産める体を準備する期間です。

  • 成熟期

    生理サイクルが安定してきて、妊娠・出産がしやすい時期になります。女性ホルモンのおかげで、髪や肌はうるおっていますし、骨も血管も健康です。

  • 更年期

    女性ホルモンの分泌が減っていき、閉経を迎えます。成熟期には女性ホルモンがたくさん分泌されていたおかげで美容面も健康面も整っていましたが、更年期には残念ながらそれらが崩れていきます。

女性ホルモンは2種類 主役は「エストロゲン」

「ところで、‘ホルモン’って何?焼肉屋さんでよく聞く言葉だよね?」と思われた方もおられるかもしれませんね。食べる‘ホルモン’は、内臓のことです。牛、豚や鶏などの食用にする動物の内臓のことです。語源由来辞典を調べてみると、関西弁で「捨てる物」を意味する「ほおるもん((放る物)」に由来する説があるそうです。

一方、この女性ホルモンという言葉で使われる‘ホルモン’は、体の機能を調節し健康を保ってくれる物質のことを意味します。体内で作られ、100種類以上のホルモンが発見されています。

女性ホルモンは「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があります。

主役は「エストロゲン」の方で、女性ホルモンと言えばこれを指すことが多いぐらいです。一方の「プロゲステロン」は黄体ホルモンと呼ばれ、妊娠をサポートする役目があります。

若い頃に受けていた女性ホルモン(エストロゲン)の恵み

女性ホルモン「エストロゲン」は、女性の一生のライフサイクルを通じて、大きな影響を与えます。女性ホルモンと聞くと「性ホルモン」をイメージすると思います。もちろん、妊娠・出産に大きな役割を持つホルモンであります。しかし、それだけではなく、全身の健康と美容に様々な働きをしているのです。

  • 美容面

    • 髪の毛をツヤツヤにする
    • 肌にハリを与える
    • メリハリのあるボディラインを作る
  • 健康面

    • 骨や血管を丈夫にする
    • 悪玉コレステロールを減らす
    • 動脈硬化を予防する
    • 自律神経を正常に働かせる

女性ホルモン低下による心身の不調

更年期の様々な症状は100種類にも及ぶと言われています。例えば、やる気が出ないといった症状に周囲も本人も更年期であることに気づかず、「怠けている」と勘違いされた経験を持つ人も少なくありません。女性ホルモンの低下によって、どのような症状や変化が出るのでしょうか?また、更年期の症状に個人差があるのはなぜでしょうか?

個人差がある更年期症状

更年期には心身につらい不調が起きる事があります。一般的に、その要因は3つ考えられています。

  • 女性ホルモンの分泌量が急減すること
  • 気質や体質に関係することで、性格やストレス耐性やホルモンへの感受性など
  • 環境要因で、介護や家族や職場での人間関係からの影響が関係

直接的な要因は女性ホルモンの急減であり、そこに個人の持つ気質や環境からのストレスが絡んでくるので、更年期症状の強さやつらさには個人差が見受けられます。

なんだかイライラするんだけど…気分が不安定に

更年期には健康面や美容面での変化の他に、心の不調も現れてきます。よく「子どもの反抗期VS母の更年期」と言われるのは、子どもと母親のホルモン分泌が変化する時期が重なり、お互いにぶつかることが増えるからなのですよね。

更年期に心身の不調を感じる原因は、「若いころのように、脳からの指令に応答できなくなったから」です。若いころは脳が「エストロゲンを分泌して」と指令を出しても、卵巣が元気なのでそれに応えることができます。

ところが、更年期を迎えて卵巣が応答できづらくなっているのに、脳は相変わらず同じ指令を出してきます。これまでのように卵巣が指令に従ってくれないので、その状態に対して脳がパニックを起こして脳の役割を果たせなくなるので、全身の機能に様々な不調があらわれてくるのです。

汗ダラダラ、肩コリコリ、体がダルイ…表れる様々な不調

健康診断の項目では説明できない不調に悩む人が多いことも更年期の特徴です。
例えば、「ホットフラッシュ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?多岐にわたる更年期症状の中でもホットフラッシュに悩む人は多く、急に体が熱くなったり、汗が止まらなくなる症状です。

これは更年期に女性ホルモンの分泌が低下し、自律神経が乱れることにより起こるものです。自律神経は体温を調節していますが、自律神経の乱れによって、暑くもないのに体温を下げる指令を出すことがあります。

すると、急に体が熱くなったり汗が大量に出るわけです。このような、これまで生きてきた中で経験したことのない症状が表れ、外出や人に会うことを心配する人もいます。そのほか、女性ホルモンの分泌が低下したことで、全身の機能が落ち、疲れやすさやだるさを感じることもあります。

また、体の代謝と血流が悪くなるので、首や肩や背中にコリを感じることがあります。これも、女性ホルモンの分泌が低下したことで起こります。

鏡を見ると気になる…美容の変化

もうひとつ、健康診断の項目では説明できない悩みとして「美容」があります。「若いころは、もっと肌がピチピチしていたのに…」「しわが深くなったなぁ…」と、鏡を見て感じる日もあるかもしれません。

これは、若いころは女性ホルモンであるエストロゲンが肌の水分を保ち、肌の弾力に関与するコラーゲンの生成を促進してくれていたからなのです。更年期にはコラーゲンの生合成がすすまなくなるので、肌のたるみやしわ、しみができてしまうのですね。

ところが、美容食品でコラーゲンを摂取しても体内で分解されてしまうので、体内でのコラーゲン合成に役立つ食材を補給することが大切になります。タンパク質やビタミンC、鉄などの栄養を積極的に摂ると同時に、エストロゲンの働きを補ってくれる大豆イソフラボンも補給するようにしましょう。

大豆イソフラボンは更年期女性の応援団!

更年期の心身の不調の主な原因が女性ホルモンの分泌低下であることを解説してきました。少しでも快適に更年期を過ごすために、大豆イソフラボンのチカラも借りながら過ごしていきましょう。食の欧米化により大豆を使ったメニューを食べない日もあるかと思いますが、どのように食事を工夫すればよいかを紹介します。

大豆イソフラボンを毎日摂取しよう

大豆イソフラボンは、女性ホルモンのような働きをします。大豆イソフラボンが体内のエストロゲンレセプターと結合してその作用を発揮し、エストロゲンのような働きをすると考えられています。

エストロゲン分泌量が低下していく更年期女性には、健康・美容・心の不調など様々な症状があらわれてきますから、エストロゲンと似た働きをする大豆イソフラボンを補給して症状を緩和していきましょう。

大豆イソフラボンを取り入れるメニューの工夫

大豆イソフラボンは、大豆や大豆製品といった身近なものに含まれています。しかし、麺類などの単品で食事を済ませたり洋食が続くと、大豆製品の摂取量が少ないメニューになりがちです。そのような場合は、意識して和食を選ぶと良いでしょう。

また、普段の食事に、大豆製品を使ったメニューを1品追加するのもオススメです。例えば、厚揚げをオーブントースターで焼き、ポン酢やすりおろししょうが(市販のチューブのもので良い)をつけて食べようにすると、準備も後片付けもラクにできますね。大豆イソフラボンは1度に大量に摂るのではなく、毎日少しずつ大豆製品を意識して摂ると良いでしょう。

まとめ

女性にとって、女性ホルモンの分泌低下は誰にもやってくる変化です。また、更年期は閉経前後5年と言われるので、閉経を迎えてから「数年前のあの辛さは、更年期の症状だったのでは?」と、あとから振り返って更年期の始まりに気づくことがあります。

イライラしている自分に気づいても、自己嫌悪に陥る必要はなく「女性ホルモンの急激に減少していて脳がパニックになっているのだな」と深呼吸してみましょう。

そんな女性たちの味方が体内でエストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボン。大豆はタンパク質ですから肉や魚と同様にメインのおかずにもできますし、白和えや味噌汁など副菜に取り入れることもできます。メニューを工夫して大豆イソフラボンを毎日摂ることを心掛けてみましょう。

 
   
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