オートミールを夜ご飯で食べる体に良い点って何?どんな食べ方が理想的?食欲ホルモンや時間栄養学を交えて解説♪

オートミールは夜ご飯におすすめ

オートミールには健康をサポートしてくれる働きがたくさんありますが、中でも身近なダイエットへの期待は大きいです。ダイエット中の夜ご飯はどのような食事が良いのでしょうか?また、オートミールを夜ご飯に摂るとどんな良い点があるのでしょうか?さらに、食欲に関係するホルモン「レプチン」「グレリン」や、夜に体内で時計遺伝子が作るタンパク質「BMAL1(ビーマルワン)」の話題も交えながら、管理栄養士が解説していきます。

執筆者:石原 恵子

資 格:管理栄養士|食品衛生監視員|食品衛生管理者|フードコーディネーター


食べる量が同じなら、朝と夜はどちらが太りやすい?

朝起きるのが苦手な人や朝に食欲がわかない人は、朝食を欠食することがありますね。食事時間というのは各々の生活リズムが大きく関わってきます。

また、3食の食事量についても、朝食を食べないから昼・夜でたっぷりの量を食べる人、朝食・昼食は食べるけど夜ご飯の主食は抜いている人など、違いがみられます。
食べる量が同じならば、朝よりも夜の方が太りやすいです。

ここでは、太るのはなぜなのか、夜ご飯は主食を抜くのは良いことなのか、そして睡眠時間と食欲に関係するホルモン「レプチン」「グレリン」について解説していきます。

摂取カロリーと消費カロリーの関係

「摂取カロリー>消費カロリー」に毎日なってしまうと、太る原因になります。太る理由には、加齢による代謝低下もありますが、「食事からの摂取カロリー」が「運動や基礎代謝によって使われる消費カロリー」をオーバーする生活が習慣化すると太りやすくなります。

1日3食の中でカロリーが高い食事を摂りがちなのは夜ご飯です。朝のように「時間がない!」ということもありませんし、コロナ禍で大人数宴会も開催できないため自宅で夜にお酒をのんびりと飲んでいる人も多いことでしょう。

お酒には揚げ物が合うので、カロリーの高い料理を食べがちです。あとは寝るだけなので、夜ご飯は運動などでカロリーを消費することが少ない時間帯の食事となります。揚げ物などのカロリーが高い料理は昼ごはん等に食べる方が肥満になりにくいです。夜ご飯の食事のエネルギーが過剰にならないようにするのは、ダイエットのポイントです。

主食とおかずのバランスが大事

短期間でダイエットの結果を出したくて、夜ご飯の主食を抜く食事を続けている人もおられるかと思います。はじめのうちは一時的には体重が落ちやすいのですが、食事のPFCバランスが崩れてしまいます。

PFCバランスとは、総摂取エネルギーに対するP(Protein:タンパク質)、F(Fat:脂質)、C(Carbohydrate:炭水化物)が各々何%になるかのバランスを示すものです。日本人の食事摂取基準ではエネルギー産生栄養素バランスとして、1~49歳の目標量を以下のように設定しています。

エネルギー産生栄養素バランス
P(タンパク質) F(脂質) C(炭水化物)
13~20% 20~30% 50~65%

夜ご飯でごはんやパン、パスタなどの主食を抜くと、C(炭水化物)が極端に減ってしまいバランスの悪い食事となってしまいます。そして、おかずだけになると、おかずを多く食べてしまい塩分や脂質が増えて健康に影響がでることも考えられます。夜ご飯を減らすならば、主食もおかずもどちらも少しずつ減らす方が良いでしょう。

食べる量を意識するには、計量カップが味方になります。オートミールは1/2カップで40gです。計量カップを使うと、見た目にわかりやすく食べ過ぎを防ぐこともできるので、計量カップを利用してみましょう。

睡眠不足で増えてしまう食欲 ~「レプチン」「グレリン」~

夜遅く食事を摂るという生活は、どうしても寝る時間が遅くなるので睡眠不足が心配です。睡眠不足が続くと、痩せにくくなります。なぜなら、食欲を抑える「レプチン」というホルモンは、睡眠不足になると減少するからです。

一方で、食欲を増進する「グレリン」というホルモンは、睡眠不足になると増加してしまいます。このように睡眠不足だと食欲に関係するホルモン分泌が変化するので、食欲が増進してしまいます。したがって、睡眠不足では肥満になりやすくなります。

寝る直前に食事をすると、身体は食事を消化する活動をするので、深い睡眠をとりにくくなります。早めに帰ることができた日には、できれば就寝の3時間ぐらい前に夜ご飯を済ませるようにすると良いですね。

空腹感を感じにくいオートミールは夜遅くでもおすすめ

夜ご飯を極端に減らすと空腹感を感じて寝付けなくなり、睡眠の質が悪くなることがあります。オートミールのように食物繊維豊富な主食はゆっくりと血糖値が上がりゆっくりと血糖値が下がるので、すぐに空腹感を感じることはなく眠ることができます。

「レプチン」はよく噛むことで分泌が多くなるので、食事をしっかりと時間をかけて噛むことが重要です。大きめに切った野菜をプラスするなどして、オートミールを噛んで食べてみると良いでしょう。


時間栄養学ってどんな栄養学?

「時間栄養学」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?栄養学というと「どんな食材・どんなメニューを」「どれだけの量」「どんな質」という話が多いかと思いますが、時間栄養学は「いつ食べるのか」という切り口から考えられた栄養学です。各臓器の働きのピークの時間が違うこともわかってきました。ここでは、体内時計の中枢と、末梢(まっしょう)体内時計の解説をしていきます。

人間の体内時計は実は24時間ではない

時間栄養学という言葉を聞いたことがあるでしょうか?体内時計を意識した栄養学です。

  • 体内時計の中枢

    脳にあります。目の網膜に朝の太陽の光が当たることによりリセットされます。光が中枢神経を刺激し、全身の末梢体内時計に1日のリセットを指示します。

  • 末梢(まっしょう)体内時計

    肝臓、腎臓、胃、腸などの内臓や筋肉の細胞にあります。
    これは朝食を摂ることによって刺激されます。朝食を食べることで体内時計をリセットする指示が各臓器に伝わります。

1日は24時間ですが、人間の身体は実は約25時間リズムです。このように、人間の身体には体内時計をリセットする仕組みがあります。
朝カーテンを開けて太陽の光を浴びながら朝食を摂ると、両方の体内時計をリセットできるので、身体のリズムのために良い生活習慣であることがわかります。

時計遺伝子が作るBMAL1(ビーマルワン)

食物の消化吸収や代謝に働く内臓の活動リズムは、それぞれの臓器で異なります。例えば、「膵臓」が一番よく働くのは15時前後。膵臓は血糖値を下げるホルモンであるインスリンを分泌します。したがって、甘い砂糖をたっぷり含むおやつはこの時間帯にとるのが一番良いのです。

また、時計遺伝子が作るタンパク質に「BMAL1(ビーマルワン)」があります。BMAL1は、脂肪蓄積の司令塔の働きをしており、BMAL1が増加すると脂肪の蓄積量が増えます。

これは、BMAL1が脂肪細胞で脂肪の合成を促進する作用をもつからです。BMAL1が最も増えるのは、夜の22時から深夜2時ごろ。つまり、夜遅い時間の夜ご飯が、肥満になりやすい原因の1つになります。

夜遅くにしか夜ご飯を食べられない時におすすめの食事

BMAL1が増加する時間帯である、遅い夜ご飯。夜遅く帰宅して夜ご飯を食べる人、家族の帰りを待ってから一緒に夜ご飯を食べる人…。22時を過ぎてから夜ご飯を食べる人も少なくないと思います。夜遅いご飯はどのようにするのが健康に良いのでしょうか?食事量、食事の時間のポイント、料理の選び方や食べる順番について解説していきます。

腹八分目って?

「腹八分目」は昔からよく聞く言葉ですね。満腹になるまで食べないで、「もうちょっと食べられるのだけれど、もうこれぐらいでやめておこう」というイメージですね。

しかし、「もう、八分目のラインまで来ましたよー」と胃が知らせてくれるわけではなく、「痛い」のようにすぐに体に伝わる感覚でもないですよね。それゆえに、「気づいたら満腹だった…」「食べ過ぎちゃった」となってしまうことも。

それを防ぐためにも、あらかじめ食事量を減らすことの方が大事です。大皿を食卓においておくとついつい摂りすぎたり、箸が伸びておかわりしてしまうので、一人分をあらかじめお皿に取り分けておくと良いですね。お茶碗へごはんを盛るときに少し減らす、昼に食べる唐揚げの量よりも1つ減らしてみるなど、具体的に目標を決めるほうがわかりやすいですね。

時間のポイント

オススメの方法は、「夜ご飯の時間を2回に分けること」です。

自分が帰宅するのが遅い場合:夕方17~18時ごろに職場で少し食べておきます。昼食から22時まで何も食べないと血糖値が下がり空腹を感じるので、夕方に少し食べておくとそれを防ぐことができます。家に帰ってからドカ食いすることを防ぐことができるので、太るリスクを下げることができます。

夜ご飯食べるものとしては、炭水化物が良いでしょう。おにぎりなどを職場に持参してもいいですが、オートミールを袋ごと職場に常備しておくと良いでしょう。即席のお味噌汁の素とオートミールをカップに入れ、お湯を注いで食べます。エネルギーも補給でき、オートミールの豊富な食物繊維で満腹感も保てるので、オススメです。そして、帰宅してから魚や豆腐などのおかずを食べます。

家族の夜ご飯時間が違う場合:子育て中のお母さんは、小さな子どもの夜ご飯は19時ぐらいだけど、ご主人の夜ご飯は22時ぐらいになるという場合もあるでしょう。その場合、お子さんと夜ご飯をすべて済ませても良いです。

あるいは、お子さんと一緒に主食と主菜(メインのおかず)だけを食べ、ご主人との食事時間に小鉢などの副菜を一緒に食べるのも1つの方法です。お子さんともご主人ともそれぞれ食卓を囲めるので、家族とコミュニケーションをとることができますね。

料理の選び方

「夜ご飯の時間を2回に分ける」ことが難しい人は、食べる物を見直してみましょう。夜は活動量が昼間よりも少ないので、消費エネルギーが少なくなっている時間帯です。

その反面、時間はたっぷりあるので、気にせずにメニューを選ぶと高カロリーになりがちです。脂質は消化に負担がかかるので、食べてすぐに寝ると内臓が休まらなくなるので少な目にしましょう。

まず、和食・中華・洋食の中から選ぶとき、和食中心の食事にしましょう。比較的、エネルギーが低い食事が多いです。毎日和食でなければならないのではなく、和食の頻度を多くすることを意識すると良いです。和食は塩分が高めになることを心配される方もおられると思います。

醤油の代わりに出し醤油やポン酢を使う、レモンや酢などの酸味でアクセントをつけて塩分は控えめにする、ショウガやワサビなどの薬味を活かして味を調えるなど、薄味を心掛けてみましょう。

また、炭水化物を極端に抜くのも食事のバランスが崩れるので、適度にとりましょう。オートミール粥はオートミールが水分でふやけて量が増えるので、少ない炭水化物でも満足な食事になります。

食べる順番

まず最初に野菜類から食べるのがおすすめです。時間をかけてよく噛んで食べましょう。サラダやおひたしなど、小鉢の品数があれば見た目にも満足感がでます。スーパーでモズク酢などの小さなパックを用意しておくのも良い工夫です。

そして、食事の最後に炭水化物を軽めにとりましょう。パスタなどは高カロリーになりがちですので、精製されていない穀類が食物繊維も豊富でベターです。オートミールをお茶漬けにするのも手軽で良いです。

まとめ

ダイエット中の人や夜遅くにご飯を食べることが習慣になっている人の夜ご飯のおすすめを解説してきました。肥満を防ぐための食事は、だらだらと甘い物を食べないことも大事ですが、夜ご飯が大きなポイントとなってきます。消費カロリーも少なく、時間栄養学でも「BMAL1」という脂肪蓄積が働きやすい時間が夜遅いご飯だからです。

工夫点としては、夜ご飯の時間を2つに分ける、メニューは和食にする、食べる順番は野菜からにして時間をかけてよく噛んで食べるなど、できることからやってみましょう。

夜ご飯に炭水化物を極端に抜くと、食事のPFCバランスが崩れてしまいます。オートミールの良いところは、少量でも水でよく膨れてボリュームがでることと食物繊維が豊富なこと。このような炭水化物を夜ご飯で食べると、カロリーも抑えられて満腹感も満たされますので、夜ご飯にオートミールを利用してみましょう。

 

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