
スキムミルクでダイエット?栄養素や飲み方をご紹介
みなさんは、スキムミルクにどのようなイメージを持っていますか?「昔の給食」「美味しくない」と思っている方も多いかもしれません。スキムミルクは牛乳から脂肪と水分を除いた粉のことでいわゆる「脱脂粉乳」と呼ばれています。粉末状なので高い保存性があり、値段も安価なので気軽に購入できます。
上手に使うと健康やダイエットにも効果的です。とはいっても、「なんで健康にいいの?」「どうやって使うの?」という疑問をお持ちではありませんか?そこで、この記事ではスキムミルクの栄養や効果、使い方を管理栄養士の観点から解説します。ぜひみなさんの健康ライフに役立ててください。
執筆者:内田 桃花
資 格:管理栄養士
スキムミルクの栄養素
スキムミルクは牛乳とどう違うのか、牛乳コップ1杯(150ml)とスキムミルク16g(150ml相当)を比較してみましょう。
スキムミルク | 牛乳 | |
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エネルギー | 57kcal | 101kcal |
たんぱく質 | 5.4g | 5.0g |
脂質 | 0.2g | /7.7g |
炭水化物 | 8.5g | 7.2g |
カルシウム | 176mg | 165mg |
ビタミンB2 | 0.3mg | 0.2mg |
上記は牛乳に豊富だったり、牛乳が供給源となったりする栄養素を記載しています。スキムミルクは牛乳から脂質を除いたものなので、その分エネルギーが低い特徴があります。そしてその他の栄養素は同等、またはそれ以上に含まれています。
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引用:便利な2分冊! 2016 /女子栄養大学出版部/香川芳子 (大型本) |成分表から抜粋
スキムミルクの効果3つ
牛乳以上の栄養効果に期待できるとお伝えしましたが、具体的にはどのような効果があるのかご紹介します。
ダイエットにも効果的!カロリーを抑えられる
スキムミルクの大きな特徴は牛乳と比べて低エネルギーであることです。その差は44kcalで、牛乳の代わりにスキムミルクを使用することで脂質の摂取量や摂取エネルギーを減らすことができます。
健康な体をつくる!気軽にたんぱく質を摂取できる
たんぱく質は臓器や筋肉、皮膚、頭髪など身体をつくる重要な栄養素です。
スキムミルクはたったの大さじ2杯(16g)でたんぱく質を5g以上摂取できます。これはウインナーだと2本分、鳥ムネ肉だと一切れに相当するたんぱく質量です。また、「たんぱく質5g」はたんぱく質配合を謳う多くの商品と同等量です。スキムミルクが手軽にたんぱく質を摂取するのに適していることがよく分かります。
骨粗鬆症予防にも!気軽にカルシウムを摂取できる
カルシウムは丈夫な骨や歯を形成しています。また、ホルモンの分泌や血液の凝固など幅広い生理機能に関与しており、血液中に不足すると骨から溶け出ます。骨粗鬆症予防のためにもカルシウムの摂取は大切で、牛乳は重要なカルシウム源です。しかし、カルシウムの必要量(550mg)を牛乳で摂取するとなるとコップ3杯以上飲む必要があり、カロリーは333kcalです。牛乳好きでない限り3杯はなかなか飲めませんよね。もちろん牛乳だけで必要量を摂取しなくても良いのですが、スキムミルクなら普段の食事に少しずつかけるだけでもカルシウムを摂取できます。また、スキムミルクのカルシウムは牛乳と同じく吸収が良いです。これは乳糖やたんぱく質、カルシウムの形が関係しています。カルシウムは意識してとらないと不足しがちな栄養素なのでスキムミルクを上手に活用しましょう。スキムミルクの使い方はこの後ご紹介します。
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スキムミルクでダイエットするには
スキムミルクはダイエットに効果的だと解説してきました。ダイエット中、痩せるために食事制限をしているとたんぱく質やビタミン、ミネラルなど身体に必要な栄養素が不足しがちになります。スキムミルクは低エネルギーであるにも関わらず、たんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富な食品でした。そのためスキムミルクはダイエットにも効果的であると言えます。スキムミルクを使ってダイエットする時の具体的な方法を紹介します。
ダイエットを目的とするなら「間食、夜食を置き換える」方法がおすすめです。
食事制限は空腹との闘いです。我慢はストレスになりますし、我慢できなくなり暴飲暴食してしまっては元も子もありません。食欲を我慢できなくなった時にまずはスキムミルクドリンクを飲んでみましょう。スキムミルクは自然な甘さがあり満腹感を得ることができます。あたためるとさらに満足感を感じることができるのでホットがおすすめです。
スキムミルクにはカルシウムが豊富だと解説しました。最近の研究では、カルシウムは骨に関すること以外にも抗肥満効果、HDL(善玉)コレステロール増加効果、血圧低下効果があることが分かっています。つまりメタボリックシンドローム予防効果が期待されています。
スキムミルクの飲み方、使い方
スキムミルクの魅力を存分に生かすための手軽なレシピを紹介します。どれも簡単にできるのでぜひ試してみてくださいね。
スキムミルクドリンク
飲みたい時にさっと作れる、材料を混ぜるだけの簡単レシピです。きなこを入れることでカルシウムの吸収を助けるイソフラボンも同時に摂取できます。スキムミルクは50℃くらいで溶けやすいので冷たく飲みたい方も一度温めてから冷やすときれいに溶けます。甘さが足りない方は蜂蜜を少し足すと美味しいです。ダイエット中の方の間食や夜食にもおすすめです。
材料 |
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スキムミルク大さじ2杯(濃いめが好きなら3杯) お湯150ml きなこ(お好みの量) |
スキムミルクヨーグルト
いつも食べている普通のヨーグルト1パックにスキムミルクを混ぜるだけです。ヨーグルトの酸味がまろやかになります。ダイエットを意識しているなら無糖がお薦めですが、そうでないなら好きなフレーバーのもので大丈夫です。このレシピは、カロリーを増やさず、たんぱく質は約10g、カルシウムは約300mgも摂取できます。
材料 |
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ヨーグルト100g スキムミルク大さじ2杯 |
スキムミルク入りスープ
食べやすい大きさに切った野菜をコンソメスープで煮込みます。そこにスキムミルクを入れ、塩・こしょうで味を調えます。
スキムミルクは洋風のスープだけではありません。いつもの味噌汁一人分にスキムミルク大さじ1杯程度足すとコクが増し、美味しくなります。また、シチューやカレーに牛乳の代わりに入れるとカロリーオフできます。
材料 |
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お好みの野菜(ほうれん草、人参、玉ねぎなどがおすすめ) スキムミルク大さじ2~3杯 コンソメスープ200ml 塩・コショウ 少々 |
スキムミルク入りごはん
ごはんを炊くときに米一合につきスキムミルク大さじ1杯を加えていつも通り炊きます。
スキムミルクを混ぜたことによりお焦げができやすくなるかもしれません。炊き上がり時はほのかにミルクの香りを感じる方もいるかもしれませんが味はほとんど変わらないです。炊けたごはんにスキムミルクを混ぜても良いので家族が嫌がる方は試してみてください。ジャコや桜エビをかけて食べればさらにカルシウムがアップします。
スキムミルクのデメリット
スキムミルクは粉末状なので固形や液体のものと比べて一度に多くの量を摂取可能です。そのためスキムミルクの食べ過ぎで乳製品アレルギーになる可能性もあります。
また、スキムミルクは牛乳アレルギーの方はもちろん、乳糖不耐症の方にも向きません。牛乳と形は違いますが、アレルゲンや乳糖は分解されていないので牛乳を飲んでお腹がゆるくなってしまう方、なにかしらの症状がでてしまう方は要注意です。
ちなみに、スキムミルクの安全性を疑問視する意見もありますが、これは原料である牛乳が有害であるというウワサからきているようです。牛乳有害説はたびたび話題になりますが全く科学的根拠はありません。安心してスキムミルクを食べましょう。
まとめ
スキムミルクは上手に活用することでカロリーは控え目に、たんぱく質、カルシウムを摂取できます。とくにカルシウムは不足しがちなので意識してとりたい栄養素です。女性の寝たきりの原因の一つは骨折と言われる時代。いつまでも健康であり続けるためにもスキムミルクでカルシウムをちょい足ししてみてください。