管理栄養士が本音をぶっちゃけ!今バズっている『沼』ダイエットって実際どうなの?

マックスグリルの沼

みなさんは「沼」ダイエットという言葉をきいたことがありますか?沼とは「SNS映えしない究極のダイエット食」として、YouTuberが発案し話題となったメニューのことです。この沼が思った以上に美味しく、毎日食べるだけで痩せられるということで脚光を浴び、沼のレシピ動画はYouTubeで400万回以上再生されているとのこと!
今回はその夢のようなダイエット飯「沼」の詳細とダイエットに良い理由をご紹介し、実際に管理栄養士から見て「沼」ダイエットはぶっちゃけどうなのかを検証します。

執筆者:小玉 奈津実

資 格:管理栄養士|食品表示検定中級|食品衛生管理者

話題の「沼」ってなに?

沼というネーミングからどのような料理か想像がつきませんよね。
簡単にいうと「カレー味の具材たっぷりのおかゆ」のような料理といったところでしょうか。では、その沼の詳細をご紹介します。

「沼」とは

筋肉のバランスの良さを競う競技フィジークで活躍するシャイニー薊さんと、総合格闘技家のスマイル井上さんのお二人のユニット「マックスグリル」が沼の発案者です。
マックスグリルは筋肉や食を愛する人のためのYouTubeチャンネルを運営しており、そこで減量飯として「沼」を紹介したところ今までにないダイエット飯ということで一躍脚光を浴びて、いわゆる「バズった」レシピになったとのこと。ネーミングに関しては、見た目がカレー粉の色で茶色く濁っていて沼っぽいため「沼」という名前がついたとか。確かに、名前も見た目もパンチがきいていて一度聞いたら忘れられませんよね!

「沼」ができた経緯

シャイニー薊さんは元々病院調理師をされており、その経歴を活かしてコンテスト前の減量飯として美味しく簡単な料理はないかと思ってできたのが「沼」なのだそうです。確かに食材の種類も鶏むね肉・海藻・きのこ・野菜とまんべんなくとれるように配慮されており、栄養価が高いメニューとなっています。

「沼」のレシピ

沼は様々なアレンジ方法がありますが、今回はマックスグリルさんの動画を一般家庭向けにした動画を元に「沼」のレシピをご紹介します。

沼の材料

  • 鶏むね肉orささみ300g
  • 干し椎茸15g(3枚程度)
  • わかめ5g(軽くひとつかみ)
  • オクラ5本程度
  • カレー粉小さじ5杯
  • 米150g
  • 塩胡椒合わせて5g
  • 水1000ml

■作り方

『炊飯器に全ての材料を切らずに入れ炊飯→炊飯後6時間保温し、完成!』たったこれだけです。保温することでお肉はほろほろ、オクラや椎茸もやわらかくでき上がります。包丁やまな板などの調理器具が不要ですし、食材も低コストでスーパーで手軽に購入できるものが多いため、普段調理をしない方でも簡単に始めることができますね。

「沼」がなぜダイエットに良いのか

なぜこの「沼」が究極のダイエット飯と言われているのか、その理由を検証してみます。

PFCバランスが優れてる

沼は、たんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)のPFCバランスが「3:2:5」と、一般的な理想的バランスの「1.5:2.5:6」よりもタンパク質の割合が多めであることが特徴的です。
高タンパク質・低脂質・低糖質の食事をとることは筋肉量アップにつながり、筋肉量が増えることから代謝も向上するため結果的に痩せやすいからだづくりが期待できます

水分量が多いため、満腹になりやすい

沼は通常のご飯と比べると水分量が非常に多く、おかゆのような形状です。
水分を多く含んでいるので満腹感を得やすく、血糖値の上昇が緩やかになる為、太りにくくなります。また、わかめや椎茸・オクラに含まれる食物繊維の効果で腹持ちもよくなっています。

調理・カロリー計算が簡単

レシピをみても分かる通り、炊飯器に入れるだけでカットも不要なので、料理初心者の方でも非常に簡単にできます。また、5合分の沼は約900kcalなので、1日沼だけを食べればカロリー計算をする必要なく摂取カロリーを把握できます。前の晩に炊飯し翌日は沼だけ食べれば、献立を考える手間も省けますし、カロリーコントロールが簡単にできますね。

味が美味しい

ダイエット飯といえば味付けが質素で飽きやすいイメージがありますが、沼は見た目からは想像できない美味しさも話題となっています。
カレー粉や塩胡椒でしっかりと味付けしていますし、鶏や椎茸・わかめから旨味成分が出ているのでコクもあり、くせになる味になっているのがリピート率が高い秘訣なのかもしれません。

「沼」ダイエットに関して管理栄養士が感じたことをぶっちゃけ!

実際にこの話題の沼ダイエットは、管理栄養士の視点からみるとどうなのでしょうか…。今回は沼ダイエットで感じたことを少し辛口でぶっちゃけます!

タンパク質過剰摂取になりやすい

沼ダイエットは「筋肉を落とさず減量する」ということにフォーカスを当てており、身体を鍛えている方向けのメニューです。
沼はタンパク質が約95gと多く含まれており、成人女性の必要量は40〜60g程度ですので特にトレーニングをしていない一般人ですとタンパク質の過剰摂取にもなりかねません。動物性タンパク質をとりすぎると腸内環境の乱れにもつながり口臭や体臭の原因にもなりますので、筋肉ムキムキを目指す訳でなければ鶏むね肉の量を半分程度に減らすなど対策した方が良いでしょう。

脂質が不足してしまう

沼だけを食べると、通常の食事よりも脂質摂取が少なくなってしまい、脂質が不足してしまうとホルモンバランスの乱れなどの不調にもなりかねません。ダイエットの大敵「便秘」の原因にもなります。
理由は油が不足すると腸に必要な油分を補給することができず、便を押し出す力が弱くなります。不飽和脂肪酸の豊富な魚や植物油は補給したいところですので、沼にごま油やオリーブオイルをかける等のアレンジをしても良いでしょう。

微量栄養素が不足してしまう

沼だけですと、大まかな栄養素(炭水化物・タンパク質)はまかなえますが微量栄養素である「ビタミン・ミネラル」は不足がちになります。
微量栄養素は代謝機能を適切に維持するためにも必要ですので、不足すると代謝サイクルの効率が落ちてダイエットにも逆効果になってしまいます。また、元々現代人が不足しがちなカルシウムや鉄が足らないと健康面にも悪影響を及ぼしますので「沼」にひじきや煮干しを足したり、別で牛乳を飲んだりと工夫が必要です。

ストレスを感じやすい

沼ダイエットのような単品ダイエットは、アスリートの方のようなしっかりとした目標があれば問題はないのですが、一般の方が真似をするとストレスを感じやすくリバウンドしやすいのが特徴的です。
もちろん、沼を楽しんで食べるなら問題ないのですが「痩せるために食べなきゃ」と無理に続けてストレスを感じてしまうのは本末転倒です。

咀嚼しないことでの弊害

沼は、ご飯がおかゆ状で他の食材も蒸されてホロホロになっているという、とてもやわらかい料理です。
やわらかい沼をずっと食べることで必然的に1日の咀嚼の回数が減り、咀嚼しないことで唾液の分泌も減るので虫歯になりやすくなってしまいます。また、咀嚼筋をあまり動かさないことであごの筋肉が発達せず、歯並びが悪くなったり顔の血行が悪くなったりと様々な弊害が出てきます。「沼」だけに限らず、普段から固いものをよく噛むことが健康のためにも重要になってきます。

まとめ

今回は「バズっている」沼ダイエットに関して検証いたしました。
ボディビルダーの方が体重コントロールのために発案したものですのでダイエット食としては素晴らしいものですが、やはりずっと沼だけを食べ続けると今回ご紹介したデメリットの要素も出てきます。「健康的に美しく楽しく痩せる」といったことを望んでいる方は、沼を長期的に食べるのではなく短期的にとり入れたり、食べ応えのある温野菜や乳製品などをプラスしたりと、工夫して活用するのが良いでしょう。ぜひ今回の内容を参考にしてくださいね。


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