オートミールを含む炭水化物の糖質・脂質を比較◎優れた栄養を活かす食べ方を解説!!

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オートミールの糖質と脂質

日本でも少しずつ知名度があがってきた人気上昇中のオートミール。

「朝食にコーンフレークを時々食べることはあるけど、オートミールとの栄養の違いはなに?」「精白米ご飯をオートミールに変えたら、摂れる栄養はどう変わるの?」と、栄養について気になっている方もおられるかもしれませんね。

ここでは、オートミールの栄養素の中でも「糖質」と「脂質」について、管理栄養士が解説していきます。

執筆者:石原 恵子

資 格:管理栄養士|食品衛生監視員|食品衛生管理者|フードコーディネーター

オートミールの糖質にはどんな特徴があるの?

オートミールは「オーツ麦」が原料で、「穀物」の1種です。「穀物」と言えば糖質が多い食品であるにもかかわらず、オートミールには美容や健康に期待が集まっています。

普段食べている精白米ご飯やパン、コーンフレークも糖質が多い食品ですが、どんな違いがあるのでしょうか?オートミールの糖質について、普段食べている主食との比較やオートミールが優れている点とその理由について解説していきます。

1食当たりの糖質量の比較

糖質と食物繊維、エネルギー量について、普段主食で食べている穀物とオートミールを比較してみました。

標準的な1食分の分量で比較しました。精白米と玄米についてはご飯お茶碗1杯分(140g)に含まれる分量、そして食パンは5枚切り1枚、そうめんは100g、コーンフレークとオートミールは1食分40gで計算してみました。

栄養比較表(1食分当たり)
精白米 玄米 食パン そうめん コーンフレーク オートミール
エネルギー 225.0kcal 227.7kcal 204.8kcal 333.0kcal 152.0kcal 140.0kcal
糖質 50.7g 46.9g 35.1g 70.2g 32.5g 23.9g
食物繊維 0.33g 1.97g 1.36g 2.50g 0.96g 3.76g

新食品成分表 FOOD 2021 成分表から計算

エネルギー(kcal)について

精白米ご飯を100%としたとき、玄米ご飯はほぼ同じ、食パンは91%、そうめんは148%、コーンフレークは68%、オートミールは62%となりました。このことから、オートミールが、1番エネルギー(kcal)が少ないことがわかります。

糖質について

精白米ご飯を100%としたとき、玄米ご飯は92%、食パンは69%、そうめんは138%、コーンフレークは64%、オートミールは47となりました。

このことから、オートミールが、1番糖質量が少ないことがわかります。

食物繊維について

精白米ご飯を1としたとき、玄米は約6倍、食パンは約4倍、そうめんは約8倍、コーンフレークは約3倍、オートミールは約11倍となりました。このことから、オートミールが、1番食物繊維量が多いことがわかります。

オートミールは「肥満ホルモン」を分泌しにくい

オートミールは、糖質が少なめで食物繊維が多いので、糖質の消化吸収が遅く、血糖値がゆっくりと上昇します。このことは、「肥満ホルモン」と呼ばれるインスリンを分泌しにくいことにつながります。

炭水化物を摂るとブドウ糖へと分解され、血糖値が上がるとインスリンが分泌されます。血糖は筋肉細胞に取り込まれてグリコーゲンとして蓄積されますが、余った血糖はインスリンによって脂肪へと変換されてしまいます。

あまり噛まずに短時間で食べられる粉もの料理や柔らかいパンは、満腹感が満たされないので量を多く食べてしまいがちです。すると、インスリン分泌が多くなり、脂肪をためることにつながりやすくなります。

オートミールは噛みごたえがあるので、過剰に食べるのを防ぐことが期待できます。さらに時間をかけて食事をして満腹感を得るためには、噛みごたえのある野菜や海藻、キノコ類などをオートミール粥にプラスすると良いですね。

オートミールは全粒穀物?精製穀物?

オートミールは普段食べている主食に比べて、糖質が少なく食物繊維が多いです。

では、なぜオートミールは、糖質と食物繊維が優れた割合をしているのでしょうか?これは、オートミールが全粒穀物であるという特徴があるからです。

オートミールは、もみ殻だけを取り除いた状態の原料を使っており精製度が低い穀物です。なので、食物繊維をはじめとした栄養素がたくさん残っています。例えば、玄米と精白米を比べてみましょう。

玄米は、外皮は取り除かれていますが外皮も胚芽は残っている全粒穀物なので、たくさんの栄養素が残っています。一方、精白米は、外皮と胚芽も取り除き、胚乳だけにしたものなので栄養素が少ないです。

日本人は弥生時代から米を食べ始め、明治時代から米を精製して白米として食べるようになりました。現代でも日常的に精製された穀物を食べています。オートミールのような全粒穀物も食事にとりいれながら、食事のバランスを取れるといいですね。

オートミールの糖質量を活かす食べ方

オートミールは穀類の中では糖質が少なく、食物繊維が多い食品であることを解説してきました。しかし、他の食材との組み合わせによっては、残念ながらそのオートミールの糖質の良さを消してしまうことも。

組み合わせの注意点についても述べていきましょう。また、オートミールは血糖値が上がりにくい食品ですが、さらに効果が期待できる食べ方はあるのでしょうか?

糖質量が増えてしまう食べ方とは

オートミールはダイエットに適した食品ですが、オートミールを食生活に取り入れてみてもダイエットが進まない人もいます。その場合、オートミールの食べ方に注目してみましょう。

注意するポイントは、オートミールに牛乳と糖類をかけて食べる際の糖類の量です。

精白米ご飯(お茶碗1杯分) オートミール(1食40g) メープルシロップ大さじ1杯(21g) はちみつ大さじ1杯(21g)
エネルギー 225kcal 140kcal 56kcal 69kcal
糖質 50.7g 23.9g 14.0g 17.0g

引用:新食品成分表 FOOD 2021 成分表から計算

オートミールのエネルギーと糖質だけを比べるとオートミールの方がエネルギー量も糖質量も少ないですね。では、オートミールに糖類を大さじ1杯かけた場合をエネルギーと糖質量を考えてみましょう。

オートミールに大さじ1杯の糖類をかけた場合のエネルギー・糖質量は、精白米ご飯にかなり近づいてしまいます。オートミールにかける糖類は小さじ1杯程度にして、トータルでの糖質の摂りすぎに注意しましょう。

血糖値を上がりにくくする食べ方とは

食物は酢と一緒に摂ると、血糖値が上がりにくくなることが期待できます。酢は食物が胃から小腸へ移行するスピードをゆっくりにします。その結果、血糖値の上昇がゆるやかになります。結果として、インスリン分泌もゆるやかになり、肥満防止が期待できます。

もしオートミールを多めに食べるときがあるならば、酢を使った料理を1品添えるなど、少し食事全体で工夫をしてみると良いと思います。

尚、オートミールを食べ過ぎてしまう原因の1つに、最初に計量をせずに器や鍋に入れてしまうことが考えられます。オートミールは、1CUP(200ml)の計量カップに入れると約80gです。

2人でオートミールを食べるときには、200mlのラインまでオートミールを入れ、それを半分ずつ器に分ければ1人前約40gが簡単に計量できます。ぜひ、計量カップを活用して、オートミールの食べ過ぎを防ぐ工夫をしてみましょう。

オートミールの脂質にはどんな特徴があるの?

オートミールは「穀物」なので糖質に注目が集まりがちで、脂質については注目されることが少ないですよね。しかし、ダイエット中の方は、食べ物の脂質については気になるところですよね。

そこで、オートミールの脂質について、他の穀物との比較や脂質が多めのオートミールは食べても良いのか、そしてオートミールの脂質の「質」が優れている点について解説していきます。

オートミールは他の穀物より脂質が多い

オートミールは他の穀物よりも脂質を多く含んでいます。1食分当たりの脂質量を比較すると、精白米は0.6g、玄米は1.8g、コーンフレークは0.7g、オートミールは2.3gです。

「脂質は太るのでは?」と不安に思われがちなのですが、1日2000kcalの食事を摂る人であれば脂質は1日45g程度摂取しても良いので、オートミール1食分は食べても大丈夫な脂質量です。

脂質は、過剰にとると肥満を招いてしまいますが、細胞膜や角膜などの生体膜の構成成分となり、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあり必要な栄養素です。

また、ダイエット中の人は食事量や脂質の摂取量が減るので便秘になりがち。脂質は便の排出を助けてくれますから、ダイエット中で便秘に悩んでいる人は、適度に脂質を摂るとよいでしょう。

脂質の比較表(1食分当たり)
精白米 玄米 コーンフレーク オートミール
脂質 0.6g 1.8g 0.7g 2.3g

引用:新食品成分表 FOOD 2021 成分表から計算

オートミールの脂質は質が良い

オートミールには、精白米や玄米に比べて脂質が多いことを述べましたが、量だけではなく、質にも注目していきましょう。オートミールに含まれる脂質は、体に良い働きをしてくれる不飽和脂肪酸が含まれています。

脂肪酸の比較表(1食分当たり)
精白米 玄米 コーンフレーク オートミール
リノール酸 197.4mg 572.5mg 208.0mg 800.0mg
α―リノレン酸 7.2mg 22.4mg 12.8mg 36.8mg

引用:日本食品標準成分表2020年版(八訂)より計算

脂質には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸はエネルギーを作るために重要ですが、過剰摂取すると生活習慣病のリスクが高くなります。一方、オートミールに含まれる不飽和脂肪酸は血中コレステロール値を下げ、健康をサポートする脂質です。

不飽和脂肪酸に分類されるリノール酸について1食当たりで比較すると、オートミールは精白米よりも4倍多く含みます。同様にα―リノレン酸について1食当たりで比較すると、オートミールは精白米よりも5倍多く含みます。

リノール酸は血中コレステロール値を下げます。そして、α―リノレン酸は、血栓を解消して血液の流れを良くします。

オートミールに含まれるリノール酸とα―リノレン酸は必須脂肪酸と呼ばれ、体内では合成されないので食物から摂る必要のある脂肪酸です。オートミールをうまく補給しながら、必須脂肪酸を摂取しましょう。

まとめ

オートミールの糖質と脂質について、他の主食とも比較をしながら解説してきました。

オートミールは、精白米ごはんやコーンフレークよりも糖質量が低くエネルギーも低め。さらに、オートミールは食物繊維も多く含むので、糖質と食物繊維のバランスが優れた構成をしている食品であると言えます。

和菓子や洋菓子など甘いものを頻繁に食べる習慣のある人は糖質過剰になりやすいですから、食事の1回をオートミールに置き換えるなどして糖質量を調節していくとよいでしょう。また、脂質についても、現代人の食事は食の欧米化に伴って肉類やバターなどの飽和脂肪酸を多く摂取しがちです。

健康に良い不飽和脂肪酸の方を意識して摂取する必要があるので、特に洋食好きな方は、不飽和脂肪酸を含むオートミールを利用するのも良いでしょう。

 
   
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