さつまいもの栄養は女性に嬉しい効果ばかり【便秘解消・むくみ・ダイエット・美肌など】
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秋になると旬を迎え、おいしくなるさつまいも。芋ごはんに焼きいも、スイートポテト…食べたいですね。その一方で、さつまいもは甘くて糖質が多く、太るのでは?と、食べることに躊躇することも…。
でも、実はさつまいもには便秘解消や生活習慣予防など、私たちの健康を守ってくれる多くの栄養が含まれているのです。
執筆者:MIHO
資 格:世界中医薬学連合会認定・国際中医薬膳管理師|調理師|食育インストラクター
さつまいものカロリーと糖質
甘味があるさつまいも、少し大きめの中サイズ1/2本(約100g)で、カロリーと糖質は、焼きいもの場合、163kcal、35.5g、蒸し芋の場合で140kcal、29.9gになります。一方、ごはん1膳(150g)が252kcal、55.7gです。
多くの栄養素について、ごはんよりもさつまいもの方が多く含まれていることを考えると、とても健康的なバランスの良い食材だということがわかりますね。とはいえ、食べすぎは禁物です。おやつにはさつまいも、食事にはごはんと、上手に食べ分けましょう。
さつまいもにの栄養と期待できる効果
甘くて、まるでスイーツのようなさつまいも。いったいどのような栄養素を含み、私たちの体にどのように良いのかを見ていきましょう。
カリウムで血圧安定、むくみ解消
私たちが塩分を取り過ぎると、体は過剰な塩分濃度を薄めるために水分を増やし、体内の塩分濃度を一定に保とうとします。そのため、体がむくんだり、水分で薄まり、量が増えた血液を体内で循環させるために心臓に負担がかかり、血圧が上がったりします。
カリウムは、この取り過ぎた塩分を体外へと排せつさせる働きがあります。塩分量が正常に戻ると、むくみが解消され、血圧も安定に向かうという仕組みですね。
肌を健康に保つ
多くの果物や野菜に含まれるビタミンC。さつまいもにもしっかりと含まれています。ビタミンCは、肌や筋肉の組織であるコラーゲンの生成を担っています。
通常、ビタミンCは熱に弱いのですが、さつまいもに含まれているものはでんぷんに守られているため、加熱しても損失が少ないのが特徴です。
便秘解消
買ってきたさつまいもの切り口付近に黒っぽいタールのようなベタベタとしたものがついていたり、切った時、切り口ににじみ出てきたりする、触るとペタペタと取れにくい白い液体、これがヤラピンです。
ヤラピンは樹脂の1種で、古くから腸の蠕動運動を促し、便秘を解消する緩下材として、知られています。
便秘解消に役立つ食物繊維
さつまいもと言えば、食物繊維です。食物繊維には、体内で水分を吸収し、ゼリーのようになって便の滑りをよくする水溶性の食物繊維、同様に体内で水分を吸収し、かさが増えることによって腸壁を刺激し、便秘を解消する、不溶性食物繊維の2種類があります。
さつまいもに多く含まれているのは不溶性食物繊維で、便の量を増やして便秘解消に役立てることができます。ただし、腸の動きが悪くなっている場合はサツマイモなど不溶性食物繊維を多く取り過ぎることはやめておきましょう。
腸での停滞時間が長くなればなるほど、便の水分が腸壁から吸収され、固く排せつしにくい便になってしまいます。
小さな子どもや、冷え症・加齢などで腸の動きが鈍っている方は、焼きいもよりはふかし芋、またはみそ汁に入れるなどして、たっぷりの水分とともに取ってくださいね。
ダイエットに向いている
クロロゲン酸はポリフェノールの1種で、コーヒー豆から発見されました。
とても抗酸化作用が強く、生活習慣病予防や老化防止の役割、脂肪の蓄積を防ぐ効果があるため、ダイエットに向いているのではないかと注目されています。
また、体内で乳糖から糖を合成する糖新生という作用を抑制する働きがあり、糖尿病を予防する効果も期待されています。
目や肝臓を健やかに保つ
さつまいもにはとても種類が多く、黄色いものからオレンジ、紫色までさまざまな品種を手にすることができますね。
中でも紫芋(アヤムラサキ)にはブルーベリーや黒米と同様、青色色素のポリフェノール、アントシアニンが含まれています。
アントシアニンは抗酸化作用がとても強く、目の疲労回復にとても効果があるといわれています。
また、紫芋のアントシアニンには軽度の脂肪肝に対して、γ-GTP、GOT、GPTの値が正常レベルまで回復することが、紫芋ジュースを使用した実験で確認されており、肝機能改善効果があることが報告されています。
肌や粘膜を守る
同様に、赤みの強いさつまいもにはβカロテンが多く含まれています。βカロテンは私たちの体内でビタミンAへと変化し、皮膚や粘膜を保護して免疫力を高める働きをしています。
また、目の網膜の主成分であるドロプシンという物質を作り出すもとになり、夜盲症の予防になります。
さつまいもの品種や選び方
今やとても種類が多いさつまいも、日本では数十種類が栽培されているといわれています。さつまいもには、水分の違いから大きく分けてホクホク系とねっとり系の2種類があります。
ホクホク系のさつまいもには鳴門金時や加賀伝統野菜の1つとして数えられる五郎島金時などがあり、焼きいもや菓子、パンに向いています。
ねっとり系には、安納芋や紅あずま、シルクスイートといった品種があり、きんとんや蒸し芋などに向いています。
特徴的な色を持つものとして、白っぽい皮や中身が特徴の黄金千貫、種子島在来種の、種子島紫(むらさきいも)、オレンジ色のアヤコマチなどがあります。
さつまいもを選ぶときは皮が濃い紫色で張りがあり、見た目に反して重みがあるものがおすすめです。
また、表面に傷やシワがなく、切り口にべっとりとした密がついていたり、その密が黒く乾燥したりしているものは、甘味があるものだといわれています。
さつまいもの保存方法
さつまいもを保存するときは発芽や乾燥を防ぐために新聞紙でつつみます。南方が原産のさつまいもは、冷蔵庫の保存には向いていません。10~15度の冷暗所に置いておきます。
市販のものは大丈夫ですが、芋ほりなどで手に入れた場合は、土がついたまま新聞紙に包み、2週間程度置いておくと、追熟して甘味が増しておいしくなります。
さつまいもをおいしく食べるために
さつまいもは、70度前後の状態を長く保つことで甘味を増す性質があります。
これはさつまいもに含まれている、βアミラーゼという炭水化物を分解する酵素が、70度程度の温度で最もよく働き、でんぷんを糖化させ、甘味を引き出すからなのです。
焼きいもを作る際は、電子レンジや高温のオーブンでさっと焼くよりは、160度ほどの低めの温度のオーブンで1時間程度、じっくりと焼き上げるのが、甘くおいしく仕上げるコツですね。
便秘が気になる方には、蒸気の上がった蒸し器でじっくりと加熱する、蒸し芋もおすすめです。
また、味噌汁などで皮をむいて調理する場合、皮は捨てずにさっと水にさらしておきます。しっかりと水を切って低温の油でカリッと揚げると、おいしく食べることができますよ。
まとめ
さまざまな栄養素を含み、実はとても体によい食材であるさつまいも。寒い時に焼き芋屋さんを見つけると、ついつい手が伸びますね。
新聞紙に包まれた焼き芋をカイロ代わりに暖を取り、大切に皮をむいてかじると、お腹も体も温まり、ほっこりとする。小さなころのそんな思い出がある方も多いのではないでしょうか?
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参照PDF:機能性を持つ農林水産物・食品の開発について
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