糖質制限ダイエットを成功させる為の取り組み方と停滞期の乗り越え方も紹介◎

糖質の制限

一念発起して糖質制限ダイエットに取り組むあなたにエールを込めて、この記事を執筆します。糖質を減らすだけで本当に痩せるか、どれくらい制限すれば良いかの判断材料にしてもらえれば幸いです。糖質制限ダイエットの性質を理解して、あなたの体質と太った原因に合うかを見極めたら紹介した内容をもとに実践してみてください。

執筆者:broccolin

資 格:管理栄養士|栄養教諭一種免許|食品衛生監視員|食品衛生管理者


糖質とは

そもそも糖質とはどんな栄養素でしょうか。太る原因になることもありますが、糖質は私たちにとって欠かせない栄養素です。

エネルギーになる栄養素

生物が生きていくためにはエネルギーが必要です。エネルギーを生み出す材料になるのが炭水化物タンパク質脂質の3つで、<エネルギー産生栄養素と呼ばれます。

  • 炭水化物

    炭水化物は、単糖のグルコースにまで分解され、生命の維持や体を動かすためのエネルギーを供給します。特に通常時の脳はエネルギー源としてグルコースしか利用できません。

  • タンパク質

    タンパク質は髪や皮膚、筋肉など体の構成要素として知られています。しかし、タンパク質はアミノ酸にまで分解されてエネルギー源として利用されるという役割も持ちます。

  • 脂質

    脂質のうち、中性脂肪(トリグリセリド)はエネルギー源になります。貯蔵に適したエネルギー源なので、過剰摂取すると内臓脂肪や皮下脂肪として身に付いてしまいます

糖質は炭水化物から食物繊維を差し引いたもの

糖質と食物繊維を合わせて炭水化物と呼びます。エネルギー源として使われる糖質は炭水化物から食物繊維を差し引いたものです。

  • 糖質

    糖質とは炭水化物のうち、消化されやすいものを指します。1gあたり4kcalのエネルギーを産生することができます。

  • 食物繊維

    食物繊維とは炭水化物のうち、消化されないあるいはされにくいものを指します。ヒトは自力で食物繊維を消化できないので、腸内細菌の力を借ります。エネルギーは平均して1gあたり2kcal程度です。

GI値とGL値とは

GI値とGL値について耳にすることが増えてきました。それぞれどのような数値なのか、糖質制限ダイエットにどのように活かせば良いかを解説します。

  • GI値(グリセミック・インデックス)とは?

    食後の血糖上昇を食品ごとに数値化したものがGI値です。食物繊維が多いとGI値は低くなります。また、食品同士の組み合わせや噛む回数でもGI値は変動することが知られています。

  • GL値(グリセミック・ロード)とは?

    食事中に含まれる炭水化物の質と量を同時に示した指標をGL値と呼びます。糖質量が関係するので、食物繊維たっぷりの低GIな食事でも大量に食べればGL値は高い値を示します。

ストイックになるな【数値は目安】

低GI、低GLの食事を美味しいと感じられなければダイエットとして継続できません。また、低GI、低GL食品の摂取量が多いと、糖尿病の発症リスクを抑えられるという報告がありますが、血糖値を下げるインスリンの働きは個人差が大きいので、GI値やGL値は参考程度にし、美味しく健康的な食事を適量摂ることを意識しましょう。

糖質を摂りすぎると起こること

糖質を摂りすぎると、単に太るだけでなく健康な状態を保てなくなる場合もあります。

体重と体脂肪が増えて肥満になる

糖質の1種である単糖のグルコースを食べると、大部分はエネルギー産生に使われます。しかし、一部はグリコーゲンという貯蔵に適した物質に変わります。グリコーゲンを蓄える量にも限りがあるのでさらなる余剰分が出ると、中性脂肪に変換されて脂肪組織に蓄えられます。これにより体重と体脂肪が増加します。

血糖値が急激に上昇する

多量の糖質を食べると血糖値が急激に上昇します。血糖値の急上昇は血糖値スパイクと呼ばれ、さまざまな疾患発症のリスクになります。血糖値スパイクが起こると血管の内皮細胞から細胞を傷つける物質が発生することが明らかになりました。これにより血管が障害されて、動脈硬化などを引き起こすリスクになります。

代謝が上手くいかず神経症状が出る

糖質の代謝にはビタミンB1などのビタミン類が必要です。正常な糖質の摂取量であれば欠乏症状が現れるほどのビタミン不足にはなりませんが、糖質の量が多すぎるとビタミンの量が足りなくなってしまいます。代謝がうまく行われないと、神経症状としてイライラや倦怠感、さらに進行すると手足の痺れ、感覚障害が出ることもあります。

糖質不足で生じる不具合

糖質が不足すると、活動的な1日を送ることが難しくなります。エネルギー不足や低血糖が及ぼす体への影響について解説します。

エネルギー不足

糖質は総エネルギー摂取量の半分以上を占めます。タンパク質や脂質が極端に多い食事でない場合、糖質が少ないとエネルギーが不足しています。エネルギーが不足すると倦怠感や集中力の低下を感じることが多いです。食事から取り入れるエネルギーが足りないと体内の物質を分解してエネルギー源にします。これにより筋肉量が減少し、基礎代謝が落ちるといった弊害も生じます。

低血糖

通常の血糖値は空腹の状態で約100mg/dLです。しかし、低血糖状態では60mg/dLを下回ります。普段と異なる強い空腹感、倦怠感にはじまり、眠気や脱力を感じ、さらに重篤化すると意識がもうろうとしたりけいれんが起こったりします。低血糖状態の危険な点は、意識の低下によって転倒や交通事故を起こす可能性があることです。血糖値を正常範囲に保つためにも過激な糖質制限はやめましょう。

糖質制限ダイエット

糖質の必要性を理解したところで、糖質制限ダイエットのやり方を学んでいきましょう。

糖質制限がダイエットに効果的な人

糖質の摂取量が極端に多い人が糖質制限ダイエットに向いています。逆に、普段から糖質が足りていない人が糖質制限ダイエットを行うと先に述べたような不健康な状態になるので注意が必要です。

日本人の食事摂取基準2020年版では、摂取エネルギーのうち炭水化物で占める割合は50〜65%が目標量とされています。個人差があるので一概には言えませんが、1日3食毎回ご飯をおかわりする、麺とご飯を組み合わせた食事が多い人、甘い物を好んで食べる人は糖質の量が過剰である可能性があるので糖質制限ダイエットが適しています

糖質制限ダイエットに必要なもの

糖質制限ダイエットは独学で行うには不向きのダイエットです。しかし、体格に合ったエネルギー必要量を計算し、適正な範囲内で糖質制限を行えば健康障害が生じるリスクは減らせます。

糖質を制限したバランスの良い食事

総エネルギー摂取量のうち炭水化物が50%を占める程度の糖質制限にとどめるよう気をつけましょう。エネルギー源となる糖質が不足すると、体を構成するタンパク質が分解されて基礎代謝が下がることがあります。代謝が落ちると痩せにくくなるので、基礎代謝を落とさない食事構成を目指しましょう。

強度が中程度の運動

運動の習慣化はインスリンの効きにくさを改善することが知られています。インスリンが効きにくいと、より多くのインスリンが分泌され、脂肪を蓄積する作用も大きくなります。これを防ぐためにもジョギングなどの適度な運動を週に3回ほど行うように心がけましょう。

質の高い睡眠

質の高い睡眠は習慣的な運動と同様に自律神経を整え、代謝に関わるホルモンの分泌を適切に保ってくれます。自律神経やホルモン分泌を良好な状態にしておくことがダイエットの近道です。

糖質制限ダイエットで痩せない場合の対処法

糖質制限をしても痩せない場合、ダイエットを諦めたくなります。しかし、結果を受け止めてやり方を修正すれば努力が実ります。

食事量を見直す

食事のバランスが良くなっても、そもそも食事量が多すぎると体重は減りません。自分に必要なエネルギー量を知ることから始めましょう。

食事摂取基準をもとに考えてみる

日本人のための食事摂取基準にはエネルギー必要量の算出方法が掲載されていますが、今回はさらに簡易的に算出する方法を紹介します。体重を代入するだけの式なので今すぐ計算してみましょう。下記の式を使って算出した値と自分のエネルギー摂取量の乖離を考えて食事量を調整していきましょう。

エネルギー必要量(kcal)= 体重(kg)× 25〜35(kcal)

朝昼夕の食事量の比率を変える

食事誘発性熱産生(DIT)という消費エネルギーがあります。これは、食事を摂った後に増加するエネルギー消費量を指します。時間帯によって消費量が変わるので、DITが低い夜は少なめに、DITが高い朝は多めに食べるようにすると効率良くエネルギーを消費して痩せやすくなる可能性があります。

食事内容を工夫する

人にはそれぞれ食べ物の好みがあります。無意識のうちに太りやすい食べ物を選んで食べていることもあるので、振り返って考えてみましょう。

見えない糖質に要注意

ご飯やパンなどの主食を減らすだけが糖質制限ではありません。料理を味付けする調味料にも、お菓子にも、野菜や豆にも、清涼飲料水にも糖質が多く入っていることがあります。間食で糖質を摂っていないか、甘い飲み物を飲む癖がついていないか、調理に砂糖を使う必要があるかを今一度確認してみましょう。

アルコールでも太る

アルコールにもエネルギーがあり、純アルコール1gあたり7.1kcalです。350mLのビール1缶に純アルコールが14g含まれている場合、アルコール以外の栄養素も合わせて約150kcalになります。アルコールはどちらかと言えば糖質より脂質に近い消化のされ方をするので、余剰分は脂肪として蓄えられます。飲み物だからといってあなどれないので気をつけましょう。

食事の時間帯を意識する

夕食を早めに食べ終えて朝食を食べる朝型の食生活と朝食を食べずに夜食を食べる夜型の食生活をイメージしてみてください。なんとなく朝型の食生活の方が健康的だと思いませんか。その直感は的確で、食事時間帯によるDITへの影響を考えると、同じエネルギー量を摂取しても朝型の方が消費エネルギーが多くなるため太りにくいと考えられます。

腸の蠕動運動を促進する

腸の動きが悪く、便秘がちだと食べたものを排出できず溜め込んでしまうので、体重が減りにくいです。糖質を制限すると、食物繊維の摂取量も一緒に下がることが多いので、食物繊維を意識的に摂ることと、腸が動くように働きかけることが大切です。腸を動かすには、ストレスを減らして副交感神経を優位にすることや水分を摂って腸の動きを刺激する方法などがあります。

就寝の時間を早める

就寝時間が遅いと成長ホルモンの分泌が低下します。成長ホルモンは成長期の子どもだけでなく、大人にとっても意義のあるホルモンです。成長ホルモンの働きの1つにグルコースの取り込みを減少させるというものがあるので、分泌の多いゴールデンタイム(午後10時から午前2時)に寝るのが望ましいです。

まとめ

糖質制限はただ主食を減らすだけのダイエットではありません。過剰な糖質は食べないようにすることを第一に、必要な栄養量を摂取して基礎代謝を下げないようにし、生活習慣を見直してダイエットを成功させましょう。

 
   
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