骨の健康補助に大豆製品やサプリを摂取◎骨粗しょう症とイソフラボンの関係について!!
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高齢化社会により、関心が高まっているのが「骨粗しょう症」です。よく「骨がスカスカになる」という表現で聞くことが多いと思います。
骨が弱くなるので骨折しやすく、骨折が原因で介護につながることもよくあるので、骨粗しょう症は予防が大切です。
この記事ではイソフラボンと骨粗しょう症の関係、若い頃と更年期以降それぞれで出来る骨粗しょう症予防のコツ等について、管理栄養士が解説していきます。
執筆者:石原 恵子
資 格:管理栄養士|食品衛生監視員|食品衛生管理者|フードコーディネーター
骨粗しょう症はなぜ女性に多いのか?
骨粗しょう症は加齢によって増えてくる症状です。しかし、男性と女性を比べると女性の方が骨粗しょう症に悩む人は多く、65歳以上の女性では半数近くが骨粗しょう症を発症しています。
骨粗しょう症は自覚症状がわかりにくく、また骨量をなかなか測る機会が少ないため、気づけば骨折しやすい状態になっていることも。女性はなぜ骨粗しょう症になりやすいのでしょうか。
女性の2つの特徴
1つ目はライフサイクルの特徴です。思春期に「痩せたい」という気持ちからダイエットをする女性もおり、食事量が減って骨を作るために必要なカルシウム摂取量が少なくなることがあります。
妊娠期と授乳期には、カルシウムを体が大量に必要とします。さらに、骨の代謝には女性ホルモンが関係していますので、更年期・閉経後に女性ホルモンの分泌量が低下すると骨粗しょう症になりやすくなります。
2つ目は体格的な特徴です。男性に比べて女性は骨格が小さいです。骨格が小さいということは骨量が少なくなりがちです。
女性ホルモン分泌のピークは20代後半から30代
女性ホルモンが急上昇するのは10代前半。最も分泌量が多いのは20代30代です。35歳を過ぎると女性ホルモンは少しずつ減少していき、急減するのは45歳過ぎ。そして、閉経を迎えます。
日本女性の平均閉経は50.5歳で、更年期は「閉経前後5年」と定義されています。
女性ホルモンが減っていく理由は、卵胞が減少するからです。卵胞の数は生まれたときが1番多く、200万個ほどあります。その後徐々に減り続け、急減に減るのが30代後半。
女性ホルモンが分泌されるのは卵胞からなので、卵胞の急激な減少が始まると。女性ホルモンの分泌量が減り、骨の代謝に大きな変化を迎えるときが来ます。
女性ホルモン低下から骨密度低下へ
骨は人間の身体の中心となる重要な組織の1つ。では、その骨量のピークは何歳ぐらいなのでしょうか。また、高齢者の骨折は、小学生がスポーツ等で骨を折った場合とは違って、その後の生活や介護へと大きく影響することがあります。
ここでは、骨の役割や年齢と骨量の変化、骨折が介護状態の上位の原因になっていることについて解説していきます。
骨密度のピークは20歳前後
骨は206本からできており、カルシウムの貯蔵庫になっています。骨の役割は、身体を支え、身体を動かし、内臓を保護することです。骨の内部では、赤血球、白血球、血小板という血液の重要な成分を作り出しています。
10代前半で女性ホルモンが急上昇し、女性の骨量は20歳前後で最大のピークに達します。40歳ぐらいまではほぼ一定ですが緩やかに減少し始めます。そして、閉経を迎える50歳前後から急速に骨量が低下していきます。
骨密度が若年者平均値の70%以下に低下すると「骨粗しょう症」と診断されます。
また、骨密度が高くても骨の質が悪いと骨折しやすいので、「骨の強度が低くなり骨折しやすい状態」が骨粗しょう症とされています。
閉経後5~10年は女性ホルモン分泌低下により、急速な骨量低下が見られます。特に、。閉経直後数年間は1年間で2%から4%も骨量が低下すると言われています。
介護になった原因の第3位は骨折・転倒
骨がスカスカになる骨粗しょう症。骨折がきっかけになって、寝たきりになったり、要支援・要介護が必要となることがあります。
ここで、介護が必要となった主な原因を示したグラフを見てみましょう。2019年6月の要介護度別に分析されています。
現在の要介護度別にみた介護が必要となった主な原因(上位3位)単位(%)
現在の要介護度 | 第1位 | 第2位 | 第3位 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
総数 | 認知症 | 17.6 | 脳血管疾患 | 16.1 | 高齢による衰弱 | 12.8 |
要支援者 要支援1 要支援2 |
関節疾患 関節疾患関節疾患 |
18.9 20.3 17.5 |
高齢による衰弱 高齢による衰弱 骨折・転倒 |
16.1 17.9 14.9 |
骨折・転倒 骨折・転倒高齢による衰弱 |
14.2 13.5 14.4 |
要介護者 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 |
認知症 認知症 認知症 認知症 脳血管疾患 脳血管疾患 |
24.3 29.8 18.7 27.0 23.6 24.7 |
脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患 認知症 認知症 |
19.2 14.5 17.8 24.1 20.2 24.0 |
骨折・転倒 高齢による衰弱 骨折・転倒 骨折・転倒 骨折・転倒 高齢による衰弱 |
12.0 13.7 13.5 12.1 15.1 8.9 |
出典:厚生労働省|2019年国民生活基礎調査の概況
まず、。要支援者では「骨折・転倒」は14.2%、第3位の原因となっています。次に、要介護者では「骨折・転倒」は12.0%、第3位の原因となっています。
骨の密度が低いと骨折しやすくなるため、骨密度を高めておくことが必要であると考えられます。
丈夫な骨の健康に役立つイソフラボン
イソフラボンは、女性ホルモンが低下した更年期の生活習慣予防や美容、心理面でも大きなサポートをしてくれています。そして、骨の健康にも大きなお役立ちをしてくれています。
ここでは、女性ホルモンが骨の代謝へどう関わっているのか、そして女性ホルモン以外にも骨粗しょう症に関わりのある要因について述べていきたいと思います。
破骨細胞・骨芽細胞と女性ホルモン
骨はいつも同じように見えるかもしれませんが、骨は生きていて代謝を常に続けています。プロセスとしては、新たに骨を作ること【骨形成(こつけいせい)】と骨を溶かして壊すこと【骨吸収(こつきゅうしゅう)】を繰り返しています。
古くなった骨に「破骨細胞」がくっつき、古い骨を壊します。そしてその部分に「骨芽細胞」がくっついて、コラーゲン繊維を分泌しカルシウムが沈着します。こうして、骨は新しく作られていきます。
女性ホルモンは、骨を作る「骨芽細胞」を働かせ、骨を壊す「破骨細胞」を抑制しています。なので、女性ホルモンの分泌が多い若い時期は、骨が強いわけですね。
骨代謝のバランスを整えるイソフラボン
更年期に入り女性ホルモンの分泌が低下すると、骨を新しく作ってくれる「骨芽細胞」よりも骨を壊す「破骨細胞」の働きが上回るので、骨代謝のバランスが崩れていきます。この結果、「骨粗しょう症」が起こりやすくなります。
65歳女性の2人に1人が骨粗しょう症と言われており、日本に1000万人以上いると考えられています。
骨粗しょう症は自分では気づきにくいですが、女性ホルモンの不足は更年期以降ずっと続きますので、食生活においては女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを積極的に摂取すると良いでしょう。
女性ホルモン以外の骨密度に影響する要因
どの女性にも加齢に伴い女性ホルモンは低下するので骨粗しょう症のリスクは高くなります。女性ホルモン以外に、骨密度に関係することは次のようなことがあげられます。
若い女性 | 体重、初経年齢、カルシウム摂取量、運動歴等 |
---|---|
閉経後女性 | カルシウム吸収能の低下、運動量の低下等 |
その他、食生活では骨を作るカルシウムの吸収を助けるビタミンDの摂取不足も考えられます。ビタミンDは魚やキノコ類に多く含まれます。
食事以外でも、ビタミンDは紫外線によって皮膚で合成されるので、日光に当たる時間も考慮に入れると良いでしょう。
納豆は骨の健康サポートの強い味方
イソフラボンを摂るためには、たくさんの大豆製品があります。豆腐は料理に使いやすく、飲み物としては豆乳が便利で、味噌は調味料として日本の食卓には欠かせないもの。煮豆は小鉢料理にもできますね。
そんな中、骨の健康というところに着目したときに、特に注目してみたい食材は納豆。納豆の優れた栄養にせまっていきます。
ビタミンKは骨の健康維持に必要
納豆にはビタミンKが豊富に含まれています。脂溶性のビタミンと言えば、ビタミンA・D・Eを思い浮かべることが多いかもしれませんが、ビタミンKもとても働き者です。
ビタミンKは出血したときに血を止めたり、骨の形成にも関わっています。ビタミンDもビタミンKも骨の健康に関わりますが、以下のような働きの違いがあります。
ビタミンDの働き | ・骨にカルシウムが沈着するのを助ける ・必要に応じて骨から血液中にカルシウムを送り出す |
---|---|
ビタミンKの働き | ・骨からのカルシウムの支出を抑制する ・骨の再石化にも関わる |
ビタミンKには、緑黄色野菜に含まれるビタミンK1と微生物によって合成されるビタミンK2があります。
ビタミンK1は単一化合物です。一方、ビタミンK2は側鎖の長さによりMK-4からMK-14まで存在し、動物性食品には微量のMK-4、納豆にはMK-7が豊富に含まれています。
納豆はイソフラボンもビタミンKも含む優れた食材
納豆は大豆が主原料の発酵食品です。寒い時期に、雑菌が繁殖しにくい高温で発酵する納豆菌を利用して製造されています。納豆は大豆由来のイソフラボンとビタミンKを含み、骨の健康をサポートしてくれます。
納豆に含まれるイソフラボン量については、厚生科学研究(生活安全総合研究事業)食品中の植物エストロゲンに関する調査研究(1998)の評価書に、食品100g中の大豆イソフラボン(アグリコンとして)の量が示されています。
食品名(検体数) | 含有量(mg/100g) | 平均含有量(mg/100g) |
---|---|---|
納豆(2検体) | 65.6~81.3 | 73.5 |
1パック30gの納豆で約22mgのイソフラボンを摂取することができます。
食品安全委員会では大豆イソフラボンの安全な1日摂取目安量の上限を70~75mgと設定していますので、「今日は大豆製品をあまり食べられてないな」と感じたら夕飯で納豆を1パック足してみると良いでしょう。
尚、ビタミンKについては、血栓症の人や血液凝固剤を飲んでいる人はビタミンKの摂取量が制限されている場合がありますので、医師に相談してみましょう
骨粗しょう症予防のためにできること
骨粗しょう症は気づかないうちにすすんでいるので、自覚症状がなくてもできるだけ予防を心掛けたいものですね。若い頃と更年期になってもできる事、食事や運動について述べていきます。
若い頃に骨量をあげておく
骨密度がピークになるのは20歳前後で、それ以降は骨密度を上げることは難しくなります。なので、この最大骨量の値を高くしておくことが大切です。
10代20代は見た目を気にしてダイエットをしたり、生活に忙しく朝食を抜くことがありますが、食事からのカルシウム量が減らないようにしましょう。
しらすやひじき、ごまなどはカロリーを気にせず食べられるのでおすすめです。
更年期以降:骨量低下をできるだけゆるやかに
50歳を超えると急激に骨量が減少するので、その急カーブをできるだけカバーできるようにすることです。イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ていることから、女性ホルモンに似た働きをします。
イソフラボンと骨密度についてはたくさんの研究がされており、イソフラボンは骨を壊す破骨細胞の働きを抑制し、骨からカルシウムが出ていくことを抑える働きをしてくれます。
「健康日本21」では豆類については1日100g以上の摂取が目安とされていますが、令和元年度の国民健康・栄養調査結果からは男性も女性も6割~7割程度しか摂取できていないことがわかっています。
このことからも、更年期以降は大豆を含む豆類の摂取をさらに意識すると良いでしょう。
骨粗しょう症予防の食事・運動
骨粗しょう症予防のためには、若いころにできるだけ「骨の貯金」をしておくこと、高齢者は「転倒しない」ことが重要です。
そして、骨量が減り始めた頃の栄養と運動が大切になってきます。骨粗しょう症予防に必要な栄養と運動はどのようなものがあるのでしょうか。
骨粗しょう症予防の栄養
45歳を目安として、大豆製品をこまめに食事に取り入れていきましょう。また、骨の健康のためにはカルシウム、ビタミンD、ビタミンK、マグネシウムも必要です。
そして、骨を構成するにはコラーゲンも必要となります。コラーゲンの材料となるタンパク質、そしてコラーゲン合成を助ける鉄、ビタミンCも大切ですね。
骨粗しょう症予防の運動
栄養だけではなく、骨を強くするためには運動も大切です。ストレッチ、背筋運動、腹筋運動、日常動作、ウォーキングなどがありますので、できるものをとりいれてみると良いでしょう。
例えば、「丈夫な骨をつくる骨粗鬆症予防・改善体操」では、毎日10回ずつ行うと良い運動がイラスト付きで紹介されているので参考にしてみてはいかがでしょうか。
監修:折茂 肇(骨粗鬆症財団理事長)|丈夫な骨をつくる骨粗鬆症予防・改善体操
まとめ
イソフラボンは骨粗しょう症予防にも大切な成分です。更年期になると肌や髪の毛のツヤがなくなってきたり、イライラする心理面は比較的わかりやすいものですが、骨の老化は静かに自覚症状なく進んでいきます。
「若いころに骨量のピークを上げておくのが大事だなんて知らなかったわ~!」という方も、今からでも骨量の減りを穏やかにしていきましょう。
そのために、イソフラボンは身体に貯める事ができないので、毎日少量ずつでもこまめに摂るのがポイントです。そして、元気で活躍できる健康寿命を延ばしていきましょうね。
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著者:中村丁次|からだに効く栄養成分バイブル
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著者:石見佳子|骨粗鬆症の予防における大豆イソフラボンの生体利用性に関する研究
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参考:不二製油|大豆で健康
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