セカンドミール効果は1日の始まりに秘密あり!話題の低GI食品についても解説!
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血糖値が気になる方だけでなく、ダイエット中の方にも注目されている「血糖値のコントロール」。最近ではコンビニやスーパーでも血糖値のコントロールに着目した食品が売られています。今回は、今話題の「血糖値コントロール」について取り上げてみます。
血糖値が食後に上がるということは多くの方がご存じだと思います。糖分の多い食べ物を食べた後に血糖値が上がりやすく、上がった血糖値はインスリンというホルモンによって脂肪に変換され血糖値がさがります。
血糖値食後の血糖値の上昇・下降が早く差が激しいと、インスリンの分泌が増え変換された脂肪は体にどんどん蓄えられていきます。脂肪を蓄える働きから別名肥満ホルモンとも呼ばれます。なので、血糖値の急上昇を防ぎ、インスリンの分泌をコントロールすることがダイエットのカギだといわれるのです。
執筆者:聖 彩楓
資 格:管理栄養士|フードスペシャリスト|食物アレルギー対応食アドバイザー
食後の血糖値を抑える秘密は朝にアリ
食後の血糖値の上昇を抑えるには実は朝食が重要になってきます。
ある実験で朝食を「①食べない」「②大豆菓子」「③米菓子せんべい」の3パターンに分け、昼食後の血糖値の変動を観察しました。
すると、同じ昼食だったにも関わらず血糖値の変動には差が出て、③、①、②の順に血糖値が高く上昇していました。1番血糖値の上昇が緩やかだったのは②の大豆菓子を食べた時だったのです。
この実験結果からも最初に食べた食事が次の食後の血糖値に影響するということが分かります。これを「セカンドミール効果」といいます。
セカンドミール効果とは?
「セカンドミール」とは、最初に食べた食事がその後の食事の血糖値の上昇に影響するという効果の事で、近年、糖尿病治療中の方やダイエットをする方の間で話題になっています。
朝食に血糖値の上昇を緩やかにする食事を摂ることで昼食後も血糖値の変動を抑えることができます。血糖値の変動を抑えることでインスリンの過剰分泌を抑えることができ、脂肪の蓄積を防ぐことができます。
セカンドミールってどんなメカニズム
なぜ朝食に摂った食物繊維が昼食にも影響するのか、その理由の1つに腸から放出されるホルモンが挙げられます。
朝食で食物繊維を摂取することで腸に存在する腸内細菌が食物繊維をエサにし活発化します。すると、短鎖脂肪酸を作られ短鎖脂肪酸があると、GLP-1というホルモンが分泌されるのです。
このGLP-1は痩せホルモンとも呼ばれ、血糖値の上昇を先回りして抑制してくれるので昼食の血糖値の上昇が抑えられるのです。
低GI食は満腹感が持続する
そもそもGIとは、何か食べ物を食べたときに血糖値がどのくらい上がったか計った数値のことで、この数値が55以下の食品を「低GI食品」といいます。つまり、低GI食品は血糖値の上昇スピードが低い食品のことを指します。
ある調査で高・中GI食品と比べて、低GI食品を食べた時の方がその後の食事での摂取エネルギー量が少なく、食べ過ぎずに済んだという報告があります。これはなぜなのか見ていきましょう。
高・中GI食品を摂取した場合、血糖値が急上昇し満腹感は得られますが、すぐにインスリンが働いて血糖値が急降下し、エネルギー不足と脳が判断して、すぐにお腹が空いてしまいます。
一方低GI食品を摂取した場合、血糖値は緩やかに上昇していくためインスリンの過剰分泌を抑えられ、血糖値の下降も緩やかになり満腹感が続いて次の食事で食べ過ぎなくて済むのです。
低GI食品は血糖値の上がり下がりが緩やかになるため、満腹感が長く続き、次の食事でも食べ過ぎることを防いでくれるのです。
- 炭水化物:雑穀米、玄米、全粒粉のパン、そばなど精製度の低い食品がおすすめです。
- タンパク質:肉、魚、卵、大豆製品など多くのタンパク質は血糖値を上げにくい食品ですが、味付けによって血糖値は変動するので濃くなりすぎないように注意です。
- 食物繊維:野菜の多くは血糖値を上げにくい食品です。
セカンドミールを得る理想の朝食
セカンドミールの効果を得るためには海藻類、きのこ類、大豆製品などの食物繊維が多い食材や低GI食品を取り入れ、血糖値の上昇を抑える朝食にしましょう。
理想の朝食の例を1つ挙げると、雑穀米(120g)、みそ汁(わかめ、しめじ、豆腐)、納豆、ほうれん草のお浸しです。
バランスの良い食事とは、主食、主菜、副菜が揃っている献立になります。それぞれ気をつける点と一緒に見ていきましょう。果物、乳製品はその日の朝食を見ながら調整して摂ることがおすすめ。
主食は血糖値を上げやすい食品
主食の炭水化物は重ねたり量を摂りすぎないように注意しましょう。
その中でも、雑穀米や玄米入りのお米、全粒粉のパンは食物繊維も含まれており、血糖値の上昇が緩やかなのでおすすめです。
他にも、砂糖不使用のシリアルや芋類も取り入れるとよいです。
主菜や副菜をしっかり食べる
おかずになる主菜はほとんどがタンパク源であり、血糖値は上げにくい食品です。
味付けが濃くなりすぎるとむくみの原因になったり、血糖値も上げやすくなってしまうため、濃くなりすぎないように注意しましょう。
脂質の多い主菜もあるのでダイエット効果を高めたい場合は焼き、蒸し調理など脂質のすくない主菜を選びましょう。卵や焼き魚、納豆などがおすすめです。
副菜の野菜は食物繊維が多く積極的に摂っていただきたい食材です。
1食あたり120gが目安となっており、生野菜にすると両手1杯分に相当するため、茹でてカサを減らした方が食べやすいです。
時々、野菜ジュースで補う方もいます。野菜ジュースでもビタミンなどの栄養素は補充できますが、血糖値の面から見ると野菜ジュースに頼るのはおすすめできません。
最近では冷凍野菜もあるので、そちらを活用すると便利です。
果物や乳製品で注意すること
朝食で果物を食べるという方は主食の量を減らすことをおすすめします。どちらも血糖値を上げやすい食品になるのでバランスをみて調整しましょう。
乳製品はダイエット効果を高めるなら無脂肪や低脂肪がおすすめです。そのほか、無糖ヨーグルトやチーズなどもありますが、脂質が高めなので、量を摂りすぎないようにしましょう。
手間要らずの朝食メニュー5選
朝食が大切とお話ししましたが、忙しい日に凝った料理を作るのは困難です。そこで簡単にできる朝食を紹介します。
主食・主菜・副菜を揃え、主食はGIや量を意識するとセカンドミール効果を得られる朝食が出来上がります。
- 雑穀米、インスタントみそ汁(わかめ追加)、納豆
- 玄米の卵かけご飯(トッピング:のり、ねぎ)、冷凍野菜(ブロッコリーなど)
- 全粒粉パンのオープンサンド(全粒粉のパン、カットキャベツ、ハム)
- ブランパン、カットレタスサラダ、ゆで卵
- さつま芋、無糖ヨーグルト、りんご
精製度の低いご飯やパンがオススメですが、雑穀米や玄米を取り入れるのが難しい方は精白米を少なめにし、副菜を少し多めにするとセカンドミール効果を得られます。
小腹減った時も低GI食品を心がける
「お腹が空いた。」と感じる状態というのは血糖値が下がった状態が続き、脳がエネルギー不足と判断して食事を食べようという信号を出している状態です。
この低血糖状態の時に血糖値を上げやすい高GI食品を摂取するとどうなるでしょう。
血糖値は急上昇し、体は血糖値の急上昇を感知して下げようとインスリンを大量に放出します。その結果、血糖値は急低下し食べているにもかかわらず、また空腹感を感じてしまうのです。
空腹で血糖値が下がっているときこそ、低GI食品を選び血糖値を緩やかに上げることが空腹を満たすためには重要だと言えます。また、血糖値を一定に保つという面でも低GIの間食はおすすめです。
1日を通して血糖値の変動を小さくすることはダイエットを行う上でも良い効果をもたらしてくれます。
高GIの間食は血糖値を上げ過ぎてしまい、インスリンの過剰分泌を招きますが、低GIの間食は緩やかに血糖値が上昇、下降していくのでインスリンの分泌を抑えるほかに、次の食事の量を減らしてくれる効果があります。
コンビニで買える低GI食品
24時間空いているコンビニは忙しい時のご飯や、小腹が空いたときにふらっとよるのに便利です。そんなコンビニで売っている低GI食品を紹介します。
低GIの食品であり、ダイエット中に積極的に食べたい食品である野菜は、サラダやカット野菜として買うことができます。
サラダにもポテトサラダがのっていたり、海藻サラダだったりと種類が豊富です。基本的に野菜は低GIなのですが、ポテトサラダやコーンは他の野菜に比べて糖質が高くなっています。
ポテトサラダのみのサラダではなく、レタスやキャベツなど他の野菜と一緒になっている物を選びましょう。
ごはん類の低GI食品では雑穀米のおにぎりや、全粒粉のパン、そばが挙げられます。精製されたお米等と比較し、食物繊維が豊富で血糖値を上げにくくなっていますが、糖質であることに変わりはありませんので、食べ過ぎには注意しましょう。
おかず類ではサラダチキン、煮卵、豆腐、だし巻き卵などがおすすめです。タンパク質の多い食品は比較的血糖値を上げにくい食品ではありますが、コンビニは味付けがしっかりしている物が多い為、調味料で血糖値上昇を招く可能性があります。
また、揚げ物になると衣の小麦粉で血糖値が上昇しやすくなったり、油が多くエネルギー量が高くなりやすいのでダイエット中は避けた方が無難です。
お茶や無糖のコーヒーなども血糖値は上げないので安心して飲むことができます。
コンビニで買える低GIおやつ
食事の後に甘い物が欲しくなる!間食する習慣がなかなか変えられない。という方は内容の見直しもおすすめです。最近では「低GI」と表記されているおやつも売られており、選びやすくなっていると思います。
大豆菓子
最近は色々な種類、味の大豆菓子が出ています。大豆は食物繊維も豊富でダイエット向けの食品なのでおやつを食べたいときには大豆菓子を選ぶと良いです。タンパク質が強化された物や満腹感が得られるおやつも売られているので、飽きずに楽しめそうですね。
ハイカカオチョコレート
チョコレートと聞くと、甘くて血糖値を上げそうと思いますが、ハイカカオは別です。カカオ自体は血糖値を上げにくい食品であり、砂糖の負荷量が少ないハイカカオチョコレートほど血糖値への影響は少ないです。
無糖ヨーグルト
ヨーグルトも血糖値を上げにくい食品の1つです。ですが、甘いヨーグルトは砂糖が多く血糖値を上げやすくしてしまう為種類には注意です。果物入りの物もありますがシロップ漬けにされた物が多いので、無糖のヨーグルトに買ってきた生果物を混ぜて食べるのがおすすめです。
ナッツ類
アーモンドやピーナッツなどのナッツ類も血糖値を上げにくい食品になります。塩分が付加された物でも血糖値への影響はさほど変わりませんが、むくみにつながるので無塩タイプがおすすめです。ナッツ類は脂肪分が多くカロリーが高めなので食べ過ぎないように注意しましょう。
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甘い物が食べたい時は果物
コンビニで買える低GIおやつを紹介しましたが、甘い物がほしい時には果物もおすすめです。
血糖値は「糖」を摂取すると上昇しますが、糖には白糖に含まれるショ糖やブドウ糖、果物に含まれる果糖などいくつかの種類があり、糖の種類によっても血糖値への影響が異なってきます。
今挙げた糖の中でも「果糖」はショ糖やブドウ糖に比べ血糖値を上げにくい糖質になります。なので甘い物が食べたくなった時は、お菓子やケーキではなく、果物を選びましょう。
また、果物には食物繊維やビタミンが豊富で、野菜と異なり生食しやすいのでビタミンを失う事なく摂取できます。缶詰めやドライフルーツも果物ですが、砂糖が加えられていたり、ビタミンやミネラルが失われている事が多いので果物は生を選ぶ方が血糖値にも良いです。
果物の1日の目安量は果物の種類にもよりますが、その都度調べるのは大変ですので、だいたい手の平1杯分と覚えてください。
1度に1日分食べるより、2回に分けて半分ずつ食べた方が血糖値は上がりにくいです。ですので1回量はこれの半分になります。1日2回に分けられそうな方は分けて楽しんでください。
血糖値の上昇を防ぐためできること
血糖値を上げにくい食品を紹介しましたが、毎食血糖値に気を遣った食事を食べるのは難しいです。血糖値は食べ方や組み合わせによっても変動するものです。できそうなものがあったらチャレンジしてみてください。
野菜→タンパク質→糖質の順に食べる
「ベジファースト」という言葉を聞いたことはありますか?ベジファーストとは、野菜から先に食べる事を勧めた言葉で、食べ過ぎ防止の効果や血糖値の上昇抑制効果から健康な食べ方として流行りました。
効果の1つである血糖値上昇抑制効果をさらに高める食べ方が野菜⇒タンパク質⇒糖質の順番です。
血糖値を上げにくいものから食べるというもので、野菜は食物繊維が豊富で、その後に入ってくる栄養素の吸収を阻害してくれる働きがあるため血糖値が急激に上がりにくくなります。タンパク質そのものはさほど血糖値を上げないため、野菜の次に食べます。
このとき、タンパク質となるおかずの味付けが濃かったり、甘味の多い調味料を使用していると血糖値上昇につながるため注意です。そして、最後に糖質を食べます。野菜で吸収が阻害され、タンパク質で徐々に血糖値が上がってきているため、急激な血糖値の上昇を抑えることができるのです。
血糖値の上昇抑制効果を充分に得るためには、野菜を食事の30分前に摂らないといけない等の報告もあり、意味が無いという方もいますが野菜から食べる効果は他にもあるため、実践して損はないです。
例を挙げると、最初に野菜やおかずを食べるため、糖質を食べる頃にはお腹が満たされ食べるスピードがゆっくりになっていたり、満腹になり糖質の量が減ることで血糖値の上昇が抑えられるという効果も期待できます。
食事にお酢を組み合わせる
お酢は健康に良いとよく聞くので、食事にお酢をプラスしている人もいると思います。お酢には血糖値や血圧を下げる効果があると言われています。
酢に含まれている酢酸には食べたご飯を胃から腸に送る時間をゆっくりにする作用があり、それによって血糖値の変化が緩やかになります。おすすめの摂取の仕方は、大さじ1杯を食事と一緒に摂ることです。
まとめ
今回はセカンドミール効果についてお話していきました。朝食で食べた内容によってその後の食事の血糖値の上がりやすさが変わるとは驚きですよね。昼食はお仕事などで食事に時間をかけられない方も、朝食を工夫して血糖値を抑えましょう。
朝食では低GIで食物繊維の多い食品を摂り、血糖値の変動を小さくしましょう。低GI食品を摂取すると、次の食後の血糖値の変動を抑えるだけでなく、満腹感を持続させる働きもあるため、食べ過ぎも防止させてくれます。
おすすめの冷凍宅配弁当4サービスを比較
食事宅配サービスは料理を作ることが苦手な方だけが利用するサービスではなくなってきています。
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