玄米の健康効果で「体調維持」や「ダイエット」に役立てる方法を解説!!

炊き立ての玄米

玄米の方が白米よりヘルシーで食べれば痩せる、そんなイメージを持っていませんか?なぜ玄米を食べると太りにくいのか、玄米の栄養素のうち何がダイエットに効果的なのかを知って健康的な体づくりに役立てたいですよね。

玄米を食べると、体に良いことが起こりますが、体調が悪い時に食べるとさらに体を悪くすることもあります。
今回の記事で玄米について知り、体質や体調に合う食べ方を実践してみましょう。

執筆者:broccolin

資 格:管理栄養士


玄米の基本を知ろう

玄米は玄(くろ)い米と書きます。稲から採った籾を精米して玄米や白米はできますが、玄米と白米の間には異なる点がいくつかあるので、玄米の作り方や栄養成分、発芽玄米や他の精白米との違いについて考えてみましょう。

玄米とは何か

稲は刈り取られた後、籾、玄米、精白米という順で食べやすいように削られていきます。籾から籾殻を取り除くいたものが玄米です。精白米は完全精白米、七分づき米、半つき米、胚芽米のようにさらに細かく分けられます。私たちが普段食べている白米は完全精白米です。玄米から糠と胚芽を取り除くと白米になります。

玄米に含まれる栄養成分はどれくらい?

米の栄養成分は、炭水化物が最も多く、水分、タンパク質、脂質、ミネラルと続きます。それでは玄米の栄養価をみていきましょう。まず、エネルギーは茶碗一杯のご飯150グラムあたり228キロカロリーです。炭水化物は53.4グラム、タンパク質は4.2グラム、脂質は1.5グラム、ミネラルは0.9グラム含まれます。炭水化物がしっかり含まれているように感じますが、その内訳は糖質51. 3グラム、食物繊維2.1グラムです。食物繊維の多さが他の米と比べた時の特徴になります。

玄米、発芽玄米、精白米の違い

食物繊維の多さが特徴だと述べましたが、下表を見ながら玄米と精白米、発芽玄米の違いを考えてみましょう。エネルギーは3種類の米で大きな差が見られませんでした。しかし、食物繊維は精白米と比べて玄米と発芽玄米が4~5倍の含有量の多さだと分かりました。

また、タンパク質も玄米と発芽玄米がわずかに多いため、代謝を維持したいときは精白米ではなく玄米を選ぶと良いです。玄米と発芽玄米の脂質とミネラルは精白米の3~4倍多く含まれます。サプリ代わりに玄米から良質な脂質とミネラルを摂取できるのが嬉しいですね。

茶碗1杯(150g)の栄養
精白米 玄米 発芽玄米
エネルギー 234 228 242
炭水化物 55.7 53.4 52.5
糖質 55.2 51.3 49.8
食物繊維 0.5 2.1 2.7
タンパク質 3.8 4.2 4.5
脂質 0.5 1.5 2.1
ミネラル 0.2 0.9 0.8

玄米ダイエットを成功させるには

玄米を食べて痩せるにはどうしたらよいでしょうか。引き締まった体にたどり着くために、まずは体重や体脂肪が増える原因を振り返りましょう。そして、太る原因を解消するために効果が期待できる玄米の栄養成分は何かを考えます。

そもそも太る原因は何?

減量の難しさとは裏腹に、体重の増減の仕組みはとてもシンプルです。
「体に取り入れたエネルギー」と「体内で消費したエネルギー」の差がプラスであれば体重が増える、マイナスであれば体重は減ります。

現在、自分の体重が過剰だと思っている人は、取り入れたエネルギーが多いか、消費するエネルギーが少ないか、またはその両方が当てはまるのではないでしょうか。
ダイエットに挑戦するにあたり、このシンプルな原理を知って、食事量をコントロールしたり運動したりすれば理想の体型を手に入れられます。

玄米に含まれる栄養素がダイエットにどう役立つのか

玄米は、食事量のコントロールとエネルギー消費の双方をダイエットに適した方向へ導きます。
まず、白米より玄米に多く含まれる食物繊維です。食事量をコントロールするには満腹感を持続させる方法を考える必要があります。食後血糖値が上がっている間は満腹を感じますが、インスリンの働きで血糖値が低下すると満腹感は薄れます。血糖値の変化が緩やかになれば、もっと食べたいという衝動を抑えられます。

ビタミンB1も白米より玄米に多く含まれるビタミンです。ビタミンB1はエネルギー代謝を促すので、効率よく取り入れたエネルギーを使えるよう手助けしてくれます。玄米を食べると、太る原因に両方向からアプローチできますね。


玄米食で免疫を強化する

ダイエットしたら風邪をひきやすくなった、体重が減って体が弱くなった、そんな経験をした人もいるのではないでしょうか。
免疫を高める食品は巷に溢れていますが、玄米もそのうちの1つです。免疫とは何か、玄米を食べるとなぜ免疫を強くできるかをここでは考えます。

免疫とは

免疫とは、感染症に対して抵抗性を示す能力を指します。
体の外から入ってきた異物や病原体が体内で増殖しないように、また早く体外へ排出できるように働いてくれるのが免疫です。

免疫の働きが低下すると感染症にかかりやすくなりますが、重篤な病気だけでなく、風邪をひく、肌が弱くなるなどの身近なトラブルも起こるようになります。
免疫の強化に玄米の栄養成分がどう役立つかをみていきましょう。

食物繊維と腸の関係

免疫に働くリンパ球は、血液やリンパ液中だけでなく、リンパ器官と呼ばれる場所に濃縮されて存在します。そのリンパ器官の1つが小腸のパイエル板です。
病原体が入ってきた部分とリンパ器官の両方で免疫細胞が活性化することで、侵入してきた病原体を排除します。つまり、免疫力を高めるには腸で免疫細胞が活性化しやすい環境を作っておかなければなりません。

また、腸内細菌叢(腸内フローラ)は免疫機能と相互作用を持っています。腸の粘膜に存在する免疫細胞と腸内細菌との間でうまくやりとりが行われれば、免疫を強化したり炎症を抑えたりできます。
腸内細菌叢を良い状態に保つ、あるいは育てるために必要なのが腸内細菌の餌となる食物繊維です。腸内細菌とその餌はそれぞれプロバイオティクス、プレバイオティクスと呼ばれることもあります。

玄米を食べて予防できる病気

ダイエットや免疫強化に玄米が役立つことが分かりましたが、その他にどのような病気に対して予防効果があるか知りましょう。
食物繊維、ミネラル、ビタミン、脂質、アミノ酸という5つの観点からみてみます。

食物繊維でがんを予防

イギリスの研究者が行ったシステマティックレビューとメタアナリシスによると、穀物や全粒粉から摂取した食物繊維の量と大腸がんのリスク低減は関連することが分かっています。また、食物繊維の摂取量が多ければ乳がんのリスクが低くなるということも明らかです。

ミネラルで体の機能を調節

鉄、マグネシウム、マンガン、亜鉛など玄米に多く含まれるミネラルは体の機能を保つために重要な役割を担います。
鉄は貧血の予防、マグネシウムは血液凝固や筋肉の収縮と骨の形成、マンガンはエネルギー産生と抗酸化機能の補助、亜鉛は体の中で起こる化学反応の促進に役立ちます。
特定の病気を予防するだけでなく、玄米を食べることで体の機能をケアできると嬉しいですね。

ビタミンB1で神経障害を予防

生活習慣病の予防効果は現段階では明らかになっていませんが、欠乏すると、脳や神経の障害、エネルギー産生不足による食欲不振、疲労、だるさなどの症状が現れるので、玄米を食べると神経障害の予防や寝ても取れない疲労感の改善を見込めます。

脂質の一種γ-オリザノールで脂質異常症を予防

γ-オリザノールは抗酸化物質として有名なビタミンEより高い抗酸化活性を持ちます。GABAと同様に白米よりも玄米、玄米よりも発芽玄米から多く摂取できる物質です。
血液中の非善玉コレステロールと中性脂肪を少なくする効果があるため、脂質異常症への予防効果を期待できます。

アミノ酸の一種GABAで生活習慣病を予防

白米から摂取しづらいGABAは玄米から取り入れることができますが、玄米を発芽させるとさらに多い量のGABAを採ることが可能です。GABAには血管強化、インスリン分泌調整、血中コレステロールの増加抑制、情緒不安定を和らげる、脳卒中を改善する、肝機能と腎機能を強化する、アルコールが関わる慢性疾患の予防に効果があると岐阜大学の研究者らが明らかにしています。

おすすめの玄米調理方法と食べ合わせ

玄米に含まれる栄養素の良さが分かると早く玄米を食べたくなりますね。
調理が難しく手間もかかると思われがちな玄米ですが、美味しく食べる方法だけでなく手軽に食べられる方法もあります。基本の炊飯と食べ方について学びましょう。

美味しい玄米の炊き方

まず、たっぷりの水で玄米を洗います。次に洗米した玄米の水を切り、表面に傷をつけて給水しやすくなるようゴシゴシと磨きます。その後、2~3回すすいで浮いている薄皮がなくなれば米とぎの完了です。
炊飯する水の量は、玄米コースがある炊飯器ならその線に合わせてください。

玄米コースがない炊飯器を使う場合は白米の線より1割多くします。ガスなど火力で炊く場合は白米の3~4割増の水量にしましょう。
炊飯前の浸水は炊飯器に玄米コースがあるかどうかで変わります。玄米コースがあれば浸水の必要はありません。玄米コースがなければ、半日程度浸水してから炊飯するのがおすすめです。

相乗効果を期待できる食べ合わせ、NG食べ合わせ

食物繊維による免疫強化をブーストするには、善玉の腸内細菌を増やす発酵食品を一緒に食べることがおすすめです。玄米ご飯に味噌汁をつければ日常的に相乗効果を得られます。
玄米の数少ない短所の1つは、他の栄養素の吸収を妨げる物質を含むことです。
フィチン酸は鉄をはじめとするミネラルの吸収を阻害する物質です。貧血気味や生理の際は玄米を控えて鉄を多く含む他の食品を食べると体の調子を整えられます。

どれくらいの量の玄米をどんな頻度で食べれば良いか、食べてはいけない場合

玄米の味や調理に慣れるまでは、1日1食から取り入れるのがおすすめです。食物繊維が不足した状態で玄米を大量に食べると、食物繊維働きにより、腹痛や下痢、胃もたれを起こすことがあります。少ない量から食べ始めて、徐々に3食玄米に移行すると無理がありません。朝食がグラノーラ派の人には玄米フレークもおすすめです。

消化に時間がかかるのは痩せたい人にとって好都合ですが、風邪気味など体が弱っているときに玄米を食べると消化不良を起こします。そんなときは玄米を食べないかお粥やスープにして食べると体に優しいです。

まとめ

玄米には食物繊維、タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミンが白米より多く含まれることが分かっています。
生活習慣病の予防効果が期待できる食物繊維、各種ミネラル、ビタミン類、GABA、γ-オリザノールなど白米を中心とした普段の食事から採り入れにくい栄養素を玄米や発芽玄米からは簡単に効率良く食べられます。

健康を維持したい、優れない体調を改善したいという人に玄米はぴったりの主食です。ぜひ継続して玄米を食べて、玄米食の健康効果を実感してみてください。

 

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