管理栄養士の考え

管理栄養士が健康を考えた食事|意識して摂りたい食材や我慢したい食材

病院管理栄養士として臨床栄養・予防医療に長く勤めてきました。病気の患者さん・病気の予備軍の患者さんへの食教育をしてきた経験を活かし、この記事では病院管理栄養士が自らの健康増進・健康維持の為に推進している体にいい食事をご紹介します。

体にいい食事方法

「体にいい食事方法」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。「腹8分目を心がける」「油や塩分は摂りすぎない」「野菜をたくさん食べる」など、様々なことが頭に思い浮かぶことでしょう。個人の体系や健康状態・持病などにより1番大切なことや制限する食材・摂るべき食材は違いますが、基盤になる食事方法はやはり「毎食バランスよく食べる」ことです。

人の身体は食べたものを消化吸収し、エネルギーとして利用し生命活動を行います。皆さんは「五大栄養素」という言葉をご存知でしょうか。「五大栄養素」とは、炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルのことで、健康を維持するためにはこの五大栄養素を過不足なく適量摂ることが大切で、不必要な栄養素は一つとしてありません。

適量の食事とは

適量の食事を正しく把握するためには、厚生労働省の発行する「日本人の食事摂取基準」を元にし、自分の体系や活動量に見合った個々の栄養素の量を導き出すことが必要です。さらにその必要栄養素を毎日摂るためには、具体的な食事計画(献立)を作成し、栄養価計算をして食事の検討を行うことが必要です。施設では管理栄養士によって、個々に必要な栄養量が設定され、献立作成や栄養価計算が行われているので、適量の食事を毎日摂ることができます。

家庭で上記のことを実践することは管理栄養士の私にとっても至難の業です。家庭において具体的な食事計画が組まれることは稀で、残り物を食べたり急な外食をしたりすることもあるでしょうし、栄養価計算をしている家庭はほぼゼロに等しいのではないでしょうか。

家庭においての健康維持・健康増進するための適量の食事とは1週間平均すればだいたい必要な栄養素は摂れている状態にすることが大切です。そのために、毎食、主食・主菜・副菜を取り揃え、食事は腹8分目とし、バランスの悪い食事が続かないように配慮することが必要です。例えば、野菜抜きの食事の次の食事では意識して野菜をたくさん摂るようにするなどです。

積極的に摂りたい食材

忙しい毎日の中、不足しがちな栄養素を簡単に補える食材をご紹介・毎食、主食・主菜・副菜を取り揃えることはなかなか難しいのではないでしょうか。不足しがちな栄養を手軽に補える食材を取り入れることで、手軽に栄養バランスを整えることができます。栄養補給のために取り入れたい食材についてご紹介いたします。

果物

果物はビタミン・ミネラル・食物繊維が手軽に補えます。特にドライフルーツは食物繊維が多く腸内環境を整えてくれる働きがありますし、鉄分も豊富ですので、甘い洋菓子や和菓子よりずっと健康的です。朝食にも、果物やグラノーラをプラスすることで、不足しがちな栄養素を補うことができます。

ナッツ

ナッツにもビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富で、栄養補給に最適です。手軽に栄養を補えることに加え、噛みごたえがあるため少量で空腹感を満たすことができます。

小魚

小魚は手軽にカルシウムを補うことができます。少しお菓子が食べたい時にも、小魚入りのものを選んだり、ご飯にはお漬物の代わりにしらすを乗せるたりすることでよりカルシウムを補給することが可能になります。

ヨーグルト・牛乳・豆乳・ココア

お風呂上りの水分補給や、朝食の飲み物、のどが渇いたときにジュースよりヨーグルトや牛乳・豆乳・ココアを選ぶことで、カルシウムや鉄分、食物繊維などの補給ができます。飲み物は出先でも手に入りますので、気づいたときにすぐに補給できます。

よく誤った事例

現代では脂質制限・糖質制限などという言葉が独り歩きし、極端にそれらの栄養素を制限する食事術がメディアなどでもよく取り上げられています。それらの食事術は長期間続けると栄養素の不足につながります。

人の細胞膜は脂質によって構成されていますし、人の脳の6割以上は脂質で構成されています。さらに脂質は体温の調節や肌や髪のうるおいの維持のためにも必要不可欠ですし、ビタミンD・Eなどの脂溶性ビタミンの吸収は脂質があることで促されます。極端に脂質を制限し脂質不足の状態になると、細胞膜は壊れ、集中力はなくなり、肌や髪はパサついてしまうことでしょう。

先に述べた五大栄養素は全て人の生命活動に必要な栄養素です。どれも欠かすことはできません。極端に一つの栄養素を制限し、一つの栄養素を過剰に摂ることは、栄養バランス崩壊の原因となります。栄養バランスが崩壊すると健康維持や健康増進は難しくなります。極端な制限はせず、まんべんなくたくさんの種類の食材を摂ることが理想的です。

控えている食材

なるべく控えたい食材

前項で極端な栄養素の制限は避けるべきと述べましたが、過剰摂取に注意が必要な食材はたくさんあります。

汁物・麺類・漬物・加工品などの塩蔵食品

汁物1杯に約1g、ラーメン1杯に約3g、梅干し1個に約2g、あじの干物1枚に約2gとこれらの食材には保存や調味のために多量の塩分が含まれています。塩分の過剰摂取は高血圧などの原因になる場合がありますので注意が必要です。

揚げ物・スナック菓子などの多脂食品

フライや天ぷらなどの調理法は衣の中に多量の油が含まれています。また、スナック菓子も吸油率が高く食品全体に油がたっぷりと含まれています。これらの食品を摂りすぎるとは脂質の過剰摂取につながります。脂質の過剰は動脈硬化の原因になる場合がありますので、健康維持のためには避けるべきです。

清涼飲料水などの多糖食品

清涼飲料水は思った以上にたくさんの糖分が含まれています。特に炭酸飲料は甘味を感じにくいですが、500mlに角砂糖10個分以上の砂糖(40~60g)が含まれています。スポーツドリンクも体に良いイメージですが500mlに角砂糖5個分以上の砂糖(20~30g)が含まれています。清涼飲料水の摂りすぎは糖分の過剰につながります。糖分の過剰は肥満や内臓脂肪の蓄積などの原因になり兼ねないので注意が必要です。

極端な制限と同じように過剰摂取も栄養バランス崩壊の原因になりますので、上記の食材は続けて摂ることがないよう配慮が必要だといえます。

まとめ

食事による栄養素の摂取は、人の生命活動維持のために必要不可欠なことです。しかし、食事は人のQOL(生活の質)の向上のために欠かせない楽しみでもあります。
毎食、バランスよく適量の食事を摂ることはとても大切なことですが、そればかりに気が取られ食事がストレスになってしまっては元も子もありません。食事は習慣であり人それぞれこだわりもありますし、食習慣を変えることは容易ではありません。
今回の記事で述べた健康維持・健康増進のための理想的な食事を頭に入れつつ、楽しみの部分がなくなってしまわないよう、折り合いをつけた食習慣にすることが最も重要だと言えます。

                       

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