噂の「ベジブロス」!!野菜出汁【栄養抜群】のメリットと作り方を管理栄養士が解説!!

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野菜くず

野菜を料理する際に出る野菜くず、実は栄養の宝庫だったということをご存じでしょうか?この記事では、そんな栄養素を無駄にすることなく、まさに一物全体を頂くことができるベジブロスのメリットや作り方をご紹介します。

執筆者:MIHO

資 格:世界中医薬学連合会認定・国際中医薬膳管理師|調理師|食育インストラクター


ベジブロスとは?

ベジブロスをご存知ですか?これは、ベジタブル・ブロスという言葉の略で、野菜の出汁という意味なのです。

和食ならかつおや昆布の出汁、洋風なら牛すね肉を贅沢に利用したブイヨン、中華なら鶏がらスープが有名ですが、このベジブロスは、普段私たちが調理の際に捨ててしまっている野菜の皮やヘタ、種の部分、いわゆる野菜くずを煮出して作ります。

捨てるところで作るの?と侮るなかれ、皮や種、ヘタには多くの栄養素やうまみ、酵素など、私たちの体にとってうれしい成分がしっかりと詰まっているのです。そんな大切な栄養の宝庫、野菜くずを上手に煮出して作るベジブロスは、さまざまな料理をワンランク上の味にしあげてくれますよ。

ベジブロスの効果とは

野菜の皮の部分には、昆虫や動物から身を守るためのポリフェノール成分、ファイトケミカルや水溶性の食物繊維が多く含まれています。また、私たちの腸内環境改善に効果的なペクチン、ビタミン類も豊富に含まれています。

植物の栄養素は細胞壁という壁に守られているのですが、煮込むことでこの壁が壊れ、栄養素がスープに溶けだして、上手に取り込むことができるようになります。では、実際どのような効果が期待できるのかを、確認してみましょう。

ファイトケミカルの最も期待されている健康への効果は、抗酸化力です。呼吸で取り込まれた酸素の一部は活性酸素やフリーラジカルという、体内の成分と反応しやすい状態になります。

活性酸素やフリーラジカルは、タンパク質と反応してその機能を損なったり、脂質を酸化して過酸化脂質を生じさせたり、遺伝子の損傷を引き起こしたりすることで、老化、がん、動脈硬化、生活習慣病などの原因となると考えられています

体内にも、活性酸素やフリーラジカルによる酸化を防止するメカニズムがありますが、抗酸化物質を摂取することで、酸化を防ぎ、老化やさまざまな病気のリスクを低下させることが期待されています。

ファイトケミカル(phytochemical)とは、植物が紫外線や昆虫など、植物にとって有害なものから体を守るために作りだされた色素や香り、辛味、ネバネバなどの成分のことです。ファイトケミカルは必須栄養素ではないものの、体にとって良い作用をするため、健康を維持するためにはぜひ摂取したい重要な成分であることが明らかになってきています。

L抗酸化作用

ストレスや喫煙、紫外線、また、疲労や加工食品の摂取などで、私たちの体内には「活性酸素」という、さまざまな疾患の原因になる物質が発生しています。

野菜の皮に多く含まれるビタミンA、C、E、また、ファイトケミカルの一種であるアントシアニンや、ケルセチンなどは抗酸化作用が認められ、活性酸素の除去に効果的です。

L免疫力を高める作用

ベジブロスを作るときにつかう野菜の皮には、多くの栄養素とともにペクチンなどの水溶性食物繊維も溶け出しています。

腸内細菌であるビフィズス菌やクロストリジウム菌が食物繊維を分解、吸収して作り出す「酪酸」という物質が、免疫力をコントロールするTレグという成分を増やすことで、私たちの健康を司ってくれるのです。

L抗がん作用も期待できる

アメリカ国立がん研究所が発表したがん予防効果があるとされるデザイナーフーズには、にんにくやキャベツ、にんじん、ブロッコリーなど、私たちも簡単に入手できる野菜が数多く選ばれています。

これらの野菜にはがんを予防する効果があるというポリフェノールが多く含まれていて、それを無駄にしないのがベジブロスなのです。

栄養満点のベジブロス、捨てている部分の栄養を有効活用

野菜の皮には、外敵から身を守るためにさまざまな種類のファイトケミカルが含まれています。種は、今から新しい命として発芽し、成長していく力が、茎の部分には新たな葉や花を展開していくために必要な栄養素が秘められています。

さまざまなポリフェノールやビタミン類、タンパク質、食物繊維、良質の植物性脂質…今まで捨ててしまっていた部分にこそ、たくさんの栄養が含まれているのですね。

ベジブロスに使用する野菜の向き・不向き

多くの栄養素を手軽にとることができるベジブロスですが、利用するのに向いているものといないものがあります。

ベジブロスに向いている野菜 にんじんの皮、かぼちゃのワタ、種、白菜の芯、豆類の鬼皮、れんこんの皮・節、
トウモロコシの皮・芯・ひげ、リンゴやナシの皮、軸
ベジブロスに向かない野菜・注意が必要な野菜 じゃがいも、ほうれん草、香味野菜類、ゴーヤ、大根の皮

じゃがいも

でんぷんが多く甘みが出るが、腐りやすくなる。芽や緑色に変化した皮の部分にはソラニンという毒があるので利用しない。

ほうれん草

シュウ酸が含まれているので、下茹でしてから利用する。

香味野菜類

味や香りが強く、適量ならアクセントになるが入れ過ぎに注意。

ゴーヤ

苦みが強いのでごく少量に。

大根の皮

苦みや独特の香りが強く出ることがあるので量を加減する。

ベジブロスの作り方(野菜の洗い方)

葉物野菜は大きなボールに入れて水につけ、土などを振り洗いします。根野菜はたわしなどを使ってしっかりと土を落とし、じゃがいもは芽を取り除きますしょう。

調理で出てきた野菜くずは水を切り、ファスナー付きの保存袋などで一定量溜まるまで冷凍保存しておきます。冷凍することにより、野菜の持つ水分が膨張して細胞壁が壊れるので、野菜の栄養がより溶出しやすくなります。

冷蔵保存と冷凍保存の保存について(保存方法や保存期間など)

数日かけて溜めた野菜くずを使って作るベジブロス、一度には使い切れないこともありますね。せっかく作った栄養もたっぷりの出汁ですから、大切にいただきましょう。

ベジブロスは清潔な保存容器に入れ、冷蔵で2~3日、冷凍で2週間程度を目安に保存できます。

少量ずつ利用するなら製氷皿を、まとめて利用する予定がある場合はファスナー付きの保存袋に入れて冷凍します。冷凍するとかさが増えるので、容器に入れる量は8分目を目安にします。

水をベジブロスに変えるだけで栄養抜群

普段つくっているみそ汁は、煮干しや昆布だしを利用しておられますか?顆粒出汁を利用しておられる方もあることでしょう。これらの出汁を水に入れて使うところを、ベジブロスを利用して作ってみてください。

通常の方法で作ったみそ汁ももちろんおいしいことと思いますが、ベジブロスを利用すると、栄養はもちろん、ワンランク上の、奥深い味に仕上がります。みそ汁のほか、スープや煮物、また、かやくご飯を炊くときに利用してもおいしく仕上がりますよ。

まとめ

捨てていた野菜の皮は、自分自身を守り成長するために、とても多くの栄養素を含んでいます。そんな部分を捨てていたとは、もったいないことです。野菜の皮はさまざまな酵素の力で、冷蔵保存だと変色、変質してしまうことがあります。水を切ったら速やかに冷凍保存してください。

残留農薬の心配がある野菜の場合は使用をあきらめるか重曹でこすり洗いするなど、留意することも必要です。ホタテの貝殻などで作られた専用の洗浄剤も販売されていますので、必要に応じてご利用ください。

うま味や栄養がしっかりとつまったベジブロスを利用することで、減塩につなげることもできます。ぜひこの機会にベジブロス生活を始めてみましょう。

 
   
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