にんにくの栄養パワーが凄いんです!!【国際中医薬膳管理師が解説】

にんにくの栄養

疲れがたまったとき、パワーをつけたいとき「にんにくを食べよう」と思うことはないですか?香ばしく焼いた香りは食欲をそそり、嗅いだだけで元気が出そうな気分になりますね。今回はにんにくが持つ栄養価や効果についてご紹介します。

執筆者:MIHO

資 格:世界中医薬学連合会認定・国際中医薬膳管理師|調理師|食育インストラクター

にんにくの持つ栄養成分とは?

まさにスーパーフードとしての地位を誰もが認めるにんにく。実際にはどのような栄養を含み、どのような健康効果があるのかを見ていきましょう。

殺菌効果の強いアリシン

にんにくというと、疲労回復、スタミナ増強というイメージが強いですね。にんにくに様々な薬効があることは古くから知られていて、民間薬として世界各国で利用されてきました。
中でも特徴的なあの香りはアリシンという物質です。
もともとはにんにくに含まれているアイリンというアミノ酸の一種で、本来は味や香りがないものです。切ったり、すり下ろしたりすることで細胞が破壊されると、アリナーゼという酵素の働きでアリシンという物質に変化し、あの独特の香りが生まれるのです。
アリシンには強い殺菌作用があり、サルモネラ菌、チフス菌やコレラ菌、大腸菌などに、その効果を発揮します。そのため、古くから食中毒や寄生虫を予防するための薬味として、料理に添えられているのですね。また、アリシンは血行を促進する働きもあります。血行が良くなると、自然と冷えの改善にもつながりますね。さらに、胃腸を刺激してその働きを高め、消化吸収を促進し食欲増進する作用があります。

アリチアミンでビタミン効果UP?

にんにくに含まれているアリシンは食物中のビタミンB1と結合し、アリチアミンという物質になります。本来水溶性で尿や汗として排泄され、体内に蓄積することができないビタミンB1ですが、アリチアミンになることで、体内にとどまる時間を延長することができます。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変え、効率よく疲れを取り、体力を維持したり、皮膚や粘膜を健やかに保ったりする働きがあります。また、脳や神経の興奮を抑え、鎮静効果があるといいます。

女性に嬉しいスコルジニンの効果

スコルジニンは、アリシンを加熱したときに発生する物質で、香りが強いにんにくにあって、意外にも無臭です。毛細血管を拡張し、血行を促進して新陳代謝を活発にしてシミを予防したり、肌荒れを改善したりする働きがあります。
冷えが改善されるとやがては低体温の解消にもつながります。基礎体温が上がると、免疫力も上がることから、風邪などを引きにくくなる効果も期待できそうですね。

低温加熱でアホエン

アホエンとは、にんにくを低温で加熱した時に、油に溶けだしてくる成分で、1984年に発見されました。スペイン語のajo(アホ=にんにく)に由来しています。
アホエンには、脳の活性を高め、痴呆や老化の防止が期待できるといいます。イタリア料理や中華料理を作る時など、にんにくや唐辛子をオリーブオイルでじっくりと加熱して香りや旨みを引き出すのは、とても理にかなっているということなのですね。

このほかにも、抗がん作用があることが広く知られていますね。がんによる死亡率がとても高かったアメリカでは、1980年代に国立がん研究センターにより、がんの発生を抑える効果があるとされる食材を、その効果順に並べた、デザイナーフーズピラミッドが発表されました。
このピラミッドの頂点に君臨するのが、まさににんにくなのです。にんにくが持つ免疫力を高める力は、がんをも予防する作用があるということなのですね。

にんにくの選び方と保存のポイント

にんにくは薄皮が白くて破れがなく、きれいに整っているもの、一粒ずつが大きく、丸みがあって固く締まっているもの、上から見て均一な形でふっくらとしていて、粒と粒の間が隙間なく、しっかりと育っているものを選びましょう。手に持ってみてずっしりと重いものが新鮮です。
6月から7月にかけて瑞々しい新にんにくが出回りますが、この時期に限り、薄皮が赤みを帯びていることがあります。これは古いわけではなく、にんにくが持っているアントシアニンの色なので心配はありません。
古くなると薄皮は黄色から茶色みがかったり、破れたりしてきます。先端から芽が出て鱗茎の水分が抜け、次第に隙間が空いてくるので、このようなものは避けましょう。また、臭いが強いものは中に傷があったり、虫食いがあったりするので、避けた方がよいですよ。

にんにくを保存するときのポイント

にんにくは風通しがよい冷暗所に保存しておきます。基本的には冷蔵庫に入れる必要はないのですが、気温、湿度が高い梅雨時や夏は腐敗してしまったり、芽が出てしまったりする可能性があるので、乾燥しないようにキッチンペーパーなどに包んで冷蔵庫に保存しておくとよいでしょう。
量が多い場合は一片ずつに分け、薄皮をむいてからラップフィルムで密封し、冷凍しておくことができます。また、薄皮をむき、芽を取り除いたものをみじん切りや薄切りにして、酢やしょうゆ、油などにつけ、冷蔵保存しておくと、炒め物や和え物にもすぐに使えて便利です。

にんにくの効果を上手に取り入れるために

アリシンの効果を上手にとるためには、皮をむいて芽を取ったものをすりおろし、10分程度おいてアリナーゼの効果を引き出します。
生のまま、まぐろやカツオのような赤身魚の刺身の薬味として利用したり、サラダのドレッシングに少し混ぜたりすることでピリっとした辛味と香りで味にメリハリをつけ、奥行きを持たせることができます。
アリチアミンの効果を得るためには、ビタミンB1を多く含む豚肉を利用した料理と合わせるとよいですね。スコルジニンやアホエンのように、加熱することで引き出される成分もあります。フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、じっくりと弱火で加熱して香りを引き出してからつくるイタリア料理は、これらの成分を引き出すのに最適な方法と言えそうですね。にんにくの香りが出たら素材を加えて炒めますが、にんにくは焦げやすいので一旦取り出しておき、料理の仕上げに戻してあげるとよいですよ。

おすすめレシピ「至高のニンニクスープ」

動画を公開している料理研究家リュウジさんのおすすめレシピ。動画を参考に「至高のニンニクスープ」をご参照ください。

まとめ

さまざまな薬効をもつにんにく。日常的に食べたいところですが、翌日の匂いが気になりますね。においが残らないようにする工夫として、牛乳で煮る、芽を取り除く、電子レンジで加熱し、アリナーゼの働きを抑えてから切る、リンゴを食べる、など、さまざまな工夫が知られています。
上手に食事に取り入れ、健康な日々を過ごしてくださいね。


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