健康やダイエットに食事のコツ【基本】管理栄養士が考える美味しく身体に良い食べ方を紹介!!

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管理栄養士の考え

「この食べ物は体に良い、あの食べ物は体に悪い」という情報が巷には溢れています。しかし、食べ物自体の良し悪しよりもどう食べるかの方が重要です。

本記事では、私が管理栄養士としておすすめする食事のコツをご紹介します。健康に役立つ食事術を身につけて、ストレスなくヘルシーな食生活を送りましょう。

執筆者:broccolin

資 格:管理栄養士|栄養教諭一種免許|食品衛生監視員|食品衛生管理者

体に良い食事方法

健康的な食事

健康のために食事に気を遣いたくても、体に良い食事という表現では抽象的すぎてイメージが膨らみません。体に良い食事方法とは具体的にどのようなものか見ていきましょう。

バランス良く食べる

栄養価が偏らないのが理想的な食事です。ここでは5つの主要な栄養素について解説します。

炭水化物は主要なエネルギー源

炭水化物は糖質と食物繊維を合わせた呼び方です。糖質は私たちの体を正常に動かすためのエネルギー源です。食物繊維も整腸作用を持つ欠かせない栄養素なので、不足しないようにしたいです。

脂質は必要不可欠な細胞の成分

脂質は私たちを構成する細胞1つ1つの膜の材料です。この他にも体の機能を調節するホルモンの原料になったり、エネルギー源となったりします。

タンパク質で体をつくる

筋肉や皮膚、頭髪や爪は全てタンパク質が主原料です。タンパク質が不足すると、筋肉量が減ったり、肌のキメや艶が失われたりしてしまいます。

ビタミンは栄養素の代謝に必須

炭水化物、タンパク質、脂質のどの栄養素を分解して吸収するにもビタミンが不可欠です。酵素の働きを補う役割を持つので、不足しないように摂取しましょう。

ミネラルは体の働きを調節する

わずかな量で大きな力を発揮します。貧血を防ぐ、血圧を調節する、酵素の働きを助けるといった役割を種々のミネラルが担います。

やはり腹八分目が体に良い

昔から腹八分目が長寿の秘訣と言われてきたように、満腹にならない量が健康には良いです。腹八分を実行するコツをお伝えします。

適切な量の食事の具体的な量とは

管理栄養士が病院などで食事量を決める際は細かい計算をして食事量を設定しています。自分で食事量を設定する際は計算するのではなく、茶碗やお皿の大きさを小さくするなどの方法が取り組みやすいです。

お腹いっぱい食べたい場合の対処法

ゆっくり良く噛むのがおすすめです。食べ始めてから満腹を感じるまで時間がかかるので、咀嚼で時間を稼いだり、食事中に休憩を挟んだりすると少ない量で満腹感を得られます。

家庭でバランスの良い食事を食べるコツ

お手本のような食事を毎食作るのは骨が折れます。ここでは食事バランスを簡単に取る方法をお伝えします。

主食、主菜、副菜を揃える

おかずを何品も作るのは大変です。ご飯、肉や魚をメインにしたおかず、野菜を摂るための副菜の3つが揃えば栄養的なバランスは十分に取れます。

偏った食品を避ける

全体のバランスを取るには、1つの栄養素に偏った食品や献立を避けることが必要です。例として、ラーメンとチャーハンのセットで炭水化物に偏ることが挙げられます。

1食の栄養価で考えない

バランスの良い食事を継続するためにも無理は禁物です。1日や1週間単位でバランスが取れれば良しとしましょう。ファストフードを食べた翌日はサラダメインの献立にするなどの取り組みがおすすめです。

積極的に食べたい食材

新鮮な食材

不足しがちな栄養素を補うため、積極的に普段の食生活に取り入れたい食べ物を紹介します。

DHAとEPAが豊富な魚

不飽和脂肪酸のDHAとEPAはイワシなどの青魚に多く含まれます。中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化を防ぐ作用が知られています。

焼き魚やお刺身/食品100gあたり
DHA EPA
ぶり(焼き魚) 1900mg 1000mg
さば(まさば、焼き魚) 1500mg 900mg
本マグロ(クロマグロ、刺身) 1000mg 420mg
魚の缶詰/食品100gあたり
DHA EPA
いわし(蒲焼缶) 1400mg 1800mg
さんま(味付缶) 1700mg 1000mg
さば(味噌煮) 1500mg 1100mg

ビタミンたっぷりの果物

果物には、ビタミンCを始めとするビタミン類が豊富です。しかし、果物には果糖という糖が含まれているので、食べ過ぎには注意しましょう。

果物/食品100gあたり
ビタミンC 食物繊維
ゴールドキウイ 140mg 1.4g
グリーンキウイ 69mg 2.5g
イチゴ 62mg 1.4g

カルシウムを補える乳製品

年齢を重ねて高まる骨折のリスクを下げるには、若いうちに骨量を増やしておくことが必要です。カルシウムは骨の成分という役割以外にも血圧調節などに関わるので、牛乳やヨーグルト、チーズを食べる習慣があるのが望ましいです。

乳製品/食品100gあたりの栄養素量
カルシウム 1日の目安
牛乳(普通牛乳) 110mg コップ1杯(200cc)
ヨーグルト(全脂無糖) 120mg 小鉢1杯(100g)
チーズ(プロセスチーズ) 630 スライスチーズ2枚
固形チーズ2個

食物繊維が摂れる全粒穀物

玄米や全粒粉製品は精製された白い炭水化物に対して茶色い炭水化物と呼ばれます。より食物繊維が多い茶色い炭水化物を普段の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

茶色の炭水化物/食品100gあたり
食物繊維
オートミール 9.4g
もち麦 8.7g
発芽玄米 3.1g

食べすぎないようにしたい食材

食べ過ぎる女性

極端な制限は必要ありませんが、私たちが食べ過ぎてしまいがちな食べ物や栄養素は摂取量を意識して抑えなければなりません。

日本人は食塩を摂りすぎる

和食は健康に良いですが、1つだけ欠点があります。それは塩分が多いということです。

食塩の過剰摂取は脳や循環器疾患のリスクになる

体質にもよりますが、食塩を摂りすぎると血圧が上昇し、脳や心臓に負担がかかります。この状態が長期的に続くと、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞のリスクになってしまいます。

麺類の汁は全て飲み干さないのがおすすめ

ラーメンやうどんの汁は出汁が効いていて旨味が豊富です。美味しいので麺だけでなくスープも飲み干したいところですが、1杯分のスープで1日の塩分摂取量をほぼ満たしてしまう場合もあるので、半分残す、最後に1口飲むというルールを設定してみてはいかがでしょうか。

漬物は1日に食べる量を決めよう

日本人が大好きな漬物も塩分量が多いです。漬物は発酵食品であるため体に良い側面も持っていますが、やはり食べ過ぎは禁物です。梅干し1個には塩分が2グラム程度含まれいるので1日1個までに制限したり、漬物は小皿1皿分にとどめたりしてコントロールしましょう。

乳酸菌や機能性ペプチドも摂れる

味噌汁も減塩の敵と言われることが多いですが、上手く使えば体に良い効果があります。味噌は発酵食品なので乳酸菌や血圧低下作用を持つ機能性ペプチドを含みます。1日1杯にする、減塩味噌を使うといった取り組みで塩分を抑えつつ健康効果を享受しましょう。

油の質にもこだわる

ダイエットにおいて、油は敵とみなされがちです。しかし、全ての油が体に悪いのではなく、質の悪い油が健康を妨げるのです。

脂質の摂りすぎは動脈硬化のリスクになる

血液の中に、悪玉コレステロールや中性脂肪が増えると血管の壁にこびりつくことがあります。このこびりつきが剥がれて血管が傷つくと、血管が硬くなったり、狭くなったりして循環器疾患を引き起こしてしまいます。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

酸化されない脂肪酸が飽和脂肪酸、酸化されやすい脂肪酸が不飽和脂肪酸です。酸化されていない脂肪酸は抗酸化作用を持ちます。飽和脂肪酸を控え不飽和脂肪酸を摂ることで、体の老化を内側から防ぐことができます。

飽和脂肪酸が多い食品

肉や油脂を多く含む加工食品に飽和脂肪酸が多く含まれます。トランス脂肪酸不使用、トランス脂肪酸フリーと書いてある食品がお店に並ぶことが増えてきたので、そのような商品を利用するのも良いでしょう。

不飽和脂肪酸が多い食品

EPAやDHAが代表的な不飽和脂肪酸です。この2つは青魚に豊富に含まれていることが知られています。缶詰なども利用しながら魚を食べる習慣を身につけましょう。他にはオリーブオイルにもオレイン酸という不飽和脂肪酸が豊富です。

見えない糖に気をつける

ケーキなどの洋菓子のように分かりやすく甘いものを控えるだけでなく、気付かぬうちに摂ってしまう見えない糖にも気をつけましょう。

過剰な糖は肥満や2型糖尿病のリスクになる

糖を摂りすぎると血糖値が高くなります。血糖値が高いと、血糖値を下げるホルモンであるインスリン分泌量も高まります。インスリンには糖を脂肪に作りかえて蓄える作用があります。脂肪が増えるとインスリンの働きが弱まり、糖尿病になりやすくなるのです。

甘い飲み物

コーヒーや紅茶に角砂糖やガムシロップを入れることを習慣化している、フルーツジュースやスポーツドリンクなら体に良いと思っている方も要注意です。

お菓子

自分で作ってみると気づくことができますが、美味しくて甘いお菓子には想像以上の砂糖が使われています。素材そのものの甘みを活かしたようなおやつを選ぶのが理想的です。

甘い味付けの料理

普段料理を作るとき、なんとなく砂糖、醤油、みりん…と味付けをしていませんか。甘みが無くても美味しく頂ける料理も多いので、調味に必要がない砂糖はカットしましょう。

巷のダイエット法を鵜呑みにしない

噂のダイエット

特定の食べ物だけを食べ続けたり、特定の栄養素に極端な摂取制限を設けるダイエットは管理栄養士としておすすめできません。どこに落とし穴があるか一緒に考えてみましょう。

脂質制限ダイエットの落とし穴

脂質1グラム当たりのエネルギー量は9kcalです。炭水化物とタンパク質は1g当たり4kcalなので、脂質を減らせば効率的にエネルギー摂取量を抑えられます。しかし、脂質制限には、実現と継続の難しさと健康を害する可能性、痩せるのが遅いという壁が存在します。

外食やお惣菜で脂質が少ないメニューは限られているので頓挫しやすかったり、ホルモンの材料が不足することでバランスが崩れたり、脂肪を減らすには時間がかかったりするのです。

糖質制限ダイエットの落とし穴

白ごはんを食べない、糖質オフの食品を選んで食べるなどの取り組みで減量を目指すのが糖質制限ダイエットです。糖質制限ダイエットにも、低血糖の症状が生じたり、代謝が落ちて太りやすくなったり、1度痩せても再び太ったりするというデメリットがあります。

糖質は生命を維持するための主要なエネルギー源です。糖質の摂取量が必要量を下回ると、血糖値が低くなり頭痛や眠気が生じ日常生活に支障をきたしかねません。また、足りないエネルギー源を補うため筋肉が分解され利用されることで代謝量が減り痩せにくくなることもあります。

極端なエネルギー制限は遠回りなダイエット方法

脂質や糖質を制限するとエネルギー摂取量が減ります。食べ物から摂取したエネルギー量が運動などで消費するエネルギー量を下回れば、理論的には痩せます。しかし、体の働きを維持するために必要なエネルギー量を満たさない場合、筋肉や脂肪を分解して不足分を補おうとします。

筋肉が分解されると基礎代謝量が減るので痩せにくくなります。また、脂肪が分解されれば痩せるのではないかと考えがちですが、脂肪の分解が進みすぎると、ケトン体という物質の産生量が増え、体に悪影響を及ぼします。

食事と運動を並行して改善するのが最善

リバウンドせず痩せたい、痩せた状態を維持したい場合、食事と運動を並行して生活習慣を改善することが良い方法です。ここで意識するのは、今まで過剰だったものを減らし、不足していたものを補うという考え方です。

糖質や脂質を摂りすぎて入れば、全く摂らないようにするのではなく、適正な範囲内へ持ってくるのが大切です。運動を行うことで、ダイエットの敵となる代謝の低下を最小限に抑えることができます。

まとめ

健康のためにもダイエットのためにも言えることは、何事もほどほどが一番だということです。私たち管理栄養士も不健康なイメージを持たれるファストフードやラーメン、甘いお菓子を食べる機会があります。

しかし、前後の食事で過剰になった分を減らしたり、不足する栄養素を補ったりして大まかなバランス修正を行っているので健康的な体を維持できています。美味しく健康に食べられるように正しい情報を身につけて実行する力を磨いていきましょう。

  • 参考:日本人の食事摂取基準(2020年版)

  • 参考:厚生労働省 e-ヘルスネット|不飽和脂肪酸

  • 参考:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所|健康・栄養科学シリーズ

 
   
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