あなたもいつの間にか貧血に?自分では気付きにくい貧血の症状と貧血予防のための食べ合わせとは!!
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貧血は多くの人や年代で見られ、特に女性は思春期から鉄分の不足が目立ち始めます。そのため、日々の食事とその組み合わせがとても重要です。
食事に鉄分を多く含む食材を取り入れ、貧血を予防していきましょう。
執筆者:青山奈未
資 格:管理栄養士
目次
貧血を引き起こす原因
貧血とは、赤血球の中にあるヘモグロビンの濃度が低くなった状態をいいます。
ヘモグロビンは鉄を含む色素「ヘム」とタンパク質が結合してできており、これに酸素が結合して全身に運ばれます。そのため、ヘモグロビンの濃度が低くなると体が酸欠になり、めまいや立ち眩みなど様々な症状が現れます。
貧血はがんや脊髄・腎臓の病気の他、栄養不足でも引き起こされますが、この場合は赤血球やヘモグロビンが作られないことが原因です。
一方で月経や出血・激しい運動で起こる貧血は赤血球やヘモグロビンが体内で少なくなることが原因となり、貧血全体の80~90%を占める鉄欠乏性貧血もこのため引き起ります。
多くの方は貧血の自覚がなく、健康診断の判定で初めて気付くことがほとんどです。これから貧血の症状や正しい知識を学び、早期に貧血の症状を改善できる様にしていきましょう。
貧血の時に起こる体のサインは?
貧血が起きる時のサインを確認していきましょう。
- 息切れと疲れやすさ
- 頭痛がする
- めまいや立ち眩みがある
- 何となく朝起きるのが辛い、疲れが取れない
- 顔色が悪くなる
- 爪がもろくなる
- 味覚がおかしくなる
上記のような症状が1つでも当てはまる方は注意する必要があります。
生活の中での些細な変化のことも多いため中々気付きづらいのが難点です。また、これらの症状が出ても別の病気の可能性もあるため、気になる症状があれば病院を受診しましょう。
貧血の症状に関しては、医療関係の会社のホームページなどで貧血度が分かるものもありますので、利用してみても良いでしょう。自覚症状の有無を選択すると重症度などが確認できます。
正しい診断は病院での検査を行う必要がありますが、早い段階で貧血の可能性を確認できるためおすすめです。
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気づかずにいるとこんな症状が…
貧血が進行していくと、「氷かじり」と言った独特の症状が出てくることもあります。言葉通り氷をかじりたくなるという症状ですが、こちらは鉄欠乏性貧血で見られる特徴的な症状です。
この症状は比較的長期の患者さんで重症の場合見られる症状ですが、鉄分の不足により引き起こされると言われています。 鉄剤の摂取により数日で改善するため、症状が表れたら早期に受診して下さい。
鉄分の摂取不足
月経や病気による出血なども原因となり、思春期や妊娠中の女性は特に注意が必要です。予防のためには食事などからしっかり鉄分を摂取することが必要となりますが、鉄分だけではなく赤血球を増やすためには、鉄分以外にも葉酸、ビタミンB12、亜鉛などの栄養素をバランス良く摂ることが大切です。
最近では月経や出産以外にも偏った食事やダイエットが原因となる事もあるため、食べる量を極端に減らしたりせず、効率良く貧血を改善する組み合わせを選んでいきましょう。
鉄分の摂取量の目安は?
鉄分は体の代謝によって男性は毎日1㎎、女性は0.8㎎が損失されていきます。また、女性は月経によって1日あたりに換算してさらに約0.5㎎の鉄が損失しています。
それに加えて、食事からの鉄の吸収率が15%程度と報告されているため、これらを考慮して摂取すると下記表の値となります。
この量は、鉄の摂取を意識しないと満たすことが難しいと言われています。そのため、鉄分の性質や鉄分を含む食品、摂り方を覚えていくことが必要となります。
日本人成人(20~49歳) | ||
---|---|---|
男性 | 月経のある女性 | 月経のない女性 |
7.5㎎ | 10.5㎎ | 6.5㎎ |
-
引用:厚生労働省 日本人の食事摂取基準 2020年版
不足しがちな鉄分でも摂り過ぎには注意!!
一方、過度な鉄分接種にも注意が必要です。鉄分を過剰に摂取すると、便秘、吐き気といった胃腸障害を引き起こします。
鉄の1日当たりの耐容上限量 | ||
---|---|---|
– | 男性 | 女性 |
摂取量 | 50㎎ | 40㎎ |
-
引用:厚生労働省 日本人の食事摂取基準 2020年版
サプリメントや、鉄の量を強化した食品類を食べ過ぎることで引き起こされる危険がありますので、摂りすぎや容量には注意が必要です。きちんと容量や用法を確認して摂るようにしましょう。
貧血で悩まされている人が毎日食べると良い食べ物
鉄分を多く含む食材としてレバーはよくあげられますが、調理のしやすさなどを考えると、赤身の肉や魚や豆乳やホウレン草などの葉物が摂りやすいでしょう。
「ヘム鉄」、「非ヘム鉄」が多い食品を覚えておき、どちらもバランス良く摂ることで、鉄分以外の貧血を予防する栄養素を摂ることができます。
ヘム鉄を多く含む食品・非ヘム鉄とヘム鉄を多く含む食材
食品中に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があり、「ヘム鉄」は主にレバーや赤身の肉や魚に多く含まれ、「非ヘム鉄」は野菜、卵、牛乳などに多く含まれます。
前者は吸収率が高いのが特徴ですが、後者も組み合わせ次第で吸収率を上げることができます。
「ヘム鉄」を多く含む食材 | |
---|---|
食材 | 鉄分量 |
かつお(生50g) | 1.0㎎ |
まぐろ(生50g) | 1.0㎎ |
あさり(水煮缶65g) | 19.3㎎ |
牛肉ヒレ(120g) | 2.9㎎ |
イワシ(丸干し50g) | 2.2㎎ |
ヘム鉄が多い食材にレバーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?好き嫌いがありますが「焼き豚レバー5.2㎎、焼き鶏レバー3.6㎎、焼き牛レバー1.6㎎((各35g))」と鉄分が含まれます。
上の表と比べると鉄分量はあまり変わりません。今回紹介した食材以外にも鉄分を多く含む食材は多くあるので、ご自身が摂りやすく続けやすい食材を探すことをおすすめします。
「非ヘム鉄」を多く含む食材 | |
---|---|
食材 | 鉄分量 |
調整豆乳(200g) | 2.4㎎ |
糸引き納豆(50g) | 1.7㎎ |
小松菜(ゆで75g) | 1.6㎎ |
ほうれん草(ゆで75g) | 0.7㎎ |
春菊(ゆで75g) | 0.9g |
ひじき(鉄鍋、ゆで50g) | 1.4㎎ |
オートミール(1食分30g) | 1.4㎎ |
鉄分を効果的に摂るための方法
鉄分の吸収率を上げるためにはタンパク質とビタミンCを一緒に摂ることが大切です。タンパク質が豊富な卵や肉、魚、乳製品などや、野菜・果物・イモ類といったビタミンCを多く含む食品を一緒に摂るようにしましょう。
ビタミンCはレモン果汁やゆず果汁にも含まれるため、ほうれん草のお浸しにゆず果汁をかけたり、ビタミンCが熱で壊れにくいイモ類が入った汁物に小松菜やほうれん草を加えたりするのも良いでしょう。スムージーなどにして緑黄色野菜や果物をそのまま摂るのもおすすめです。
また、胃液が良く出ていると吸収率が上がるため、食事の際に良く噛むことも心掛けましょう。過度なダイエットなどで食事の量が減っている場合は、鉄の摂取量も自然と減ってしまいます。
ダイエット中で貧血が見られる場合は食事量を極端に減らさず、食事に偏りがない様にしましょう。
鉄分を摂る際に注意することは?
鉄分を効果的に摂る方法とは逆に、鉄分の摂取を妨げるものもあります。
例えばコーヒーや紅茶、緑茶に入っているタンニンという成分は、鉄の吸収を抑制します。食事をしながら濃い緑茶を飲んだり、食後にコーヒーを沢山飲んだりすることは避けた方が良いでしょう。
また、ハムやソーセージ、練り製品、その他加工食品、清涼飲料水、スナック菓子などに使用される添加物の一種であるリン酸塩は鉄の吸収を阻害します。鉄分の多い食品と一緒に調理するのは避けましょう。
鉄の吸収率を上げる方法と共に、それを阻害する要因を知ることで更に貧血を予防することができます。是非日々の生活の中で実践してみましょう。
葉酸、ビタミンB12を摂ることも大切
ヘモグロビンに加え、赤血球を作る過程で必要となる葉酸やビタミンB12も大切です。葉酸が多い食品はレバー、ほうれん草、アスパラガス、納豆、ブロッコリーなど、ビタミンB12が多い食品はレバー、魚介類、チーズなどです。
レバーやほうれん草、納豆は鉄分やタンパク質、葉酸などをバランスよく含み、あさりや牡蠣なども鉄分とタンパク質、ビタミンB12などをバランスよく含むお勧めの食品です。食材を選ぶ場合は積極的に摂るようにしましょう。
毎日続けられる方法にはこんな方法がおすすめ
毎日貧血予防に効果的な食事を続けるためには、無理なく続けられることが大切です。また、調理の際に一度で沢山の栄養素が摂れるようなレシピが理想でしょう。
スーパーで手軽に買えるカツオのたたきや、マグロの刺身を購入すれば調理の手間が省けて後片付けも楽です。ローストポークやローストビーフも少し値が張りますが時間がないときは良いでしょう。
植物性の食材としては、大豆製品やオートミール、小松菜やほうれん草が取り入れやすいでしょう。
豆乳はコップ1杯の200mlで2.4㎎も鉄分を摂ることができます。オートミールも最近様々なレシピがあり好みの味付けで食べることができる為、糖質も少なくダイエット中の方にもおすすめです。
小松菜やほうれん草は炒め物やスープにして取り入れやすく、あらかじめカットした状態でビニールに入れておき、すぐに使えるようにすると便利です。
毎日スープで体を温め貧血予防
日々の貧血予防にはスープで摂る方法がおすすめです。鉄分を多く含む食材はスープに合うものが多く、ビタミンCも加熱するとゆで汁に溶けだす為、栄養を逃さず摂ることができます。
スープ具材のメインになるタンパク質系の食材を決め、そこにビタミンを含む野菜を足していくといいでしょう。作り置きしておいて、スープジャーに入れお弁当として飲んでも良いですね。
鉄分サプリで貧血予防は?
日常生活で食事から鉄分を摂りにくい場合は、鉄分サプリを活用するのも良いでしょう。鉄分サプリにも、「非ヘム鉄」「ヘム鉄」など種類があり、価格帯も様々なので購入前に確認しましょう。又、ビタミンなどが一緒に入ったものも販売されているので、そちらもおすすめです。
サプリを摂取する際の注意点としては、非ヘム鉄のサプリメントは胃腸の障害を起こしやすくすることがあるので注意が必要です。また、鉄分25mg以上を含有するサプリメントの摂取は、亜鉛の吸収を減弱させ、血漿中亜鉛濃度を低下させる可能性があります。きちんと容器に記載の容量や用法を守り飲むようにして下さい。
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ほっこり!おかず豆乳スープ
こちらもボリュームのある食べるスープです。大きく切ったカボチャや豆類を具材とすることで、食べ応えがあり噛む回数も増えるため、腹持ちがして食べ過ぎも防止効果も期待できます。
前の日の夕食に作り置きをして、朝食として食べるのもおすすめです。
【365日のパンとスープ】あさりとトマトのクミンスープ
クリーム系のスープを紹介してきましたが、こちらのレシピはトマトとあさりでさっぱりとした味のスープです。生のあさりをたっぷり使うことで食べ応えがあり、見た目も華やかです。
クミンを使うことで食欲が刺激され代謝が高まるため、冷え性対策にも効果的な1品です。
まとめ
貧血を予防するためには、まず初期の段階で貧血の症状に気付くことが大切です。今まで述べた貧血の症状に当てはまり、鉄を含む食品をあまり摂れていない場合は、1度病院を受診し貧血のチェックをしてみましょう。
会社で実施する健康診断などで分かる場合も多いため、定期的な健診をきちんと受けることも大切です。
食事の面から貧血を予防するには、「鉄分を多く含む食品を覚えること」「それを効果的に摂る方法を知ること」「日常にうまく取り入れること」、この3つのポイントが必要になります。
動物性の食品とそれ以外の食品を上手く組み合わせ、野菜や豆乳、チーズなどと一緒に調理すると、貧血を予防する効果が倍増するでしょう。日々の生活の中で特に不足しがちな鉄分を、賢く無理なく食卓に取り入れていきましょう。
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食事宅配サービスは料理を作ることが苦手な方だけが利用するサービスではなくなってきています。
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