菊芋はイヌリンが最も多い食べ物!利点だらけの栄養効果と温活レシピをご紹介!

イヌリンの栄養

いも類のうち、ジャガイモやサツマイモ、里芋、山芋は口にする頻度が高いです。一方菊芋は、名前は知っているが、食べたことはないという人が多いのではないでしょうか。菊芋の特徴はイヌリンの豊富さです。本記事では、菊芋の栄養価や体への有用性をまとめてお伝えします。温活スープのレシピも紹介するので、ぜひ作って飲んでみてください。

執筆者:broccolin

資 格:管理栄養士|栄養教諭一種免許|食品衛生監視員|食品衛生管理者


菊芋とは

採れたての菊芋

菊芋の主成分はイヌリンで、重量のうち約15%の含有量を占めています。通常のいも類とは異なり、デンプンがほとんど含まれないのが特徴です。主に、加工用や飼料用に生産されており、日本でも手に入る食品なので、見かけたら購入して食べてみましょう。

菊芋とじゃがいもに含まれる栄養比較
菊芋 じゃがいも
エネルギー 66kcal 59kcal
タンパク質 1.9g 1.8g
脂質 0.4g 0.1g
炭水化物 14.7g 17.3g
カリウム 610mg 410mg
カルシウム 14mg 4mg
リン 66mg 47mg
水溶性食物繊維 0.5g 0.4g
不溶性食物繊維 1.4g 0.8g
デンプン 0.3g 14.7g

菊芋と最も一般的ないも類のジャガイモを比較しました。エネルギー、タンパク質、脂質、水溶性食物繊維の量は似た値でしたが、炭水化物とカリウム、不溶性食物繊維、デンプンの量に大きな差がみられました。

栄養価という面から捉えた菊芋の特徴は、炭水化物量が他のいも類より少ないことです。特に、摂りすぎると脂肪として蓄積されてしまうデンプンが少ないので、糖質を減らしたい人にもおすすめの食品です。

また、食物繊維が豊富なので、お腹の調子を整えることもできます。カリウムが豊富なのでむくみやすい人や血圧が高めの人も積極的に取り入れたい食品です。

旬の時期

キクイモの旬は秋から冬にかけての時期です。日本国内では、10月下旬から2月、3月までに収穫されます。佐賀大学のグループが行った研究によると、収穫時期が遅くなるほどイヌリン含有量は少なくなるようです。地域や天候の影響により変動はありますが、11月上旬までに収穫された菊芋が最もイヌリンを多く含んでいることが分かりました。

菊芋にはイヌリンを分解する酵素も含まれています。収穫してから食べるまでに時間が経つと、イヌリンが分解されて果糖に変化してしまいます。菊芋からイヌリンをたっぷり摂るために、旬の時期に収穫されて間もない菊芋を食べたいものです。

どこでどんなふうに食べられてきたか

菊芋の原産地は北アメリカの中・西部です。17世紀にヨーロッパへ伝わり、フランスやイギリスで栽培され始めました。日本に菊芋が入ってきたのは幕末です。イギリスから当時の英国総領事オールコックによりもたらされました。

ヨーロッパではトピナンブールという名前で親しまれており、サラダやグラタンなど様々な料理の材料に使われています。日本では、第二次世界大戦後の食糧難を乗り切るために栽培されていました。その後、菊芋を食べる機会が少なくなりましたが、近年イヌリンの栄養効果に注目が集まり、再び食卓に上るようになりました。

菊芋の魅力的な栄養効果について

菊芋の成分

菊芋に多く含まれるのはイヌリンだけではありません。カリウムやカルシウム、リンなどのミネラルや、ビオチンやナイアシンなどのビタミンも含まれます。これらの栄養成分が体にどのような良い効果をもたらすか解説します。

腸がきれいだと、全身の調子も良くなります。菊芋に豊富なイヌリンは大腸内の腸内細菌によって分解されます。イヌリンが分解されると短鎖脂肪酸が産生されます。脂肪酸というとあまり良くないイメージがありますが、腸の運動を促す機能があるので短鎖脂肪酸は体にとって有用な物質です。

また、イヌリンは腸内細菌叢のエサになることが知られています。イヌリンによって善玉菌が増えると腸内環境が整います。菊芋からイヌリンを摂取して、腸の運動促進と腸内細菌バランスの改善を目指しましょう。

菊芋でお腹の調子を整えると老廃物が減り、肌や髪の艶が良くなります。それに加えて、菊芋に含まれるビタミンの一種ビオチンとナイアシンも肌をきれいに保つために活躍してくれます。

ビオチンとナイアシンが慢性的に不足すると、皮膚炎が生じます。菊芋を食べることを習慣化すると皮膚炎が生じる心配はありません。肌のターンオーバーに必要なビタミンを菊芋から摂取すればきれいな肌をキープできます。

免疫

食物繊維には、抗体産生調節機能があります。抗体とは、異物から体を守るためのタンパク質です。抗原と呼ばれる体から入ってきた異物に抗体が結合すると中和され、異物は速やかに排除されます。

菊芋に多く含まれるイヌリンは水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維はほかの食品成分と比較して、抗体の産生を促す機能が強いようです。菊芋からイヌリンを摂ると、抗体の増加による免疫機能向上を期待できます。

がん予防

菊芋を食べることががん予防につながる理由には、主に2つの機序があります。1つ目は食物繊維の作用、2つ目は食物繊維による免疫機能の強化です。
食物繊維を十分に摂取すると大腸がんのリスクが低下することは広く知られています。日本で行われたコホート研究でも、食物繊維を摂る量が多いほど大腸がん、特に結腸がんにかかる危険性が減る傾向にあることが分かっています。

免疫は外界からの異物を追い出すだけでなく、体内で発生したがん細胞を識別して排除する能力も持ちます。菊芋中の食物繊維が免疫機能を改善すると、がん細胞が発生してもそれ以上増殖しないように免疫が働きます。

菊芋を朝食べてセカンドミール効果を利用

朝食を食べる

セカンドミール効果というワードをご存知でしょうか。菊芋を朝に食べると、そのときだけでなく次の食事を食べた後まで健康に役立つ効果を受けられます。菊芋を利用したセカンドミール効果についてみてみましょう。

セカンドミール効果とは

食物繊維を豊富に含む食事を食べると、次の食事後の血糖値上昇を抑制します。このことを血糖値に対するセカンドミール効果といいます。血糖値の急激な上昇を抑えると、糖尿病に罹患している人だけでなく、持病のない健康な人にとっても良い影響があります。血糖値の上がりやすさを表したグリセミックインデックス(GI値)という指標があります。血糖値を上げにくい低GI食品を食べるとセカンドミール効果を得られます。

菊芋を食べてセカンドミール効果を有効に使おう

菊芋にはイヌリンが豊富に含まれています。そのほかの食物繊維も多いので、GI値が低いです。菊芋は生でも加熱しても食べられるので、調理のバリエーションも豊かです。また、和洋中問わず美味しくいただけるので、菊芋を使いこなせば、セカンドミール効果の恩恵を受けられます。

朝食べるおすすめの方法

朝食に菊芋を食べるなら、食物繊維と相性が良い水分、体を温める温度というポイントを押さえた料理がおすすめです。
たとえば、菊芋のスープはいかがでしょうか。肉やシーフード、野菜を入れて具沢山のコンソメスープや味噌汁にすると、ご飯またはパンと合わせるだけでバランスの良い朝食になります。

菊芋で温活!!スープで食べるおすすめレシピ

菊芋をスープで食べると、水溶性食物繊維のイヌリンを余すことなく食べられます。菊芋を食べ慣れていない人でも美味しくいただけるレシピを集めたので、ぜひ作って食べてみてください。

菊芋チャウダー

材料メモ
菊芋 300g 玉ねぎ 1/4個
バター 5g 300mL
シーフードミックス 100g 牛乳 200mL
白だし 大さじ2 塩こしょう 少々

たっぷりの菊芋にシーフードミックスを合わせたチャウダーです。シーフードミックスを入れることでタンパク質をしっかり摂ることができます。タンパク質が豊富な食事を摂ると、インスリンの分泌が促されるので菊芋とシーフードミックスは良い食べ合わせだといえます。

菊芋ポタージュ

材料メモ
菊芋 250g エシャロット(玉ねぎでも可) 40g
野菜スープの素(コンソメ) 1/2個 お湯 300mL
無塩バター 15g ベーコン 2枚
牛乳 150mL 少々
黒こしょう たっぷり

少し手間がかかりますが、菊芋をピューレ状にすることで栄養素の消化吸収率の向上が期待できます。生の菊芋は冷凍保存に向きませんが、ピューレ状にして小分けにすれば冷凍できます。ピューレをあらかじめ作っておけば忙しい朝でも食べられます。

菊芋味噌汁

朝ご飯の定番味噌汁に菊芋を入れてみましょう。具沢山にして満足感を高めるのがポイントです。なめこの粘り気で味噌が溶けにくくなるので、味噌を溶いた後になめこを入れるようにしてください。菊芋だけでなく、なめこにも水溶性食物繊維が多く含まれているので、便秘気味な日におすすめのスープです。

材料メモ
菊芋 200~300g 長ネギ 1本
油揚げ 1枚 なめこ 1パック
白だし 小さじ2杯 味噌 大さじ2杯

まとめ

菊芋はイヌリンが豊富な食品ですが、そのほかにもカリウムを始めとするミネラル、ビオチンに代表されるビタミンが多いこともわかっています。朝に菊芋を食べることで、セカンドミール効果が得られます。

1日の始まりに糖質が少なく食物繊維が高いものを食べるには菊芋がぴったりです。菊芋を食べると腸と肌がきれいになり、免疫機能向上やがん予防にも役立ちます。この記事を参考に、おすすめの温活菊芋スープを朝食へ取り入れてみてください。

 
   
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