腸内環境を整える方法とは?発酵食品だけではなく摂るべきモノとは?

腸というと消化吸収、または排便を出すだけのイメージがありますが、それだけではありません。からだの司令塔は「脳」ですが「免疫の司令塔は腸」なのです。
わたしたちの身体の免疫細胞の7割が、なんと腸に存在します。それは、腸が「吸収」をする場所だからこそ。ばい菌やウイルスが侵入させないように、腸に免疫が集中しているのです。
これを知るだけでも「腸活しないとな~」と思う方も多いのではないでしょうか?では、どんなことが腸活になるのか紹介します。

執筆者:飯田ひろこ

資 格:管理栄養士

P R:排便日記を10年間毎日つけている腸内環境オタク

腸のバリア機能を強くする

腸活ときくと「発酵食品」というイメージがありますが、発酵食品を食べるだけではよい状態は保てません。わたしたちの身体の内側は粘膜で作られ、粘膜で守られています。そして、腸は粘膜のかたまりです。
粘膜のバリア機能が弱いと、感染症にもかかりやすくなります。とくに、小腸の上皮細胞の一つ一つのつなぎ目がしっかりしていないといけません。小腸の上皮細胞はターンオーバーが早く、数週間ですべて入れ替わることをご存知でしょうか。つまり、腸のターンオーバーを潤滑にすすめることが、バリア機能を高めることにもつながります。身体の細胞のターンオーバーには「さまざまな栄養素」が必要です。

粘膜をつくる重要な栄養素とは

  • ビタミンA

  • ビタミンB群

  • ビタミンⅭ(殺菌作用や抗酸化作用)

  • ビタミンⅮ

  • 亜鉛

  • タンパク質

  • オメガ3

  • マグネシウム

上記の栄養素が粘膜を作るために必要な栄養素です。「先週摂ったから今週は摂らない」ではいけません!!体の中に一定量プールされていないと、毎日繰り返されるターンオーバーで材料が不足してしまいます。
ビタミンAや亜鉛、タンパク質、オメガ3といった細胞を作る材料だけではうまく作ることができません。補酵素といわれるビタミンB群やマグネシウムがないとターンオーバーがうまくいかず、新しい細胞への入れ替わりができないのです。
ビタミンⅮは現代人の9割が不足している栄養素です。ビタミンⅮは不足すると、全身の健康にも影響がでてきますが、なんとビタミンⅮが不足することで腸内細菌叢が変わってくることもわかってきています。

ビタミンA

ニンジンほうれん草、ウナギなど

ビタミンB群

豚肉。かつお。まぐろ、玄米

ビタミンC

ブロッコリー、キウイフルーツ、いちご、パプリカなど

ビタミンD

イワシの丸干し、シラス干し、サンマ、干ししいたけなど

亜鉛

牡蠣、たまご納豆、えんどう豆など

タンパク質

肉・魚・卵・豆腐

オメガ3

魚介類、ナッツ、MCTオイルなど

腸活の第一歩は健康的な腸の上皮細胞作りから。
さまざまな栄養素を食品からしっかり食べないといけないことを覚えていてください。

腸活にはやっぱり発酵食品

腸活というと、「とりあえず毎日、発酵食品とればいいんでしょ」という人も多いはず。それは間違いありません!!ここで知っていただきたいことは腸内環境をつくっている常在菌とちがって、プロバイオティクス(善玉菌)は腸内にながくとどまりません。プロバイオティクスとは「生きた善玉菌」と思ってください。つまり、短時間しか腸にとどまることができない通過菌なのです。短時間しか腸にとどまることができないので、発酵食品をとるなら「毎日一定の量」を食べることが重要になります。

そう聞くと、「え~、すぐに体からでていくならイヤだな」という人もいるかもしれません。バイオジェニクスという言葉をご存知でしょうか?
せっかく食べた善玉菌は、消化の過程で胃酸や胆汁酸で死ぬことが多いです。この死んだ菌のことを「バイオジェニクス」といいます。これまで「腸まで生きた菌を届けないと意味がない」と言われてきましたが、バイオジェニクスが体内にあることで、よい効果が得られることがわかってきたのです。

死んでいても菌の成分が体内にあることで、生きている善玉菌が触媒となったり、大腸を刺激して、腸内細菌叢のバランスをよくすることが判明!!「どうせ胃酸でやられるから、発酵食品を食べてもイミないかも」と思うのは大間違いです!!
摂るべきプロバイオティクス(善玉菌)は主に下の画像表示されいる4種類の発酵食品です。毎日少しずつ食べることで極端に善玉菌が減ることはありません。

  • 味噌
  • ぬか漬け
  • 納豆
  • ヨーグルト

食事のバランスをとる

いくら発酵食品を毎日とっていても、食事で揚げ物や油っぽいモノが多く、外食やコンビニ弁当が多いと腸活は台無しに。
食事はバランス良くとらないと、腸内の㏗(ペーハー)が乱れ、悪玉菌が増殖しやすくなります。

健康的な腸内は、5.5~6.8の弱酸性に保たれています。
野菜や果物などの食物繊維をしっかり食べることで腸内の㏗を弱酸性にたもつことができることを覚えていてください。
つまり、腸内の㏗を保つためにしっかり食物繊維を摂取しましょう。㏗が乱れてしまい、悪玉菌が増殖したとき、排便の形状・臭い・色が悪くなるのですぐにわかります。
「発酵食品食べているのに、排便が黒くて固い」「形が悪くて排便が黄色いな」など、正常な排便と異なる場合は㏗が乱れていることも多いです。

男性ならば、高脂肪高たんぱく質の食事になり、野菜や果物などの水溶性食物繊維の摂取が減ることで腸内環境が乱れてしまいがちです。お肉が大好きなそこのあなた!!野菜をしっかり食べましょう。また、日本人には「主食」という概念があるので、穀類を「全粒穀物(ホールフード)」にするとしっかり食物繊維の摂取ができるのでおススメです。

女性ならば、鉄不足に気をつけてください。
鉄不足では、免疫細胞がうまく動かなくなります。免疫細胞がうまく動かないことで、体内で発生した炎症を取り除くことができません。
月経があるうちはとくに「鉄分」も少し意識して、食べるようにしましょう。特に女性は過度なダイエットや、すきなお菓子が食事代わりにしてしまうことで鉄不足になることも。

まとめ

腸活をするにあたり、「この食品だけをとれば大丈夫」という単独のモノは、残念ながら存在しません。
食事は多様性でできているので、バランスよく食べることが重要です。プロバイオティクス(善玉菌)の摂取だけが腸活ではありません。
「しっかり食物繊維をとること」「腸の㏗を整え悪玉菌が増えない環境を作ること」腸のバリア機能を高めるために必要な栄養素をとることも腸活になることをぜひ覚えてくださいね。

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