果物を毎日の食生活に取入れ、無理なく一日のビタミンを取入れる食事術

果物を生活に取り入れる

皆さんは果物を日常的に召し上がりますか?
厚生労働省が発表している「国民健康・栄養調査(平成29年)」によると、1日200g以上食べる人は21%、一方で全く食べない人は38%であったそうです。ビタミンやミネラル、食物繊維などを多く含み健康的な印象も強い果物ですが、その甘さから糖分の摂りすぎに対する不安を持っている人も多いことでしょう。
果たして果物の摂取は私たちの身体に良い効果をもたらすのでしょうか?それとも悪い効果もあるのでしょうか?今回は果物の健康効果についてお話ししながら、果物を取り入れるための食事術についても考えていきます。

果物摂取の現状

先ほどもお話ししましたが、厚生労働省による「国民健康・栄養調査(平成29年)」で、日本人の果物摂取の現状が報告されています。これによると、20歳以上の男女で果物を全く食べない人の割合は38.0%、100g未満食べる人の割合が20.6%であり、合わせると60%程度の人が100g未満の果物しか食べていないということになります。また、果物の摂取量が少ない人たちの割合は年齢が若くなればなるほど増加していく傾向もあり、20歳~40歳代で80%の人が果物摂取量100g以下であると報告されています。

果物を食べない理由としては「価格の高さ」や「しこう品としての認識」などさまざまありますが、その一つに「体重増加への不安」という理由もあります。果たして果物を摂取することにより本当に太るのか、果物に含まれる栄養素とともに考えてみましょう。

果物に含まれる栄養素

果物には多くの栄養素が含まれますが、我々の健康に効果のある栄養素としては①ビタミン②ミネラル③食物繊維があります。

①ビタミン

果物に多く含まれるビタミンにはビタミンC、ビタミンB群、ビタミンA、ビタミンEなどがあります。これらの多くが抗酸化作用を有しており、また糖質・たんぱく質・脂質の代謝の潤滑剤としての役割も持っています。

②ミネラル

果物に最も多いミネラルがカリウムです。カリウムは細胞内に多く含まれるミネラルで、細胞外に多く含まれるナトリウムとともに身体の状態を一定に保つ働きをしています(恒常性)。ナトリウム=塩分であり、摂りすぎると高血圧の要因にもなりますが、カリウムはこのナトリウムの排泄を促進する働きもあります。

③食物繊維

果物に含まれる食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。不溶性食物繊維は水には溶けにくい食物繊維で、お腹の中で水を吸収してカサを増し、満腹感をもたらしたり腸の動きを活発にする効果があります。さらに便の量を増やし便通改善効果も期待できます。

水溶性食物繊維は水に溶けやすい食物繊維で、食事と一緒に摂取することで、糖質の吸収を押さえたり、コレステロールの排泄を促進したりする効果があります。以上のことを考えると、やはり果物には我々の健康に欠かせない重要な栄養素が含まれていることがわかりますね。



果物摂取による認知機能の低下を予防する効果に期待

ハーバード大学の研究では、約2万8000人の男性医療従事者を対象とした20年にわたる追跡研究で、ベリー類やオレンジジュースを豊富に摂取している男性では認知機能の低下リスクを抑えられる可能性があると示されました。またフランスの3か所の約8000人の65歳以上を対象とした研究でも、毎日果物と野菜を食べた人では認知症リスクを低下させ、アルツハイマー型認知症の発症率が少なくなるという結果も示されています。これらの研究から果物摂取には認知機能の低下を予防する可能性があるといえます。

果物を食べると太る?

我々が太る要因としてはカロリーの過剰があります。
つまり摂取する果物のカロリーが高ければそれだけ太りやすいということになります。
実際はどうなのでしょうか?代表的な果物のカロリーを見てみましょう。
みかん1個=45kcal、りんご1個=140kcal、バナナ1本=90kcal
ちなみ、ご飯100g当たりのカロリーは168kcalです。ご飯100gを食べて太ると心配する人は少ないですよね。つまり、果物は極端に多く食べることさえしなければ、太る可能性は低いのです。

▼一日に必要な摂取量

これだけの健康効果のある果物ですが、どれくらいの量を食べたらいいのでしょうか?
厚生労働省が推進している「健康日本21」では、健康増進の観点から1日200g以上の果物を食べることを目標としています。果物200gといいますと、みかん2個、りんご1個、バナナ2本、キウイ2個がその目安となります。種類は問わずに200gですので、みかん1個とりんご半分でも良いですね。

効果的な摂取方法のポイント

重要なのは、生で固形のまま摂取するということです。果物に含まれる栄養素は生で摂取することにより効果が高まります。特にビタミンやミネラルは水に溶けだしやすいものが多いです。例えば、缶詰の果物などは加工の段階で過熱をしており、水溶性のビタミンやミネラルが湯やシロップに溶けだしてしまいます。果物自体に含まれる栄養素が減ってしまっているということなので、効率的に栄養素を摂取するなら生の果物を食べるようにしましょう。

果物を食べる時間がないからと100%果汁ジュースを飲んだとしても果物と全く同じ働きをするわけではありません。果物にあって100%果汁ジュースにはない大切な栄養素が食物繊維です。先ほどもお話ししましたが、食物繊維には不溶性と水溶性があり、ジュースにすることにより食物繊維の大部分、特に不溶性食物繊維が失われてしまいます。果物には糖質の一種である果糖が含まれますが、食物繊維が少ないジュースでは、この果糖の吸収も大きくなってしまいます。100%果汁ジュースは糖質が吸収されやすい状態となっており、血糖が上昇しやすくもなってしまうので注意しましょう。

最近は簡単に果物や野菜を摂るためにジューサーやミキサーを使って自作のジュースやスムージーを作っている人も多いと思います。特に朝はゆっくりと食事をする時間がないため、健康に気を使いながら時短にするためジュースやスムージーで済ませてしまう人も多いでしょう。

《 注意点 》

100%果汁ジュースの血糖上昇効果については先ほどもお話ししましたが、これは自作のジュースでも同じことが言えます。特に、夜から朝にかけては栄養摂取がないため、朝食摂取により血糖上昇が急激に起こる傾向があります。そのため、朝食に糖質吸収のしやすいジュースを一気に飲むのは避けるようにしましょう。

果物のカスが出てくるタイプのジューサーを使っている場合も要注意です。そのカスこそが食物繊維なのです。自分で作っているから健康に良いと思っているかもしれませんが、果物の重要な栄養素である食物繊維をカスと捨ててしまうのは非常にもったいない行為です。食物繊維も余すことなく摂取するならスムージーにして飲むかそのまま食べるようにしましょう。



■まとめ

今回は果物の健康効果と果物を取り入れるための食事術についてお話をしてきました。果物にはビタミン・ミネラル・食物繊維など我々の健康維持に重要な栄養素が豊富に含まれています。また、果物摂取による認知機能の低下予防効果についてもお話ししました。
今まで果物を食べる習慣がなかった人も、今回のお話を聞き少しでも果物を食べる量が増えると幸いです。皆さんも、1日200gを目標に果物を摂取する生活をしてみませんか?

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