ビタミンAのおもな働き◎不足するとどうなる!?栄養を効果的に摂る食べ方とおすすめの食材をご紹介

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ビタミンAの働き

ビタミンAはおもに夜の視力を維持することや目の保護の働きがあります。また、皮膚や粘膜の健康を保つほか、紫外線によるダメージから肌を守ることも。さらに、免疫力にも関わる栄養素です。そんなビタミンAですが、にんじんの他にもさまざまな食材に含まれています。今回はビタミンAのおもな働きと多く含む食材をご紹介します。

執筆者:渡部 早紗

資 格:管理栄養士|栄養教諭一種免許

仕 事:病院での栄養指導や献立作成を経て現在は管理栄養士ライターとして活動

ビタミンAとは

ビタミンAは、人間の体にとって重要な栄養素です。脂溶性ビタミンの一種であり、体内でレチノール、レチナール、レチノイン酸という形態に変換されます。

ビタミンAはさまざまな役割を果たしています。まず、視力の維持と健康に関与しています。ビタミンAの不足は、暗所での視力低下や夜盲症のリスクを増加させることがあります。

また、免疫機能の強化にも関与しています。ビタミンAは粘膜組織の健康を維持し、感染症や炎症に対する抵抗力を高めます。

さらに、ビタミンAは細胞の成長と分化にも重要な役割を果たしています。特に、皮膚、骨、歯、軟部組織などの発育に関与し、正常な成長をサポートします。

ビタミンAは動物性食品に豊富に含まれています。レバー、魚、卵、乳製品などがその代表例です。また、植物性食品にはビタミンAの前駆体であるカロテノイドが含まれています。にんじん、かぼちゃ、スイートポテトなどのオレンジ色の野菜や果物には、β-カロテンという特に豊富なカロテノイドが含まれています。

ビタミンAはバランスの取れた食事を通じて摂取することが重要です。適切な量のビタミンAの摂取は、視力や免疫機能の維持、細胞の成長と健康に貢献します。しかし、過剰摂取は健康リスクを引き起こす可能性があるため、適切な摂取量を守ることも重要です。

ビタミンAのおもな働き

ビタミンAの適切な摂取は、健康な視力、良好な皮膚と粘膜、強い免疫機能、正常な細胞成長と組織維持、健康な骨をサポートするために必要です。おもな働きを詳しく見ていきましょう。

目の健康をサポート

よく知られているようにビタミンAは目の健康をサポートします。目の網膜にあるロドプシンという光を感じる物質は、ビタミンAから合成されます。

そのため、うす暗い場所でも見えるようになります。また、ビタミンAには色を識別する力を高める働きもあります。そのほかにも、涙を作るときや目の粘膜を形成・修復にもビタミンAが重要です。

涙や粘液で目が潤うことで鮮明な像を結ぶことができるため、目の疲れや、物がかすんで見えることを防ぐことができます。パソコン作業やスマートフォンで目を酷使しがちなので、積極的に摂るようにしたいですね。

美肌に嬉しいビタミン

ビタミンAには皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。ビタミンAは皮膚の生成に必要なコラーゲンを増やすため、乾燥肌を防ぐことが期待できます。他にも、シワやたるみの改善やアンチエイジングも望めます。

さらに、ビタミンAからできるレチノイン酸という成分は、ムコ多糖という物質の合成を促進させます。ムコ多糖は皮膚などの細胞へ栄養を届け、肌荒れの原因にもなる老廃物を運搬する働きがあります。

ウイルスをブロック!免疫力アップも期待

皮膚や粘膜の他にも、のどや鼻の奥などの表面を覆っている粘液はビタミンAでできています。粘膜を丈夫にすることでのどや鼻などからウイルスが侵入するのを防ぐことができます。また、のどや鼻以外にも、胃腸や肺、気管支なども粘液によってウイルスの侵入から体を守ってくれます。

さらに、β-カロテンにはマクロファージやT細胞といった免疫細胞を活性化する働きがあるため、免疫機能のアップが期待されます。

ビタミンAが不足するとどうなる!?

ビタミンAは肝臓でストックすることができるため、すぐに不足が起こることはありません。しかし、ビタミンAが不足した場合、暗い場所でものが見えにくくなる夜盲症やドライアイを引き起こすことがあります。

ドライアイになると目が乾いて鮮明な像を結びにくくなるため、ものを見るときに負担がかかり、疲れ目の原因となります。

さらに、皮膚や粘膜の乾燥のほか、抵抗力が下がってしまうことがあります。糖質中心の偏った食事や野菜不足などによって不足してしまうことがあるので、バランスよく食べるようにしたいですね。

ビタミンAの過剰摂取は良くない?

一方、ビタミンAの過剰摂取も身体に影響があります。おもに食欲不振や吐き気、頭痛、脱毛、下痢、皮膚炎などの症状が挙げられます。

ビタミンAは沢山摂っても排泄されずに肝臓で貯蔵されるため、肝臓にダメージを起こしてしまうこともあります。

皮膚にはビタミンAの濃度を調整する細胞がありますが、ビタミンAが過剰になって調節が追い付かなくなると、炎症を引き起こす免疫細胞が活性化してしまって、皮膚炎を引き起こす可能性もあります。

さらに頭皮に炎症が起こると脱毛などが起こることもあります。ビタミンAのサプリメントを過剰に摂ったり、レバーやうなぎなどレチノールを多く含む動物性食品を食べ過ぎたりすると過剰になる場合があるので注意しましょう。

ビタミンAを多く含む野菜の効果的な食べ方は?

野菜の色素成分であるβ-カロテンは、プロビタミンAといって体内でビタミンAに変換される物質です、このプロビタミンAの優れている点は、身体が必要な量だけビタミンAに変わるように調節されているところです。そのため、野菜によってビタミンAの過剰症は起こりません。

ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂ることで吸収率がアップします。炒め物や油を加えたサラダにするといいですね。また、脂質の多いゴマやピーナッツで野菜を和えるのもおすすめです。

ビタミンAは熱に強いので、加熱によって栄養素が変化しないので、加熱して野菜のカサを減らして食べるのもおすすめです。

野菜ジュースでとっても大丈夫!?

野菜をしっかり摂りたくても忙しくて野菜ジュースに頼ることもありますよね。「野菜ジュースでは栄養素が減少しそう…。」心配なかたも多いのではないでしょうか?実は、ビタミンAの観点では野菜ジュースで摂った方が効率よく吸収されることが分かっています。

野菜ジュースは一般的に野菜を搾ったり加熱したりといった処理がされます。このため、搾りかすが捨てられることで食物繊維が減少したり、熱に弱いビタミンCが減少したりしてしまいます。

一方、体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンは熱に強いため野菜ジュースに加工しても栄養素が減少することはありません。それどころか加工によってすりつぶされることで吸収率が生の状態と比べておよそ1.5倍アップするといわれています。

マルチビタミンでOK?

野菜ジュースよりさらに手軽な方法として体にとって必要なビタミンをまとめて摂取できるマルチビタミンのサプリなどがあります。

マルチビタミンのサプリで注意したいことが摂りすぎです。お伝えしたようにビタミンAは摂りすぎても体外に排泄されずに肝臓に蓄積されるので、過剰につながりやすいといえます。マルチビタミンを摂りつつさらにレバーなどビタミンAが多く含まれる食事をすると過剰の恐れがあります。

健康のためにとマルチビタミンを多量に飲むと健康になるどころか過剰症のリスクになってしまいます。マルチビタミンを活用する際には1日の容量をしっかりと守り、あくまでも補助として使うといいですね。

ビタミンAを多く含む食材ベスト5

では、ビタミンAを多く含む食材を見ていきましょう。レバーやうなぎなど動物性のビタミンAもありますが、今回は身体が必要な量だけビタミンAに変換されるβ-カロテンが多い食材に焦点を当てていきます。

にんじん

人参について

ビタミンAの代名詞のような存在であるにんじん。カロテンの語源はキャロットともいわれています。ビタミンAの量は1本あたり720μgRAE。成人女性の1日に必要な量は650μgRAE~700μgRAE、男性は850μgRAE~900μgRAEなので、1本で必要量のほとんどが摂取できます。比較的日持ちする野菜なので常に常備しておきたいですね。

にんじんは炒め物や煮物に入れることが多いですが、生で食べることもおすすめです。スライサーで細切りにすると簡単ですし、食感がやわらかくなって食べやすくなります。塩もみしてレモン汁とオリーブオイルで和えるキャロットラペや、ごま油とニンニクで和えるナムルなど、油を使った料理にするといいですね。

ほうれん草

ほうれん草の栄養について

ほうれん草は1株で350μgRAEのビタミンAが含まれています。小松菜とよく似ていますが、実はほうれん草の方がビタミンAの含有量が多いです。旬である冬採れのものは栄養素の量が多くなり、甘みも増します。

ほうれん草はアクが多いので下茹ですることで口のかゆさやえぐみが抑えられます。加熱するとぐっとカサが減るので食べやすくなりますよ。

下茹でしたものをバター炒めにしたり、醤油とすりごまを使ってごま和えにしたりすると吸収率がアップします。最近はサラダほうれん草といって生食できる品種もあり、こちらはサラダにして楽しめますよ。

ニラ

ニラは1束におよそ290μgRAEと意外にもビタミンAが多い食材です。馴染みが少ないかもしれませんが、ニラの旬は春。葉先がやわらかくてニラ特有の香りが強くなります。ニラの筋っぽいところが苦手なかたは、ぜひ春のニラを試してみてくださいね。

ニラ料理といえば、レバニラや、卵と一緒にニラ玉にすることが一般的ですが、茹でて食べても美味しいです。ごま油とナムルにするほか、さっと茹でてツナの油漬けと和えると簡単に副菜ができますよ。

ブロッコリー

ブロッコリーの栄養

ブロッコリーは中くらいのサイズ1房におよそ290μgRAEのビタミンAが含まれています。旬は初夏と冬の2回あり、産地によって旬の時期が違っています。食べやすいように事前に洗って小房に分けておくとすぐに調理できて便利ですよ。

ブロッコリーは茹でることが多いですが、水っぽくならない方法は茹でたあと水にさらさないこと。また、蒸した方が色よく仕上がり食感も良くなりますし、電子レンジで蒸すとさらに手軽に食べられます。

ほかにも、炒めるといつもと違った雰囲気になって美味しいですよ。ニンニクや赤唐辛子と一緒にオリーブオイルで炒めるとペペロンチーノのような一品ができます。

みかん

カゴに入ったみかん

ここまでビタミンAが多い野菜をご紹介しましたが、色の濃い果物にもビタミンAが多く含まれています。ビタミンCが多いことで知られるみかんですが、実はビタミンAも多く1個あたり69μgRAEと果物の中でもトップクラスに該当します。

秋から冬にかけて旬のため、市場でお値頃に出回ります。それ以外の時期に生のみかんを食べることは難しいですが、冷凍みかんが売っていることもありますので、お店やネットなどでチェックしてみるといいですね。

暑い時期にぴったりです。缶詰でもビタミンAは摂れますが、シロップに糖分が多いので食べ過ぎに気をつけましょう。

まとめ

今回はビタミンAの役割と多く含む食材をご紹介しました。普段から目を酷使している私たちにとって大切な栄養素ですし、美肌を目指している場合に積極的に摂りたいですね。さらに、免疫力をアップして健康を維持するためにも必要量を確保していきたいものです。

また、ビタミンAを多く含む野菜や果物をお伝えしました。にんじんのオレンジ色やほうれん草の濃い緑色など見た目から元気をもらえる野菜の色には隠された力があります。サプリメントなど便利なものが出回っていますが、食べ物から栄養素を摂っていきたいですね。

 
   
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