貧血を起こす原因とは、また予防改善する正しい食事とは?

貧血の原因と貧血予防

貧血とは赤血球(へモグロビン)が減って酸素が体全体に運ばれにくくなる酸欠の状態のことを言います。
WHO(世界保健機構)はヘモグロビン濃度が成人男性13g/dl、成人女性12g/dl未満が貧血の基準としています。貧血ではめまいや立ちくらみ、頭痛、息切れや動悸、疲れやすい、歯茎が白っぽくなる、顔色が青白くなるなどさまざまな症状がみられます。
平成29年国民健康栄養調査の結果によると、なんと日本人の20歳以上の男性の約10人に1人、女性の7人に1人が貧血です。さらに30~40代の女性や70歳以上の男女ではその割合は高くなっています。今回はなぜ貧血が起きるのかその原因について、またどんな食生活をすれば貧血を予防できるのかその注意点について考えてみたいと思います。

貧血予防の食事とはバランスの摂れた食事と鉄をしっかり摂ること

貧血と言っても種類がいくつかありますが、その大部分が鉄が不足する鉄欠乏性貧血です。では、どんな時に鉄が不足するのでしょうか?
鉄はさまざまな食品に含まれているため、バランスの良い食事をしていれば不足することはそんなにありません。しかしながら、偏った食事をしていたり、ダイエットのために食事量を減らしていたり、ファーストフードやお酒やお菓子など嗜好品ばかりの食生活を続けていると不足してきます。また妊娠・授乳期など普段より多くの鉄が必要となる場合、胃炎や胃潰瘍などの原因で体内への鉄の吸収が悪い場合、月経や子宮筋腫、その他消化器官などの出血がある場合では鉄が不足してきます。

1日の鉄の摂取推奨量は男性で7.0~7.5mg/日、女性(月経がある人)で10.5mg/日で、妊娠・授乳中はさらに鉄が必要となります。平成29年国民健康栄養調査によるとその摂取量は平均すると8mg程度であり、特に女性においては鉄を意識して摂取する必要があると言えます。そのためには鉄を多く含む食品を積極的に選んで食べることはもちろん、バランスの良い食事をすることが大切です。

レバニラ炒め

貧血予防と言えばやっぱりレバー!しかし、摂りすぎには注意すべき場合も

貧血予防の食材として1番最初に思う浮かぶのはレバーではないでしょうか。
レバーにはヘム鉄という体内に吸収されやすい鉄が豊富に含まれています。また必要な赤血球を作るのに必要な栄養素である葉酸やビタミンB12も含まれており、貧血予防にはうってつけの食材と言えます。一つ注意したいのが、妊娠中のレバーの食べすぎです。妊娠中は普段より多くの鉄が必要となるため、貧血予防のためにレバーを多く食べようとする妊婦さんもいるかと思います。レバーにはビタミンAが豊富に含まれていますが、妊娠初期にビタミンAを過剰に摂取すると赤ちゃんに先天的な形態異常をもたらす可能性があります。適量の範囲内で食べるように注意が必要です。
鉄はレバーだけでなく、その他の食品にも含まれています。1つの食材ばかりに偏るのではなく、いろいろな食材からバランスよく鉄と摂りたいところです。



貧血予防の正しい食事術

▼バランスの良い食事をしましょう

欠食せず、3食バランスの摂れた食事を心がけましょう。
そのために主食(ごはん・パン・麺)、主菜(肉・魚・大豆・卵)、副菜(野菜・きのこ・海藻類)の3つを揃えて食べるよう意識してみましょう。貧血予防には体に必要な栄養素をバランスよく摂取する必要があります。

▼良質なタンパク質を摂ろう

肉・魚・大豆・卵といった良質なタンパク質をしっかり摂りましょう。タンパク質は筋肉、細胞など体を作るもとですが、赤血球を作るのにも必要です。

ヘム鉄と非ヘム鉄を組み合わせて摂ろう

鉄には体内に吸収されやすいヘム鉄と吸収されにくい非ヘム鉄と言われるものがあります。ヘム鉄はレバーや赤身の肉や魚などの動物性の食品に多く含まれます。非ヘム鉄は大豆製品や緑黄色野菜、海藻類など植物性食品に多く含まれます。効率よく鉄を摂るにはヘム鉄を多く含む食品を積極的に献立に取り入れると良いでしょう。
しかし、あまりヘム鉄ばかりに偏ると動物性食品の摂りすぎにつながります。非ヘム鉄も組み合わせて上手に鉄を摂取しましょう。非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップします。

▼野菜・果物をしっかり摂ろう

野菜、果物にはビタミンCが豊富に含まれます。ビタミンCと組み合わせて食べることで鉄の吸収が良くなります。1日に野菜は350g以上、果物は200gを目安に食べましょう。

▼しっかり噛んで食べよう

よく噛んで食べることで、胃での消化吸収が良くなります。

▼タンニンの摂りすぎに注意しよう

緑茶やコーヒー紅茶などに含まれるタンニンは鉄の吸収を妨げる働きがあります。食事中は濃いお茶を飲むのは避けるなど注意をしましょう。



毎日の食事に取り入れたい食材

貧血予防にはバランスの摂れた食事が大切です。その中で積極的に摂りたい食材をご紹介します。日々の献立に取り入れてみて下さい。

▼鉄分を多く含む食材

  • 肉類・・・レバー(特に豚や鶏)、牛もも肉などの赤身肉

  • 魚類・・・イワシ、カツオ、マグロ

  • 貝類・・・あさり、カキ、しじみ

  • 鶏卵

  • 豆類・・・大豆、レンズ豆、がんもどき、厚揚げ、納豆

  • 野菜類・・・ほうれん草、小松菜

  • 海藻類・・・ひじき、のり

▼ビタミンを多く含む食材

  • 野菜類・・・ブロッコリー、キャベツ、赤ピーマン、ゴーヤ

  • イモ類・・・じゃがいも、さつまいも

  • 果物類・・・みかん、オレンジ、レモン、キウイフルーツ、いちご

※ビタミンと合わせて食べることで鉄分の吸収を高る効果あり

■まとめ

貧血の多くは鉄不足による鉄欠乏性貧血です。
その予防には、まず偏った食生活を改善しバランスの摂れた食事を心がけることが大切です。そのなかで、鉄を多く含む食品を上手に選んで食べるよう工夫しましょう。

最後になりますが、たかが貧血と軽視するのは危険です。貧血の影にがんや腎臓病、胃・十二指腸潰瘍などの病気が隠れている場合もあります。食生活に問題がなく貧血症状で気になることがあれば、医療機関の受診をおすすめします。

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