春菊の栄養は免疫力や美容に効果あり!!独特な香りが胃腸を整える?

春菊はβ−カロテンの含有量がほうれん草や小松菜を上回るトップクラス、またミネラルも豊富に含まれる緑黄色野菜です。では春菊に含まれる栄養にはどのような効果があるのでしょうか?
執筆者:ASUKA
資 格:食生活アドバイザー2級|フードインストラクター認定|食育指導士
春菊の栄養効果について
春菊にはたくさんの栄養が含まれ、風邪などの感染症予防、貧血や骨粗相性の予防に効果が期待できます。
免疫力を高めるβ-カロテン
春菊に豊富に含まれているβ-カロテンは食物が持つ色素の1つ。このβ-カロテンは、体の中に入るとビタミンAに変換され、体に必要な栄養素として働き始めます。変換されたビタミンAは、免疫力を高めたり、粘膜の細胞を正常に保ってくれる作用があります。
ビタミンAは小腸で吸収され、皮膚や粘膜を強くし、また白血球を増やすことで免疫力を高めてくれます。そのため、積極的に摂取することで風邪をひきにくくする効果が期待できるのです。
抗酸化作用で酸化を防ぐ
私たちの体は「酸化」という働きにより、長い年月をかけながら少しずつ老化しています。その酸化を防ぐことが、老化へ向かうスピードを遅らせることになり、若々しさにもつながるのです。
抗酸化作用には、細胞を傷つける活性酸素を除去することで酸化を防ぎ、ガンを抑制する働きもあります。さらに、酸化が原因で起こる肌の老化を防ぐことで美容にも効果があるのです。
カリウムで高血圧やむくみの予防
春菊に含まれるカリウムには、塩分を外に出す役割があります。
体の中に塩分が多い人は、高血圧の原因となります。高血圧が続くと、血管に負担がかかり「血管の病」につながるのです。カリウムには、余分な塩分を尿と一緒に外に排出してくれる働きがあるため、塩分を調整することができ、高血圧の予防に効果があります。
カリウムには、利尿作用があります。体内に溜まった余分な水分を外に出す働きがあるため、水分バランスが整い、むくみ予防におすすめです。
カルシウムで骨を丈夫に
春菊には、カルシウムを始めマグネシウム、リンなどのミネラルが豊富に含まれており、そのどれもが骨を作る上で欠かすことのできない大切な成分です。
骨を作る材料が不足すると、骨の中身がスカスカになり、転んだ時に簡単に骨折をしやすくなってしまいます。このことを「骨粗鬆症」といいます。
骨を作る材料で 1番大切な栄養素は「カルシウム」です。日本人はこのカルシウムが不足しがちというデータがあります。骨粗鬆症の予防をするには、カルシウムを積極的に摂る習慣が必要です。
春菊に含まれるビタミンKには、骨に含まれているタンパク質を活性化させる働きがあります。その働きにより骨の形成を促し、丈夫な骨が作られるため、ビタミンKも大切な欠かせない栄養素です。
ビタミンKで血液凝固や止血作用
春菊に含まれるビタミンKは、血液を固まらせる働きを持っています。このビタミンKが不足すると、出血が止まりにくくなるなど、傷の治りが遅くなってしまうこともあるのです。ただし、「ワーファリン」というお薬を飲まれている方は、ビタミンKを多く含む食品を、1度に多く食べないようにするといった注意が必要です。
葉酸でDNAや細胞分裂を助ける
春菊には葉酸が多く含まれています。葉酸は妊娠中や授乳中にとても必要な栄養素です 。その為、妊娠の初期や妊娠する前から摂取することは、胎児の先天異常のリスクを下げる効果にもつながります。さらに葉酸には、赤血球やヘモグロビンの合成を助けて貧血を予防する効果もあるため、特に女性には葉酸を多く含む野菜を摂ることを意識しましょう。
貧血予防の効能
鉄分が足りなくなると赤血球が減り、血液が薄くなります。そうなると体に必要な酸素が不足し、 色々な組織が酸素不足となり、疲れやすくなってしまいます。これが原因となって、めまいや体調不良につながります。
春菊に含まれている鉄分は、体に酸素を運ぶ働きをする「赤血球」を作る成分ですので、こまめに摂ることで貧血を予防することができます。鉄分を日常的に摂取することは貧血予防にはとても大切な習慣ともいえるでしょう。
優れた働きをする香り成分
春菊は独特の香りがしますよね?この香りは「α-ピネン」「ペリルアルデヒド 」という成分から生まれています。
この香り成分は、食欲を増進させたり、胃もたれの解消や消化を促してくれるなどの働きがあります。また、咳や痰などの気管支の不快な症状を抑える効果も分かっています。
その他、この独特の香りの成分は自律神経にも作用するため、疲れた時にお味噌汁に入れるだけでもホッとしますよ。
春菊の選び方
葉の色が濃い緑色、香りの強いものが新鮮な春菊です。茎は太すぎず、柔らかいものが美味しいです。葉のギザギザが浅く葉が広いものは苦味や香りが穏やかで、葉の切れ込みが深いものは風味は強いものです。鮮度が落ちてくると色あせて黄色みをおびてくるので、選ぶときは避けるようにしましょう。
保存方法
葉先の乾燥を防ぐため、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーなどで包み、ビニール袋に入れ冷蔵庫に。鮮度が落ちやすので3日程度で食べ切るようにしてください。冷凍保存する場合は軽く茹で水分を良く切ります。その後、小分けをしてラップに包み冷凍庫。
春菊の栄養を効果的に食べる方法
β-カロテンは熱に強いので茹でたり炒めたりしても問題ありません。しかしミネラルは熱に弱く、せっかくの栄養が減ってしまいます。茹でる場合、沸騰したお湯に15~20秒ほど茹でるようにしてください。さっと加熱することでミネラルの流出を抑えることができ、栄養価はそれほど変わりません。
抗酸化力をもつβ-カロテンは、油やタンパク質と一緒に食べると吸収率が高まります。料理をする際に、ごま油やオリーブオイルなどを使ったり、豚肉などと一緒に食べる事で栄養効果が満点です。
鉄分を多く摂りたいなら
ビタミンCは鉄の吸収を良くしてくれます。ベーコンと春菊のサラダや、和え物などに少しのレモンをかけて食べましょう。
骨を意識するなら
骨の強化には、カルシウムの他にもタンパク質が大切な材料になります。肉や魚、牛乳などのタンパク質と一緒に摂ることをおすすめします。肉や魚の添えものにするなど、意識して取り入れてみましょう。
まとめ
春菊には魅力ある栄養が豊富に含まれています。寒い時期が旬になるので水炊き、すき焼き、しゃぶしゃぶなどで美味しくいただけます。独特の香りと苦みがあり、好き嫌いが分かりやすい野菜ですが、食べ慣れると春菊の美味しさに気が付くはずです。馴染みのない方は、加熱料理から試してみましょう