発がん性のある食べ物の紹介とがん予防食事術

がん予防

国立がん研究センターにより「5つの健康習慣を実践することでがんになるリスクが低くなる(がん予防になる)」と発表されています。
5つの健康習慣とは「食生活を見直す」「適正体重を維持する」「節酒する」「禁煙する」「身体を動かす」です。つまり、がんの原因は食生活の乱れ・肥満・アルコールの多飲・喫煙・運動不足が主な原因となるということです。
食生活を見直し、適正体重を維持するための食事術を身に付け、お酒とたばこを控え、適度な運動をすることが、がん予防の第一歩と言えます。今回はがん予防に重要な食事術や安全な食材、発がん性のある食材や調理法についてお伝えいたします。

がん予防のための食事術とは

がんの要因のおよそ30%を「食事」が占めているのをご存知でしょうか。「喫煙」と並び2大要因と言われています。
がん予防のために安全な食材を用いた食事術が重要です。がん予防のための食事術とはどのようなものでしょうか。詳しく見ていきましょう。

がん予防に効果的な食事術と安全な食材

▼バランスのとれた食生活を心がけましょう

バランスのとれた食生活とは、1日の食事は3回とし、毎食「主食・主菜・副菜」を取り揃え、毎食同じくらいの量を摂ることです。具体的に言えば、主食(ご飯・パン・麺)、主菜(肉・魚・豆製品)、副菜(野菜・きのこ・海藻)を毎食適量取り揃えるということです。

しっかり摂りがちな夕食を軽めに済ませると、朝から空腹感を感じ、軽く済ませがちな朝食をしっかりと摂ることができるのでおススメです。バランスのとれた食事を摂ることにより、肥満の是正・適正体重の維持の効果もありますので、がん予防に1番重要なポイントであるといえます。

毎食のバランスを整えるのが難しい方は、バランスが悪かった食事を他の2食で補うような食事を心がけましょう。

例:昼食がラーメンのみだった場合は夕食と朝食で野菜を補うと良いでしょう。

▼塩分は控えめにしましょう

塩分の摂りすぎは高血圧や動脈硬化といった生活習慣病だけではなく、胃がんなどのがんの可能性も高めます。日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、塩分摂取量の目標値は18歳以上の男性で7.5g未満/日、女性で6.5g未満/日です。

現在の日本人における食塩の1日の平均摂取量は8.5g程ですので、がん予防のためには減塩対策が必要です。塩分が多く含まれる食品は、調味料・汁物・麺類・加工食品(魚の干物・漬物・練り製品等)ですので、がん予防のための食事術ではそれらの摂取は控えることが重要です。

調理の際は薬味や香辛料で風味を付けて薄味を心がけ、味が濃い外食は避ける

汁物・麺類は、汁の部分に塩分が多く含まれていますので、みそ汁やスープの具をたくさんにし汁は少なめに、麺類は汁を残しましょう保存のきく加工食品は、塩分がたくさん含まれています。
特に漬物にはたくさんの塩分が含まれていますので控えめにし、どうしても主食に味をつけたい場合はふりかけや焼きのりで風味をつけて楽しみましょう。

野菜や果物は豊富に摂る

野菜・果物・キノコ・海藻には、食物繊維・ビタミン・ファイトケミカルが豊富に含まれています。食物繊維やビタミンは脂質の代謝を促し、抗酸化作用がありますので、がん予防にも有用です。
第7の栄養素とも言われるファイトケミカルとは健康に良い影響を与える植物由来の化合物のことです。有名なものでは、トマトのリコピン、人参のカロテン、ブルーベリーのアントシアニンなどがあります。
ファイトケミカルの多くは、植物中に色素や辛み成分・アクなどとして存在し、体内では抗酸化物質・免疫抑制物質・解毒酵素誘導物質として作用し、がん予防への効果が期待されています。
野菜は1日に350gを摂ることが、厚生労働省により勧められています。だいたい1食で生野菜なら両手1杯分、温野菜なら片手1杯分が目安です。単品料理を避け、定食スタイル中心の食生活にすることで、野菜・きのこ・海藻を豊富に摂ることが可能になります。
食事は1日3回に分けて摂ることが理想ですが、どうしても間食がしたい場合は果物がおススメです。間食の習慣がない方は、無理に間食をする必要はありませんので、軽くなりがちな朝食に果物を足すと更にがん予防に効果的な食事術になります。

食事は腹八分目を心掛ける

食事を摂りすぎることで、食道・胃・大腸・小腸・膵臓・肝臓などの消化管に負担がかかります
食事を腹八分目に抑えることで、消化管の負担を和らげ、がん予防にもつながりますので、腹八分目を心がけましょう。

食事の時はよく噛んで食べること

食べ物をあまり噛まずに飲み込むいわゆる丸のみ状態は、食道や胃に大きな負担がかかります。
食べ物はよく噛み、唾液の分泌を促すことで、消化もよくなり、胃や食堂の負担が軽くなり、がん予防にもつながります。



よく誤った事例

ダイエットとは本来「体調維持のための食事制限」という意味ですが、最近では痩身の意味が大きくなり、単品ダイエット・○○抜きダイエットが流行することもあります。
先に述べたように、本来のがん予防のための食事術とは、バランスの良い食事を摂り、適正体重を維持することです。単品ダイエット・○○抜きダイエットのような、偏った食事は健康を乱す元になりますので、おススメしかねます。また、必要以上の減量も適正体重を下回る可能性があるため危険です。あくまで、適正体重の維持に努めましょう。

▼BMI数値とは

適正体重とはBMI22の状態です。BMIとは別名体格指数とも言われ、痩せや肥満などの状態を数値化したものです。
指数の判定は国ごとに違いますが、日本人はBMI22の状態が統計的に見て1番健康に過ごせる体格指数なので、BMI22程度を維持する食事が理想的です。

BMIの計算式
  • BMI=体重㎏÷(身長m)÷(身長m)

  • 適正体重=(身長m)×(身長m)×22

  • ▼日本肥満学会の体格指数判定基準(成人)

    • 18.5未満:痩せ

    • 18.5~25未満:ふつう体系

    • 25~30未満:肥満(1度)

    • 30~35未満:肥満(2度)

    • 35~40未満:肥満(3度)

    • 40以上:肥満(4度)

    • (例)身長170㎝ 体重80㎏の人の場合

    • BMI=80÷1.7÷1.7=27.7

    • BMI27.7なのでふつう体系です。

    食品選び

    発がん性のある食べ物の紹介

    口から入った食べ物は口腔内・食道・胃で溶かされたあと、小腸や大腸で吸収されます。
    炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル等の栄養素は栄養として体内に取り込まれますが、発がん性物質は消化吸収されることなく少しずつ体内に蓄積します。体内にたまった発がん性物質が酸化し炎症を起こすと、細胞内の遺伝子を傷つけがんになります。発がん性物質以外でも、食事による刺激が積み重なってがんが発症することもあります。ではどういった食品・食事ががんの要因になりうる発がん性物質なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

    過剰摂取に注意が必要な発がん性のある食材

    ▼赤肉・加工肉を摂りすぎない

    赤肉(牛・豚・羊など)や加工肉(ソーセージ・ハム・ウインナーなど)は大腸がんの発生要因です。
    赤肉・加工肉中の発がん性物質は、ヘム(赤い色素)・硫酸塩や亜硝酸塩などの食品添加物・アミン類(にくの高温調理の際に発生する物質)です。とはいっても、肉は重要なタンパク源ですので、毎日食べない・食べ過ぎない程度に控えましょう。
    タンパク源は赤肉以外にも、鶏肉・魚・卵・大豆もありますので、赤肉の摂りすぎには気を付けましょう。

    ▼塩蔵食品を摂りすぎない

    塩分の摂りすぎは高血圧・動脈硬化等の生活習慣病につながることはよく知られていますが、実は胃がんの発生要因でもあります。
    塩分の過剰摂取は胃粘膜の粘液を破壊し、胃酸による胃への自己攻撃やなどにより、胃がダメージを受けます。ダメージを受け続けるとがんにつながりますので、減塩は重要なポイントです。



    ▼アルコールの過剰摂取に注意

    適量の摂取なら健康に良いといわれることもあるアルコールですが、摂りすぎることで発がん性物質になります。アルコールは体内に入るとアセトアルデヒドという有害物質に変わります。この物質が細胞内の遺伝子を傷つけがんになります。

    アルコールの適量:日本酒180ml、ビール500ml、ウイスキー60ml、焼酎25度100ml、ワイン200ml

    日本酒の場合では、毎日適量の2倍の量を摂ると発がん率は40%上がり、毎日適量の3倍の量を摂ると発がん率は60%上がるというデータもあります。完全な禁酒は難しいかもしれませんが、節酒に努めることが重要です。

    ▼焼き焦げは取り除く

    肉や魚の焦げには「ヘテロサイクリックアミン」という発がん性物質が含まれます。良く焼いたローストチキンや塩鮭の皮は美味しいですが、焦げは取り除いて食べたほうが安全です。

    ▼じゃがいもの高温加熱食品は避ける

    ポテトチップスやフライドポテトなど、じゃが芋を高温の油で調理した料理には、発がん成分であるアクリルアミドが多く含まれています。これらの過剰な摂取は控え、これらを自宅で調理する場合には加熱は短時間で留めることが賢明です。

    ▼熱すぎる、冷たすぎる食品は避ける

    火傷するほど熱い鍋料理・スンドゥブ・熱すぎる茶などや、冷たすぎるかき氷などの多量摂取は、口腔や食道に大きな刺激を与えます。
    一度限りの摂取では、がんの要因にはなりませんが、日常的に摂ると発がん性が上がりますので注意が必要です。



    毎日の食事に取り入れると良い食材

    日本よりも早くからがんによる死亡率の増加が問題視されていたアメリカでは、1980年には国立がん研究所を中心にデザイナーフーズ計画という計画が進められていました。
    この計画はがん予防に有用な働きをするファイトケミカルを特定し、アメリカ人の食卓に並ぶことの多い加工食品に加えることで、国民のがん予防を推進する計画です。
    このデザイナーフーズ計画により、がん予防に効果のある野菜40種を有効性の大きい順にピラミッド状に並べたものがデザイナーフーズピラミッドです。では、このデザイナーフーズピラミッドの上位にくる安全な食材は何でしょうか。含まれるファイトケミカルと共に見ていきましょう。

    デザイナーフーズピラミッド

    効果の高い順

    にんにく(アリシン) > キャベツ(イソチオシアネート) > 大豆(イソフラボン) > 生姜(ショウガオール、ジンゲロール) > 人参(カロテン) > セロリ(硫化アリル) > 玉ねぎ(ケルセチン) > ブロッコリー(スルフォラファン) > カリフラワー > トマト(リコピン) > 茄子(ナスニン、アントシアニン) > ピーマン(クロロフィル) > かんきつ類(リモネン、フラボノイド) > 玄米(フェルラ酸) > 茶(カテキン)

    身近な食材ばかりであることに驚かれた方も多いのではないでしょうか。
    これらはファイトケミカルと同時に、ビタミンや食物繊維も多く含んでいますので、毎日摂り続けることが重要です。では、これらのファイトケミカルの多い食材を使ったおススメレシピをご紹介いたします。

    ■まとめ

    発がん性のある食材はたくさんあり、すべてを取り除くと面白みのない食事になり、食事の楽しみが半減してしまいます。重要なことは、摂りすぎないことです。ですので、発がん性のある食品は節度を守り、1度にたくさん食べたり、毎日食べたりはしないようにしましょう。

    また、反対にがん予防に有用な安全な食材も身近な食材の中にたくさんあることがわかりました。例えば、先にご紹介したスープを作り置きしておき、朝食に玄米と共に食べるとがん予防にとても有用な1食が完成します。
    毎日の食生活をすこしだけ見直し、がん予防のための食事をぜひ取り入れていってください。

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